複数のAIコーディングエージェントを同時に動かしたいが、gitのコンフリクトや管理の煩雑さがネックになっていないだろうか。Conductorはそれを解決するmacOS専用のエージェントオーケストレーションツールだ。

この記事でわかること:

  • ConductorがgitのWorktreeをどう使って競合を防ぐか
  • Claude CodeとCodexを並列で走らせる具体的なワークフロー
  • 2026年5月5日公開のv0.51.0で追加されたCodex可視化機能
  • インストール方法と動作要件

https://www.conductor.build/

AIエージェントを複数使うと何が起きるか

Claude CodeやCodexをローカルで走らせると、複数のタスクを同時進行させたくなる。しかし何もしなければ、エージェントが同じブランチ上で競合するコードを書き始める。コンフリクトの解消に時間をとられ、「並列で動かしているのに手作業が増えた」という状況になりやすい。

gitのWorktreeを使えば複数ブランチを別ディレクトリで同時チェックアウトできる。ただし、Worktreeのセットアップとエージェントへの割り当て、変更のレビュー、PRの作成を手動でつなぐのは手間がかかる。

Conductorが提供する仕組み

Conductorはこの一連の作業をGUIで一括管理する。

リポジトリを追加すると、Conductorがローカルにクローンする。新しいWorkspaceを作るたびにgit worktreeが自動で生成され、Claude CodeまたはCodexのエージェントが独立した作業領域で動き始める。エージェント同士はファイルを共有しないため、コンフリクトが発生しない。

作業が終わったら、Diff Viewerで変更内容を確認してコメントを添付し、エージェントに修正を依頼できる。PRの作成とマージもConductorの画面から完結する。ワークフローの流れは「Workspace作成 → エージェント実行 → レビュー → PR作成 → マージ → アーカイブ」の一本道だ。

主な機能

並列エージェント管理
Claude CodeとCodexのどちらも使える。1つのリポジトリに対して複数のWorkspaceを立ち上げ、それぞれ別タスクをエージェントに割り当てられる。サイドバーで各Workspaceの状態を一覧で把握でき、注意が必要なものをすぐに特定できる。

Diff Viewer
⌘⇧DでDiff Viewerを開き、変更されたファイルをレビューできる。インラインコメントを入力すると、そのコメントがコンポーザーに添付され、そのままエージェントに送信できる。コードレビューの往復をConductorの画面内で完結させられる。

GitHubとの連携
ブランチ、PR、GitHub Actionsのステータスをリアルタイムで確認できる。issueやPRからWorkspaceを作成する機能もあり、Linear issueにも対応している。

Managed Settings
~/.conductor/settings.jsonに設定ファイルを置くことで、デフォルトエージェントやClaude実行ファイルパスなどを組織全体で統一管理できる。チーム導入時にメンバーごとの設定ばらつきを防げる。

v0.51.0(2026年5月5日)のアップデート

最新バージョンでは、CodexのUI表示が大きく改善された。

ツールコールの表示が詳細になり、ファイル操作・コマンド実行・検索の内容を展開して確認できるようになった。これまでCodexが何をしているかは実行ログを追わなければわからなかった部分が、Conductorのチャット画面上で一目でわかる形になった。

Codexのサブエージェントも可視化された。マネージャーエージェントが複数の専門エージェントを並列で走らせる構成になっているが、その内部の動きがConductorの画面に表示される。また、Codexがgpt-image-2で生成した画像も、チャット内にインライン表示されるようになった。

Files to copy機能も追加された。リポジトリの設定に「コピーするファイルパス」を指定しておくと、新しいWorkspaceを作成するたびに自動的にそのファイルがコピーされる。.envファイルや共通の設定ファイルを毎回手動でコピーする手間がなくなる。

動作環境と対応エージェント

ConductorはmacOS専用のアプリで、Apple Siliconが必要だ。Intel Macには対応していない。対応エージェントはClaude CodeとCodexで、どちらも既存のログイン状態(APIキー、Claude Pro/Maxプランなど)をそのまま使う。Bedrock経由でのClaudeも利用できる。

Melty Labsが開発しており、2026年に2,200万ドル(約33億円)のシリーズAを調達している。ダウンロードはconductor.buildから無料で入手できる。

まとめ

Conductorは、複数のAIコーディングエージェントをgit worktreeで完全に分離し、レビューからマージまでを一画面で管理するツールだ。Claude CodeとCodexの両方に対応し、v0.51.0でCodexのツールコール可視化が強化された。Xcode、JetBrains、VSCodeなど既存のIDE環境を使いながら、エージェントの並列実行を試したいmacOSユーザーにとって現時点で有力な選択肢だ。