民間宇宙企業が、米国株の主役級インデックスに名を連ねる時代が来ました。

この記事では、Rocket LabのNasdaq-100採用、Electronの打ち上げ体制強化、中型再使用ロケットNeutronの初飛行準備、SpaceX上場後の市場環境の4点を整理します。

この記事でわかること

  • Nasdaq-100採用の日程と意味
  • Electronの打ち上げ実績と受注残の規模
  • Neutronの性能と初飛行の見通し
  • SpaceX上場が宇宙株全体に与えた影響

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Nasdaq-100採用で市場の一角に

Rocket Labは2026年6月22日の取引開始前に、Nasdaq-100インデックスへ組み入れられると発表しました。Nasdaq-100は、NASDAQ上場の非金融企業のうち時価総額上位100銘柄で構成される株価指数です。創業者兼CEOのPeter Beck氏は「宇宙経済の重要性の高まりと、当社が業界で果たす役割を示す転機だ」と述べています。同指数にはNVIDIA、Apple、Amazon、Microsoftが並び、Rocket Labは宇宙分野の企業として目立つ位置に進みます。

指数採用は、パッシブ運用ファンドの買い需要を呼び込む材料になります。株価は採用発表を受けて前夜に5%上昇し、過去1年では288%の上昇を記録しています(参考)。

SpaceX上場が宇宙株に与えた追い風

Rocket Lab株の上昇は、同週に完了したSpaceXの株式公開(IPO)とも連動しています。SpaceXは史上最大規模のIPOを完了し、初日に株価は19%上昇、企業価値は2.1兆ドルを超えました。宇宙関連株全体に資金が向かう流れが生まれ、Rocket Labにも波及した形です。

一方、CFOのAdam Spice氏はWells Fargo Industrials & Materials Conferenceで、SpaceXがStarlinkやStarshipに注力する動きは商用打ち上げ市場に隙間を生むと指摘しています。「Neutronが量産体制に乗れば、市場で有利な立ち位置を取れる」と述べ、競合との棲み分けを意識した姿勢を示しました。

Electronが打ち上げラッシュの最前線に

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小型ロケットElectronは、Rocket Labの主力製品です。全長18メートル、低軌道(LEO)への投入能力は300キログラム。世界初の民間軌道打ち上げ場であるニュージーランドのLaunch Complex 1(LC-1)から運用され、専用打ち上げ台は3基を持ちます。

公式サイトの時点で、Electronは88回の打ち上げを完了し、260基超の衛星を軌道に投入しています。100機目のElectronロケットの製造完了も発表済みです。同社はX(旧Twitter)で、LC-1の格納庫に「過去最多」のElectronが並び、連続打ち上げに備えていると明かしました。打ち上げ契約は70件超、受注残は22億ドルに達しています。

Electronは第1段の回収に成功した実績を持ち、小型ロケット市場では再使用に対応できる数少ない機体です。打ち上げ頻度の高さと実績が、受注拡大の土台になっています。

Neutronが次の成長エンジンになる

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中型再使用ロケットNeutronは、LEOへ13,000キログラムを投入できる機体です。全長43メートル、直径7メートルで、メタンと液体酸素を燃焼するArchimedesエンジンを9基搭載します。第1段は打ち上げ場への帰還(Return to Launch Site)による再使用を想定し、固定式フェアリング「Hungry Hippo」で回収効率を高めています。

打ち上げ場はバージニア州ウォロップス島のLaunch Complex 3で、建設は完了しています。公式の開発ロードマップでは、第2段の静的燃焼試験、第1段の静的燃焼試験、湿式ドレスリハーサルを経て2026年に初飛行する流れが示されています。CFOのSpice氏は年内の初飛行を目標に掲げ、生産体制の拡大も進めています。

Neutronは米宇宙軍のNational Security Space Launch(NSSL)プログラムにも採用され、NASAのVADR打ち上げ契約も獲得済みです。大型コンステレーション(衛星群)の一括投入や深宇宙ミッションを想定した設計で、Electronが担えない荷重帯を埋めます。

打ち上げ以外の事業も広がる

Rocket Labは打ち上げサービスにとどまりません。宇宙船システム、衛星部品、国家安全保障向けプログラムへ事業を広げ、買収と自社開発を組み合わせて成長しています。Spice氏は、SpaceXがStarlinkで収益を得るように、自社も宇宙上の資産を保有し継続収益を生む方向を目指すと語っています。

2026年5月には、米宇宙軍向けに地球静止軌道(GEO)衛星を90百万ドルで建造する契約も受注しました。打ち上げ単体の企業から、宇宙インフラ全体を手がける企業への転換が進んでいます。

宇宙産業での立ち位置

民間宇宙市場は、SpaceXが打ち上げと衛星インターネットの両輪で巨大化する一方、小型から中型までのニッチを埋めるプレイヤーにも需要が残ります。Rocket LabはElectronで小型打ち上げの実績を積み、Neutronで中型市場へ進出する二段構えです。

Nasdaq-100採用は資金調達力と知名度を高め、打ち上げラッシュは稼働実績を積み上げ、Neutron初飛行は事業の天井を引き上げます。3つの動きが同時期に重なったことで、Rocket Labは宇宙産業の次の成長候補として市場の注目を集めています。