SEMrushやAhrefsに月1万円以上払い続けているなら、一度立ち止まって考える価値がある。RustySEOは無料・ローカル動作・クロール無制限を実現したTauri+Rust製のデスクトップSEOツールで、2026年4月28日にv0.3.8をリリースした。

この記事では以下がわかります。

  • RustySEOの概要と技術スタック
  • クロール・ログ解析・AI統合など6つの主要機能
  • v0.3.8で追加された新機能
  • SEMrushやScreaming Frogとの違いと使い分け

SEOツールの「月額コスト問題」を解決する

個人ブログ運営者や中小規模のマーケティングチームにとって、SEOツールのコストは無視できない。SEMrush ProとAhrefs Liteを合わせると月3万円以上、Screaming Frogのライセンス料は年£239(約5万円)かかる。しかもAI機能を使うと追加料金が発生する。

RustySEOはこの問題に対して「PC上でローカル実行・完全無料・クロール無制限」で答えるOSSだ。GPL-3.0ライセンスで公開されており、GitHubでスター225・フォーク45を集めている。

技術スタック:ElectronではなくTauriを選んだ理由

RustySEOの内部構成は以下のとおりだ。

技術
デスクトップシェル Tauri(Rustベース)
バックエンド Rust(クロール・ログ解析・データ処理)
フロントエンド Next.js + React + TailwindCSS
データストア SQLite(ローカルDB)
AI Google Gemini / Ollama

Electronの代わりにTauriを採用したことで、配布バイナリが軽量になった。WindowsのEXEは約17MB、macOSのDMGは33〜34MBに収まる。Rustによる非同期並列クロールはtokioランタイムで動くため、数千ページを実用的な時間でスキャンできる。Win/Mac/Linuxの3プラットフォームに対応する。

6つの主要機能

1. クロール(Shallow / Deep)

CTRL+SでShallowクロール(指定URL+1階層)、CTRL+DでDeepクロール(サイト全体)を実行する。Sitemap-aware(sitemap.xmlに従う)とCSVによるURLリスト指定も選べる。クロール中はHTTPステータス・タイトル・H1・メタディスクリプション・Canonical・内部/外部リンクがリアルタイムで一覧化される。

2. Core Web Vitals

Google PageSpeed Insights APIと統合し、各ページのLCP・FID・CLS・INPを取得する。GA4のフィールドデータと組み合わせて、ラボ値とフィールド値の乖離を可視化できる設計になっている。

3. オンページSEO分析

タイトル長・メタディスクリプション長・H1タグ重複・キーワード密度・画像alt属性・内部リンク数などを総合評価する。Screaming Frogで定番の分析項目はほぼカバーしている。

4. AIキーワード生成

Google GeminiまたはOllamaと連携し、ターゲットキーワードから関連トピックを自動生成する。GEO(Generative Engine Optimization:生成AI検索最適化)とSEOの両面で関連語を提案するため、コンテンツ企画のブレストにも使える。Ollamaを使えばAPIキーなしで完全ローカル動作する。

5. サーバーログ解析

NginxとApacheのアクセスログを読み込み、Googlebot・Bingbot・GPTBot・ClaudeBotなど主要クローラーの訪問パターンを可視化する。クロールバジェットの偏りや、特定ページへのクローラー未訪問といったSEO技術上の問題を発見するのに役立つ。圧縮済み(.gz)ログにも対応する。

6. タスク管理・レポート出力

CTRL+Tでタスクを作成し、改善点をチケット形式で管理できる。レポートはCSV・Excel・Google Sheets・PDFの4形式で出力可能で、クライアント納品にそのまま使える。

v0.3.8の新機能(2026-04-28リリース)

最新バージョンでは以下の機能が追加・改善された。

Settings GUI — 設定画面がGUIで操作できるようになり、初期設定の手間が減った。

Deep Crawlerの強化 — サイトマップを自動検出・解析する「Sitemap Discovery & Parsing」が追加された。クロール速度も改善されており、「1015 Too Many Requests」エラーのバグも修正されている。

ログアナライザーの強化 — 処理できるログ数が増加し、ボットトラフィックを自動検出・分類する「Agentic Bot Detection & Segmentation」が追加された。ログ内の機密データを自動検出・フラグする機能も追加されている。

Screaming Frog・SEMrushとの違い

RustySEOが勝る点はコストとクロール制限だ。Screaming Frogの無料版は500URLまで、SEMrushは月次クロール上限がプランで決まる。RustySEOはインストールした端末のCPUと回線が許す限り無制限にクロールできる。

一方でRustySEOが対応していない機能もある。競合サイトの被リンク調査やオーガニックキーワード分析はAhrefs・SEMrushが独自データベースを持つため代替できない。「自サイトの技術監査とログ解析はRustySEOで、競合調査は有料SaaSで」という使い分けが現実的だ。

まとめ:まず1回Deep Crawlを走らせる

RustySEOはSEOツールの全機能を置き換えるわけではないが、クロール・Core Web Vitals・ログ解析・AI活用・レポート生成をひとつの無料アプリに集約している点が強みだ。Tauri採用で起動が軽く、データはPC内のSQLiteに保持されるため情報漏洩リスクもない。

GitHub ReleasesからOSに合ったインストーラを取得してDeep Crawlを1回実行するだけで、自サイトの現状が一覧できる。いま支払っているSEOツールの費用と比較するのはその後でも遅くない。