「話しかければ返事が返ってくる」だけではない。NPCも場所もアイテムも、何もかもをAIがその場で作り出すRPGが、いよいよプレイできる。

インディーゲーム開発者のだるまと赤べこが手がける「Instantale」は、2026年6月2日にEpic Games StoreでPC向けにリリースされる。価格は1700円(税込)。

この記事でわかること:

  • Instantaleの仕組みとゲームの特徴
  • SteamからEpic Storeへ移った背景
  • 自然言語入力によるゲームプレイとは何か
  • 寿命・資産継承のローグライク要素

そもそもどんなゲームか

Instantaleは、大規模言語モデル(LLM)を活用した「AI駆動ローグライクRPG」だ。場所、人、アイテム、イベントなど、ゲーム内の全要素がAIによって動的に生成される。既存のRPGのように事前に用意されたシナリオは存在せず、プレイヤーごとに全く異なる世界と物語が展開される。

同じゲームを2周しても、同じキャラクターには出会えない。世界の地理も、住む人々の関係性も、登場する依頼も、毎回ゼロから生成される。これは「ランダム生成ダンジョン」とは異なる。LLMが文脈を持ったうえで意味のある形でコンテンツを作り出す設計だ。

SteamでのLIVE AI規約問題

本作は、もともとSteamでの配信を予定していた。デモ公開前の段階で15,000件以上のウィッシュリストを獲得しており、同ジャンルでは異例の注目を集めた話題作だ。

ところが、Steamが「ライブ AI(ゲームの動作中にAIがリアルタイムで応答を生成する仕組み)」の使用に関する規約を理由に配信を認めず、発売は白紙に戻った。開発チームはその後も開発を継続し、Epic Games Storeでの審査を通過。2026年6月2日の発売が決定した。

SteamのLIVE AI規制はInstantaleだけでなく、生成AIを中核に据えたゲームが直面しつつある課題の一例でもある。

3つの核心的な特徴

AIがすべての要素を動的に生成する

Instantaleの世界は、場所・人物・物品・人間関係に至るまで全てが大規模言語モデルによって意味を持った形で生成される。既存のランダム生成ゲームと異なり、NPCには役割・目的・関係性が与えられており、単なる「配置物」ではなく世界の住人として機能する。

プレイするたびに全く異なる世界が広がるため、攻略情報が存在しない。プレイヤー同士が全く異なる体験をすることが前提として設計されている。

選択肢がなく、自然言語で自由に行動できる

既存のRPGにある「会話の選択肢ボタン」がない。NPCには事前に用意されたセリフも固定の応答パターンも存在せず、言語モデルがプレイヤーの入力に対してその場で応答を生成する。

冒険中のあらゆる行動—依頼の交渉、戦闘の戦略、NPCとの情報収集—は自然言語の入力によって行われる。「剣を抜いて脅す」でも「報酬を高くするよう交渉する」でも、プレイヤーが入力した言葉がそのまま物語の分岐を生む。同じ状況でも、どう言葉を選ぶかで結果が変わる。

寿命と資産継承によるローグライク設計

過酷な世界観のもと、ゲーム内キャラクターには「寿命」の概念がある。プレイヤーキャラクターはいずれ老いて死を迎える。ただし、死後は生涯に獲得した一部の資産を引き継いで、新たなキャラクターとして次の人生を始められる。

高難度のローグライクとして死は避けられない前提として設計されており、積み重ねによって徐々に有利になる「継承型ローグライク」の形を取っている。この設計により、何周しても異なる目標と物語が生まれる。

発売情報

https://store.epicgames.com/ja/p/instantale-2cfd4c

発売日:2026年6月2日
価格:1700円(税込)
プラットフォーム:PC(Epic Games Store)

まとめ

Instantaleは、ゲーム内のシナリオ・世界・キャラクターの全てをLLMがリアルタイムで生成するという、これまでのRPGと根本的に設計が異なる作品だ。Steamでの配信拒否という逆境を経てEpic Games Storeにたどり着いた経緯も、本作への注目を高めている。

1700円という手頃な価格で試せる点も含め、生成AIとゲームの融合に関心がある人には注目の1本だ。