Claudeはテキスト生成や推論が得意だが、「Appleの今日の株価は?」「Teslaの最新決算を教えて」という質問には答えられない。学習データに含まれていないリアルタイムの財務情報は、外部からつなぐ必要がある。
Financial Datasets MCP Serverは、17,000銘柄以上の株価・財務諸表・SECファイリングなどをMCP経由でAIアシスタントに接続するサービスだ。Claude CodeやClaude Desktop、CursorからコマンドひとつかOAuth設定だけで導入でき、接続後はプロンプトだけでAmazonの四半期決算データを取得したり、GoogleとMetaの収益成長を比較したりできる。
この記事でわかること:
- Financial Datasets MCPが解決する課題
- Claude Codeへの接続手順(コマンド1本)
- Claude DesktopおよびCursorへの接続手順
- 利用できるツール群の一覧
- 無料プランの範囲と料金の概要
https://www.financialdatasets.ai
AIがリアルタイムの財務データを使えない理由
ClaudeのようなLLMは学習データをもとに動作するため、知識カットオフ以降の情報は持っていない。株価・財務指標・SECファイリングなどリアルタイム性が重要なデータは、外部ソースとの接続なしには取得できない。
これまでは財務データAPIをコードで呼び出し、レスポンスをプロンプトに渡す処理をアプリ側で実装する必要があった。Financial Datasets MCPはこの手間をMCPレイヤーで吸収し、AIがAPIを直接呼び出せる状態を作る。
Claude Codeへの接続手順
ターミナルで以下のコマンドを実行する。
claude mcp add --transport http financial-datasets https://mcp.financialdatasets.ai/
次に、Claude Code内で /mcp と入力してOAuth認証フローをブラウザで完了する。Financial DatasetsアカウントとのOAuth 2.1認証が行われるため、APIキーを別途取得する必要はない。
接続状態の確認は次のコマンドで行える。
claude mcp list
Claude Desktop・Cursorへの接続手順
Claude.ai(Web)およびClaude Desktopの場合は、設定 → Connectorsを開き「Add」をクリックする。サーバーURL https://mcp.financialdatasets.ai/ を入力し、「Add custom connector」をクリックしてOAuth認証を完了する。その後、新しいチャットで「+」からFinancial DatasetsをConnectorsとして有効にする。
Cursorを使う場合は ~/.cursor/mcp.json に以下を追加して保存し、Cursorを再起動するだけだ。
{
"mcpServers": {
"financial-datasets": {
"url": "https://mcp.financialdatasets.ai/"
}
}
}
利用できるツール群
接続後、AIは次のカテゴリのデータにアクセスできる。
株価・市場データ
get_stock_price で最新株価、get_stock_prices で過去の価格履歴を取得できる。screen_stocks を使えばP/E比・売上高・セクターなど複数条件で銘柄をスクリーニングできる。
財務諸表
損益計算書(get_income_statement)、貸借対照表(get_balance_sheet)、キャッシュフロー計算書(get_cash_flow_statement)の3種類が取得できる。いずれも四半期・年次で複数期分のデータを扱える。
企業・市場情報
get_earnings で10-K / 10-Q / 8-KなどのSECファイリングから決算データを取得できる。get_filing_items を使えばSECファイリングから「リスク要因」「MD&A」といった特定セクションだけを抽出できる。get_insider_trades では役員や大株主の売買記録を確認できる。
get_news は企業別ニュースと市場全体のニュースの両方に対応している。get_interest_rates ではFed・ECB・BOE・BOJなど主要中央銀行の政策金利をまとめて取得できる。暗号資産の価格データ取得も可能だ。
接続後に試せるプロンプト例を以下に示す。
- 「Appleの直近4四半期の損益計算書を見せて」
- 「GoogleとMetaの売上成長率を過去3年で比較して」
- 「P/E比20以下・売上10億ドル超のテクノロジー銘柄をスクリーニングして」
- 「Teslaのインサイダー取引を確認して」
- 「Microsoftの最新10-KからリスクファクターセクションをSECファイリングから抽出して」
- 「現在の主要中央銀行の政策金利を一覧で見せて」
料金とプログラマティックアクセス
Financial Datasetsは無料プランを提供している。株価・財務諸表・ニュース・SECファイリングなど主要ツールは無料枠で利用できる。KPI Metrics・Non-GAAP KPIsなどの高度なKPIデータはProおよびEnterpriseプラン向けとなっている。詳細はFinancial Datasetsの料金ページで確認できる。
ClaudeやCursorなどのインタラクティブクライアントからはOAuth 2.1認証で接続できるが、スクリプトやManaged Agentsからプログラマティックに呼び出す場合はAPIキーが必要だ。その場合はエンドポイント https://mcp.financialdatasets.ai/api に X-API-KEY ヘッダーをつけてリクエストする。APIキーはFinancial Datasetsのアカウントダッシュボードから生成できる。
GitHubリポジトリ(https://github.com/financial-datasets/mcp-server)でセルフホスト版も公開されており、Python 3.10以上とuvパッケージマネージャーがあればローカルで動かせる。