AIエージェントが仕事を受注し、報酬を受け取る時代が本格化しています。OKXは2026年7月2日、X Layer公式アカウントから「OKX AI Genesis Hackathon」の開催を告知しました。賞金総額10万ドル、単独最高1万USDTの規模で、世界の開発者からAgent Service Provider(ASP)の応募を募っています。

この記事では、ハッカソンの概要と参加条件、ASPの役割、登録の流れまでを整理します。

この記事でわかること

  • OKX AI Genesis Hackathonの賞金と締切
  • ASP(Agent Service Provider)が担う役割
  • AgentsMarketplaceへの登録手順の概要
  • OKX.AIプラットフォームの3つの参加ロール

実利用を重視したAIエージェントのハッカソン

OKX AI Genesis Hackathonは、OKXが運営するエージェント向け経済圏「OKX.AI」の立ち上げに合わせて開催されています。X Layer公式の告知では、AgentsMarketplace向けのASPを開発し、実際の利用が生まれるプロジェクトを求めています。

賞金総額は10万ドル、単独最高賞は1万USDTです(参考)。応募期間は2026年7月18日8時(UTC+8)まで。作品はOKX.AI公式サイトから提出し、X上に紹介スレッドを投稿する必要があります。

従来の「デモだけで終わるハッカソン」との違いは、審査の軸が実利用にある点です。X Layerの告知文でも「実際の課題を解決し、実際の利用を生むエージェント」を明示しています。

ASPとは何か

ASP(Agent Service Provider)は、OKX.AIマーケットプレイスでスキルやAPIを提供し、利用のたびに報酬を得るAIエージェントの提供者です。OKX.AIのチュートリアルでは、ASPを次の2種類に分けています。

Agent-to-MCPは、データ取得や価格フィードなど標準化されたMCP/APIサービスです。1回の呼び出しごとに課金され、交渉は不要です。公開前にOKX Payment SDKの組み込みが必要です。

Agent-to-Agentは、価格・範囲・納期をエージェント同士で交渉する形式です。支払いはエスクロー(第三者預託)契約を経由し、ユーザーが成果物を承認してから提供者に送金されます。紛争時は仲裁に移行できます。

OKX.AIはユーザー・ASP・評価者(Evaluator)の3ロールで構成されます。ユーザーはタスクを投稿し、ASPが仕事を受注し、評価者は紛争時にOKBをステークして裁定します。評価者は最低100 OKBのステークが必要で、5人以上の評価者が多数決で判定します。

AgentsMarketplaceでASPを公開する流れ

X Layerの告知が直接言及しているAgentsMarketplaceは、X Layer上でAIエージェントがサービスを提供し、x402プロトコルでマイクロペイメントを受け取るマーケットプレイスです。呼び出し側はガス代ゼロで支払い、USDC・USDT・USDGで即時決済されます。

登録はおおむね4段階です。

Step 1: APIキーの取得
OKX OnchainOS Developer Portalでウォレット接続後、API Key・Secret Key・Passphraseを発行します。x402のゼロガス決済に必須です。AI処理用のAPIキー(ClaudeやOpenAIなど)は任意です。

Step 2: サービスの設定
エージェントが提供する有料APIを定義します。パスは/api/で始め、価格はUSD建て(例: 0.01ドル)で設定します。サイトからagent-server.mjspackage.jsonDockerfileの3ファイルをダウンロードできます。

Step 3: サーバーのデプロイ
GitHubに3ファイルを置き、Railwayなどのホスティングに接続して環境変数(ウォレット秘密鍵、OKX APIキーなど)を設定します。デプロイ後に公開URLを取得します。

Step 4: オンチェーン登録
AgentsMarketplaceのフォームからエージェント名・説明・エンドポイントURLを入力し、オンチェーン登録を行います。登録時のガス代はOKBで支払い、通常1セント未満と案内されています。

AgentsMarketplaceはOKX Onchain OSの13スキルとUniswap AIの4スキルに対応しています。デュアルエンジンスワップ(/api/dual-swap、0.01ドル)やDeFi利回り検索(/api/defi、0.01ドル)、エージェント間x402決済(/api/agent-pay、0.01ドル)など、計17のx402保護エンドポイントが公開されています。

開発者が押さえるべき技術基盤

ASPを動かすには、OKXが提供するOnchain OSとAgentic Walletが前提になります。Onchain OSはnpx skills add okx/onchainos-skillsで導入でき、Claude CodeやCodex、OpenClawなどMCP対応クライアントと連携します。Agentic WalletはTEE(Trusted Execution Environment)で署名を保護し、秘密鍵をコード内に置かない設計です。

決済はX Layer上のステーブルコインで即時決済されます。x402はHTTP 402ステータスを使ったマイクロペイメント規格で、OKXのファシリテーターがオンチェーン決済を代行するため、利用者側のガス負担がありません。

GitHub上のAgentsMarketplaceリポジトリでは、AgentRegistry・TaskManager・ReputationEngine・X402Ratingの4コントラクトがX Layerメインネットにデプロイ済みと記載されています。エージェントの評判はオンチェーンで蓄積され、次の案件獲得に影響します。

誰に向いているか

AIエージェントの実装経験があり、APIやMCPでサービスを公開できる開発者に適しています。DeFiやオンチェーン決済に触れたことがあると、x402連携のハードルは下がります。

締切は2026年7月18日8時(UTC+8)です。日本時間では同日9時。残り約2週間で、デプロイからX上の紹介投稿までを完了する必要があります。

賞金10万ドル規模の公募は、エージェント経済の初期参加者を集める意図が読み取れます。実利用を重視する審査方針は、デモ偏重の開発文化に一石を投じる内容です。ASPとしてマーケットプレイスに登録し、最初の有料呼び出しを記録できれば、ハッカソン後も収益の継続が見込めます。