自然言語だけでエージェントを組み立てる時代が、無料の5日間講座で一気に体験できます。

この記事では、GoogleとKaggleが6月15日から開催する「5-Day AI Agents: Intensive Vibe Coding Course With Google」の内容と、受講の進め方を整理します。

この記事でわかること

  • 今回の講座で何が学べるか
  • 5日間のカリキュラム構成
  • 受講に必要な準備と申し込み方法
  • 前回開催との違い

なぜ今、エージェント構築の講座が必要か

チャットボットのように返答するだけのAIと、外部ツールを呼び出して自律的に動くAIエージェントは別物です。エージェントは計画を立て、APIを叩き、複数回のやり取りをまたいで状態を保ちながらタスクを進めます。

一方で、エージェント開発はモデル選定、ツール連携、メモリ設計、品質評価、本番デプロイまで幅が広く、断片的な記事だけでは全体像が掴みにくいのが実情です。体系的に学べる無料教材への需要が、前回開催の規模からも読み取れます。

Google×Kaggleの無料5日間講座とは

Googleの研究者・エンジニアが監修したオンライン講座で、2026年6月15日から19日まで5日間開催されます。参加費は無料です。

Google公式ブログによると、前回の「5-Day AI Agents Intensive Course」は2025年11月に開催され、150万人以上が参加しました。要望を受けて2026年版が復活し、今回は「vibe coding」を軸に内容が更新されています。

vibe codingとは、自然言語を主なプログラミング手段として使い、エージェントの設計・構築・デプロイを進める手法です。複雑な構文に時間を取られず、意図を言葉で伝えてエージェントの振る舞いを組み立てる点が特徴です。Googleはこの手法でツールやAPIを統合した「10x agents」の構築を目指すと説明しています。

5日間で何を学ぶか

Kaggleの学習ガイドに基づくカリキュラムは、基礎から本番運用まで一直線に進みます。各日は概念の解説、ホワイトペーパー、ポッドキャスト、コーデラブ(実習)で構成されます。

1日目:エージェント入門

エージェントの定義と、従来のLLMアプリとの違いを学びます。Agent Development Kit(ADK)を使い、GeminiとGoogle検索を組み合わせた最初のエージェント、およびマルチエージェント構成を実装します。

2日目:ツール連携とMCP

エージェントが外部APIや関数を呼び出す仕組みを扱います。Model Context Protocol(MCP)は、AIモデルが外部ツールを発見・利用するための標準的な接続方式です。Python関数をエージェントのツールに変換する実習も含まれます。

3日目:コンテキスト設計とメモリ

セッション(単一の会話履歴)とメモリ(セッションをまたぐ長期記憶)の違いを整理し、マルチターンの会話を安定させる方法を学びます。ADK上で状態を持つエージェントを構築する実習が中心です。

4日目:品質とセキュリティ

ログ、トレース、メトリクスによる可観測性(observability)と、LLM-as-a-JudgeやHuman-in-the-Loop(HITL)を使った評価手法を学びます。エージェントの失敗原因を追跡し、応答品質を数値化する流れがテーマです。

5日目:プロトタイプから本番へ

Agent2Agent(A2A)プロトコルを使ったマルチエージェント連携と、Vertex AI Agent Engineへのデプロイを扱います。ローカルで動く試作を、他者が使えるサービスへ昇格させる手順が焦点です。

キャップストーンと学習形式

2026年版の新要素として、実践的なキャップストーン・プロジェクトが用意されています。受講者は自分のエージェントシステムを設計・構築・デプロイし、学んだ内容を一つの成果物にまとめます。

日々の学習は自己ペースの課題と、YouTubeでのライブ配信・AMA(質問会)が組み合わさる形式です。Kaggle Discordでの議論も想定されており、他の受講者と並行して進められます。ライブに参加できなくても、録画が提供されるため後追い学習も可能です。

受講前の準備

Kaggleの学習ガイドが示す準備は次の3点です。

  • Kaggleアカウント:電話番号認証が必須。コーデラブの実行に必要です
  • Google AI Studioアカウント:APIキーを発行できる状態にしておきます
  • Kaggle Discord:受講者コミュニティへの参加

Google公式ブログは4月27日に登録受付開始を告知しており、講座は6月15日から順次コンテンツが公開されるスケジュールです。申し込みはKaggleの講座ページから行います。

前回開催からの変化

2025年11月の第1回は、エージェントの基礎からMCP、メモリ、品質評価、本番デプロイまでを5日で網羅しました。Googleの振り返り記事によれば、コース教材は1100万件以上の閲覧があり、キャップストーン提出は1万1000件を超えています。

2026年版はこの土台にvibe codingを前面に出し、自然言語ワークフローでエージェントを組み立てる実践に重点を移しています。スピーカーや教材も更新され、前回参加済みの人にも新しい学びがある構成です。第1回を逃した人は、今回が再参加の好機になります。

こんな人に向いている

  • AIエージェントの全体像を短期間で掴みたいエンジニア
  • チャットボットから一歩進んだ自律型AIに興味がある開発者
  • MCPやA2Aなどエージェント関連の規格を実務ベースで学びたい人
  • 無料でハンズオン形式の教材を探している学習者

Pythonの基礎知識があるとコーデラブの理解が早まりますが、vibe codingの導入により、プログラミング経験が浅い人にも入口が広がっています。

Google AI DevelopersのX投稿でも「5日間でvibe codeを学び、自然言語でスケーラブルなエージェントシステムを構築する」と案内されており、実務寄りの学習機会として注目に値します。