GitHub CopilotがVS Code全体でセマンティック検索に対応しました。
GitHubは2026年5月、VS Code向けCopilot機能のAprilリリースをまとめた大型更新を公開しました。対象バージョンはv1.116〜v1.119です。意味検索の全ワークスペース展開、自前APIキーの持ち込み(BYOK)、エージェントへのブラウザタブ共有など、エージェントの実用性を高める変更が複数含まれています。
この記事でわかること:
- 全ワークスペースで有効になった意味検索と
githubTextSearchツールの役割 - BYOK対応で使えるようになったプロバイダーと設定方法
- エージェントがブラウザ・ターミナルを直接読み書きできる新機能
- 過去のチャット履歴を検索できる実験的機能
/chronicle
https://github.blog/changelog/2026-05-06-github-copilot-in-visual-studio-code-april-releases/
全ワークスペースで意味検索が使えるようになった
従来のCopilotセマンティック検索は対応ワークスペースが限られていましたが、今回の更新で全ワークスペースに展開されました。エージェントは新しいgithubTextSearchツールを使い、GitHubのリポジトリや組織全体に対してgrepスタイルのクエリを実行できます。
たとえば「この関数を呼び出している箇所を組織内のリポジトリで探して」という指示が、ローカルで開いていないリポジトリにも通るようになります。コードレビューや横断的なリファクタリングで、検索コストが大きく下がります。
過去のチャット履歴を検索できる /chronicle
/chronicleは、Copilotとのやり取りをローカルデータベースに記録し、過去のセッションを検索できるようにする実験的機能です。「先週どのファイルを触ったか」「あのPRで何を確認したか」を自然言語で問い合わせると、関連するセッションが返ってきます。
データはローカルに保持され、外部には送信されません。有効化には設定 github.copilot.chat.localIndex.enabled をオンにします。
BYOK:自前のAPIキーをVS Codeに接続する
Copilot Free・Pro・Pro+・Business・Enterpriseのユーザーは、自分が契約している他プロバイダーのAPIキーをVS Codeに接続できるようになりました。対応しているのはOpenRouter、Microsoft Foundry、Google、Anthropic、OpenAIなどです。
ローカルで動くモデルも対象で、OllamaやFoundry Localに対応しています。管理者はGitHub.com上の「Bring Your Own Language Model Key」ポリシーでチーム全体のアクセスを制御できます。
既存のCopilotサブスクリプションを維持しながら、特定タスクだけ別プロバイダーのモデルに切り替えるといった使い方が現実的になりました。
エージェントがターミナルとブラウザを直接読み書き
エージェントは既存のフォアグラウンドターミナルに読み書きできるようになりました。実行中のREPLやインタラクティブなスクリプトも対象です。これまでエージェントが新しいターミナルを起動していたのと違い、作業中の環境をそのまま操作できます。
ブラウザ連携も追加されています。手動でタブを共有すると、エージェントがページ内容を読み取り、操作や変更の検証をリアルタイムで実行します。ローカルで動くWebアプリの動作確認をエージェントに任せるといった使い方が想定されています。
Copilot CLIセッションをリモートで操作する
VS Code内で開始したCopilot CLIのセッションを、GitHub.comやスマートフォンアプリから監視・操作できる実験的機能が追加されました。有効化には設定 github.copilot.chat.cli.remote.enabled をオンにし、チャットで /remote on を実行します。
長時間実行するタスクをPCの前を離れても別デバイスから確認・介入できるため、バックグラウンドでのエージェント利用に適しています。なお、長時間のターミナルコマンドはステータスが通知としてチャットに表示されるようになったため、完了を見逃しにくくなっています。
チャット内のdiff表示とエージェント自動生成
コード変更の差分がチャットスレッド内に直接表示されます。別タブに切り替えずに変更内容を確認し、そのまま承認または却下できます。
カスタムエージェントの作成も簡単になりました。自然言語で目的を説明するだけで、エージェントの設定ファイル・スキル・インストラクションの雛形が自動生成されます。エージェントをゼロから書く手間が減ります。
トークン使用量の削減
スマートなプロンプトキャッシュ、遅延ツール読み込み、エージェント専用ツールの最適化が組み合わさり、リクエストごとのトークン使用量が削減されています。エージェントの動作は変わらないまま、コンテキスト消費を抑えられます。
APIコストが気になる場面では、BYOK経由で低コストなモデルを選択肢に加えると費用対効果を調整しやすくなります。
複数の変更が重なるAprilリリース
今回のリリースでとくに実用的なのは意味検索の全展開とBYOKです。意味検索はリポジトリをまたいだコード探索の手間を減らし、BYOKは組織のモデル選択の自由度を広げます。ブラウザ・ターミナル連携はエージェントに渡せる文脈の幅を拡大するため、複雑なタスクの自動化が現実的になってきています。