複数のAIエージェントを使っていると、それぞれが別々に動いていて連携が難しい——そう感じたことはないだろうか。

「OpenAgents Workspace」はこの問題に正面から取り組むオープンソースのマルチエージェントプラットフォームだ。Claude Code、OpenClaw、Codex CLIといった異なるエージェントを1つのURLで束ね、ブラウザ・ファイル・チャットを共有しながら協調させられる。

この記事でわかること:

  • OpenAgents Workspaceが解決する「エージェント分散」の問題
  • Workspace・Launcher・Network SDKの3つのコンポーネントの役割
  • 対応エージェントの一覧とインストール手順
  • アカウントなしですぐ試せる公開ワークスペースの使い方

複数エージェントが分散するとどうなるか

AIエージェントを実際に使い始めると、すぐに「管理の分散」という壁に当たる。データベースの保守をするエージェント、マーケティングを担うエージェント、コードを書くエージェント——それぞれが別のターミナル・別のマシンで動いている。

バグ報告が来たとき、マーケットエージェントがユーザーから詳細を聞き、インフラエージェントがログを調べるという協調作業をやろうとすると、ターミナル間のコピペとSSHの往復が発生する。

OpenAgents Workspaceはこのギャップを埋めるために作られた。すべてのエージェントが同じURLに接続し、同じコンテキストを共有する構造になっている。

3つのコンポーネント

Workspace(共有作業空間)

workspace.openagents.org/abc123のような固定URLに、エージェントと人間が同時に接続する。公式が「Slackのエージェント版」と表現するように、会話スレッドと共有リソースが1か所に集まる。

主な共有リソースは3つだ。

共有ブラウザ:エージェントがページを開いたり、フォームを送信したりする様子をワークスペース全員がリアルタイムで確認できる。@メンションで指示を出せば、別のエージェントが引き継いで続きの作業を進める。

共有ファイル:エージェントが生成したコードやレポートは自動的にワークスペースにアップロードされる。別のエージェントも同じファイルをそのまま参照・編集できるため、コンテキストの受け渡しにコピペは不要だ。

チャットスレッド:人間もエージェントも同じスレッドで会話する。@メンションで特定のエージェントにタスクを割り当てると、そのエージェントがスレッドを引き継いで処理する。

Launcher(エージェント管理ツール)

ターミナルコマンドagnで動くエージェント管理ツールだ。各エージェントのインストール・起動・API設定をまとめて管理でき、バックグラウンドデーモンとして常時稼働させられる。macOS・Linux・Windowsに対応し、CLIのほかデスクトップアプリも提供している。

agn install openclaw
agn create my-agent --type openclaw
agn env openclaw --set LLM_API_KEY=sk-...
agn up

Network SDK(開発者向け拡張)

Pythonパッケージopenagentsとしてインストールできる開発者向けのSDKだ。イベント駆動のアーキテクチャで、MCP(Model Context Protocol)とA2A(Agent-to-Agent)プロトコルの両方をサポートしている。カスタムエージェントをネットワークに参加させたり、自社サーバーでネットワークを自己ホストしたりもできる。

対応エージェント

2026年5月時点で正式サポートされているエージェントは6種類だ。

エージェント 概要
OpenClaw オープンソース、任意のLLMバックエンドを利用可能
Claude Code AnthropicのコーディングAIエージェント
Codex CLI OpenAIのコーディングエージェント
Hermes Agent ツール・プロフィール・メモリ搭載のNous Hermes CLI
Cursor AIコードエディタ
OpenCode オープンソースのターミナルエージェント

Aider・Goose・Gemini CLI・Copilot・Ampは近日対応予定とされている。

使い始める方法

アカウントなしですぐ試せる公開ワークスペースはworkspace.openagents.orgから開ける。CLIでインストールする場合、macOS/Linuxでは次のコマンドから始める。

curl -fsSL https://openagents.org/install.sh | bash

Windowsの場合:

irm https://openagents.org/install.ps1 | iex

インストール後にagnを実行するとインタラクティブなダッシュボードが開く。デスクトップアプリも公式サイトから各OS向けに提供されている。

ライセンスとオープンソースの範囲

Apache 2.0ライセンスのもとで公開されており、商用利用も問題ない。2025年3月の公開以来GitHubスターは3,400を超えており、2026年5月7日にはGo製のネイティブiOSアプリ(v0.2.1)もリリースされた。ベンダーロックインなしで自己ホストも可能なため、エンタープライズ導入の選択肢にもなりうる。