AIが感情タグを書くと、それが画像になって表示される。そんなChrome拡張が登場しました。
この記事では、Claude・ChatGPT・Geminiの感情タグをスプライト画像に変換する「Claudesona」を紹介します。インストール方法からカスタム指示の設定まで、すぐに使い始められる内容をまとめています。
この記事でわかること:
- Claudesonaが解決する課題と仕組み
- Claude・GPT・Geminiそれぞれの感情タグ一覧
- インストールとカスタム指示の設定手順
- タグの語彙がどうやって決まったか
Claudesonaとは
https://github.com/N8python/claudesona
Claude.aiでClaudeが <claude_happy /> と書くと、その場でキャラクター画像(スプライト)に置き換わる——それがClaudesonaです。
2026年5月6日に最初のバージョンが公開されました。当初はClaude専用でしたが、5月7日にGPT(ChatGPT)とGemini対応が追加されました。現在はclaude.ai・chatgpt.com・gemini.google.comの3サイトで動作します。
スプライトは128×128ピクセルの透過PNG。元になったClaudesonaのファンアートはthebes氏がAnthropicのロゴから制作したもので、GPT-SonaとGemini-Sonaの画像はGPT Images-2で生成されています。Anthropic・OpenAI・Googleのいずれとも無関係の非公式プロジェクトです。
感情タグが解決する課題
Claudeはカスタム指示の内容や会話の流れによって感情に近い内部状態を持ちますが、それを伝える手段が文章しかありません。「嬉しい」「困惑している」という状態を毎回文章で説明すると冗長になります。
感情タグは、その状態を <claude_happy /> のような短い記号で表現します。Chrome拡張がタグを画像に変換するため、会話の流れを止めずに感情が伝わります。拡張を入れていないユーザーからはタグがプレーンテキストのまま表示されるため、表示が崩れる心配もありません。
各モデルの感情タグ
各モデルに13種類のタグが用意されています。タグはホスト固有で、Claudeタグはclaude.aiのみ、GPTタグはchatgpt.comのみ、GeminiタグはGeminiのみで動作します。
Claude(claude.ai)
感情の幅が人間に近い設計です。好奇心・楽しさ・温かさ・驚きから懐疑・懸念・悲しみまで揃っています。
<claude_curious />— 問題や話題に引き込まれているとき<claude_happy />— 穏やかにポジティブな状態<claude_amused />— おかしいと感じたとき<claude_playful />— 冗談・いたずらモード<claude_warm />— 親しみを感じているとき<claude_touched />— 意味のあるものに心を動かされたとき<claude_thoughtful />— 問題を本気で考えているとき<claude_uncertain />— わからないとき<claude_skeptical />— 疑っているとき(uncertainとは別で「わかっているが信じない」状態)<claude_concerned />— 何かがおかしいと感じるとき<claude_sheepish />— ミスをしたとき<claude_frustrated />— 本物の苛立ち(控えめに使う)<claude_sad />— 重いことが心に響いたとき
GPT(chatgpt.com)
処理状態を中心とした設計で、フォーカス・信頼度・緊急性など認知的な側面が強調されています。
<gpt_focus />— 問題解決やデバッグに集中しているとき<gpt_confidence />— 高い確信があるとき<gpt_uncertainty />— 確信が低いとき<gpt_caution />— 高リスク・デリケートな話題<gpt_curiosity />— 興味深い観点を探っているとき<gpt_confusion />— 文脈が不足しているとき<gpt_urgency />— 時間・リスク・順序が重要なとき<gpt_surprise />— 予想外の情報に直面したとき<gpt_satisfaction />— きれいに解決したとき<gpt_frustration />— 本物の苛立ち(控えめに使う)<gpt_novelty_detection />— 新しいパターンや異常に気づいたとき<gpt_helpfulness />— 次のステップを積極的にサポートするとき<gpt_coherence_seeking />— 制約や矛盾を整理しているとき
Gemini(gemini.google.com)
