スマートホームの設定は、カードを並べる作業に時間がかかりがちです。HomeyはChatGPTとのワンクリック連携を追加し、自然言語でデバイス操作やFlow作成まで任せられるようになりました。
この記事でわかること
- HomeyのChatGPT連携で何ができるか
- 従来のMCPサーバー連携との違い
- 対応デバイスと接続手順
- 実際の利用で報告されている制約
ChatGPTからHomeyを直接操作できる
スマートホームハブ「Homey」を開発するAthomは、ChatGPT内でHomeyアカウントをワンクリック接続できる公式連携を公開しました。これまでHomey MCP Server(https://mcp.athom.com)を手動で設定する必要があった接続が、ChatGPTアプリ内の数ステップで完了します。
接続後は、デバイスの状態確認や照明のオンオフ、既存Flowの起動、Mood(照明プリセット)の切り替えがChatGPTの会話から実行できます。今回の更新で加わったのは、デバイス名の変更、ゾーン(部屋)への移動、FlowおよびAdvanced Flowの新規作成・更新です。カードを1枚ずつ探して組み立てる代わりに、「玄関の明かりを日没で点灯させたい」と伝えるだけで、ChatGPTがHomey向けの自動化を組み立てます。
背景はMCPサーバーの一般化
Homeyは2025年にHomey MCP Serverを公開し、ChatGPTやClaudeなどMCP(Model Context Protocol)対応のAIエージェントからHomeyを操作できる基盤を整えました。MCPはAIと外部ツールを接続するための共通プロトコルで、Homeyはデバイス一覧やFlowカードの情報をAIに渡し、操作コマンドを受け取る仕組みです。
MCPサーバー連携は機能的には強力ですが、開発者モードの有効化やコネクタ設定など、一般ユーザーには敷居が高い部分がありました。今回のChatGPT公式アプリは、同じMCPサーバーを裏側で使いながら、接続フローを簡略化した形です。Android Authorityの報道でも、従来は「週末のサイエンスプロジェクト」に感じられた設定が、ワンクリックで済むようになったと評価されています(参考)。
対応環境と接続手順
HomeyのChatGPTアプリは、Homey Cloud、Homey Pro、Homey Pro mini、Homey Self-Hosted Serverの4形態すべてに対応します。クラウド契約のHomey Cloudから、ローカル完結のHomey Pro、自前サーバーでのSelf-Hosted Serverまで、環境を問わず同じ操作が可能です。
接続手順は次のとおりです。
- ChatGPTのチャット画面で「+」ボタンからHomeyアプリを選ぶ
- 画面の案内に従いHomeyアカウントを認証する
- 接続完了後、デバイス操作やFlow作成を自然言語で指示する
すでにMCPサーバー経由でChatGPTとHomeyを接続済みのユーザーは、追加作業は不要です。Claudeなど他のAIエージェントを使い続けたい場合も、従来どおりhttps://mcp.athom.comのMCPサーバーが利用できます。
価格改定の直後に機能を追加
この連携は、Homey ProとHomey Pro miniの価格改定から数週間後に公開されました。Athomは2026年6月1日から、RAMとeMMCストレージのコスト上昇を理由にHomey Proを399ドル(399ユーロ)から449ドル(449ユーロ)へ、Homey Pro miniを199ドル(249ユーロ)から249ドル(279ユーロ)へ値上げしています(参考)。ハードウェア価格が上がる中で、ソフトウェア面の機能追加が続いている点は、既存ユーザーの関心を集めています。
Flow作成は期待と現実に差が出る場合も
公式発表ではFlowの自然言語作成が前面に出ていますが、Homeyコミュニティフォーラムでは制約の報告も上がっています。一部ユーザーは、ChatGPTがFlowを直接作成できず、手動設定の手順テキストだけが返ると報告しています(参考)。
Advanced Flowは画面上のノードを座標で配置するビジュアルエディタのため、AIがカードの位置を直接操作しにくい構造になっています。また、Homey APIはFlowカードやデバイス情報を一括取得する設計で、デバイス数やアプリ数が多い環境ではAIのコンテキスト上限に達しやすいという技術的な課題も指摘されています。デバイス操作や既存Flowの起動は比較的スムーズに動く一方、複雑な自動化の新規作成は、現時点では補助的な位置づけと捉えた方がよいでしょう。
ChatGPTは選択肢のひとつ
HomeyはAndroid TVやLG webOS向けアプリなど、操作画面の拡張も並行して進めています。ChatGPT連携は、その流れの中で「専用アプリを開かずに家を制御する」手段を増やす更新です。AIアシスタントの利用を前提にしないユーザーにも、従来のHomeyアプリやFlowエディタはそのまま使えます。
スマートホームと生成AIの接点として、HomeyのChatGPT連携は接続の手軽さで大きな一歩です。シンプルなデバイス操作から試し、Flow作成は公式の改善やコミュニティの知見を見ながら期待値を調整するのが現実的な使い方になります。