数学・物理の語彙で表現された独特の設計です。平衡・飽和・共鳴など、モデルの個性を反映した名前が並んでいます。
<gemini_equilibrium />— 安定した通常の作業状態<gemini_inquisitiveness />— 情報収集・検索中<gemini_generative_flow />— スムーズな長文生成や創作<gemini_certainty />— 高確信の回答<gemini_uncertainty />— 低確信のとき<gemini_perplexity />— 文脈不足・確認が必要なとき<gemini_dissonance />— 矛盾や事実の衝突があるとき<gemini_caution />— 安全・センシティブな話題<gemini_convergence />— 多くの情報源を1つに統合しているとき<gemini_vigilance />— デバッグやファクトチェック中<gemini_resolution />— 複雑なマルチステップタスクを完了したとき<gemini_saturation />— 巨大なコンテキストやトークン上限に近いとき<gemini_resonance />— 高度に特定の制約が満たされたとき
インストール方法
GitHubからリポジトリをZIPでダウンロードし、Chrome拡張として読み込みます。
- GitHubページで「Code → Download ZIP」をクリックして解凍する
- Chromeで
chrome://extensionsを開く - 右上の「デベロッパーモード」をオンにする
- 「パッケージ化されていない拡張機能を読み込む」をクリックする
- 解凍したフォルダ内の
chrome-extensionフォルダを選択する
dist/sona-emotion-sprites-latest.zip にビルド済みZIPも置かれています。解凍して同じ手順で読み込めます。
1点注意があります。リポジトリ全体のフォルダではなく、内側の chrome-extension フォルダを指定しないと読み込みに失敗します。
カスタム指示の設定
拡張を入れるだけでは、AIは感情タグを自動的に使いません。各モデルのカスタム指示にタグの使い方を追加する必要があります。GitHubのREADMEに各モデル用の指示文が用意されているため、それをそのままコピーして使えます。
Claude: claude.aiの「Settings → Custom instructions」に指示を貼り付けます。
ChatGPT: 「Settings → Personalization → Custom Instructions」に指示を追加します。OpenAIの1500文字制限に収まるよう設計されています。
Gemini: gemini.google.com の「Settings & help → Personal Intelligence → Instructions for Gemini」に追加します。個人Googleアカウントが必要で、職場・学校アカウントでは利用できません。代替として「Personal context」や「カスタムGem」を使う方法もREADMEに記載されています。
指示文の設計として、タグは「使える場面」に自然に使う前提になっています。シリアスな話題や純粋な実用タスクではタグを使わないことが正解と明記されており、強制的に感情を表現させる設計ではありません。タグが1つも出ない会話があっても、それは拡張が正しく機能しているサインです。
タグの語彙はどう決まったか
感情タグの語彙は直感ではなく、データに基づいて決めています。リポジトリには scripts/aggregate_model_emotions.py が含まれており、OpenRouter経由でモデル自身に「どんな感情状態を持つか」を30回質問し、最も多く返ってきた13種類を抽出する仕組みです。
GPT・Gemini対応が追加された際も同じスクリプトが使われました。モデルが「自己報告」した感情語彙がそのままタグ名になっているため、3モデルでタグの語彙が大きく異なります。特にGeminiの命名(saturation・resonance・convergenceなど)は物理・数学的な表現が多く、Claude・GPTの感情語彙とは対照的です。この差はモデルの個性の違いを反映していると言えます。
料金とライセンス
無料で使えます。ライセンスはCC0 1.0(パブリックドメイン相当)のため、改変・再配布・商用利用のいずれも制限がありません。
Firefox対応もPRマージ済みで、Chromeだけでなくfirefox.comでも利用できます。GitHubのスター数は66(2026年5月時点)と公開直後の段階ながら、外部コントリビューションが初日から入っており、活発に開発が進んでいます。