AIエージェントの作業を「ログで追う」時代は終わりつつあります。
Claw3D v0.1.4が2026年4月23日にリリースされました。ランタイムプロファイル、マルチフロアオフィス、リモートコラボレーション、そして診断CLIを一気に追加した大型アップデートです。各機能の概要と始め方を解説します。
この記事でわかること:
- Claw3Dの概要と使いどころ
- v0.1.4で追加された4つの主要機能
- セルフホストで動かす基本的な手順
Claw3Dとは
Claw3DはAIエージェントを3D仮想オフィスで可視化するオープンソースツールです。LukeTheDev(@iamlukethedev)が開発しており、MITライセンスで公開されています。
AIシステムの問題は、動いていても何をしているか見えにくい点です。ターミナルのログやダッシュボードを横断して状況を把握するのに時間がかかります。Claw3Dはこの課題をビジュアルで解決します。エージェントが3D空間のオフィスワーカーとして動き回り、コードレビューやスタンドアップ、タスク実行をリアルタイムで確認できます。
Three.js、React Three Fiber、Next.js App Routerで構築されており、GitHubスター数は1,378(2026年4月時点)。2026年3月の公開から約6週間でこの数字に達しています。
バックエンドはOpenClaw Gateway、Hermes、カスタムHTTPランタイム、デモゲートウェイに対応しています。ランタイムに接続するフロントエンドとアダプター層を担うため、エージェントフレームワーク自体は別途用意が必要です。
v0.1.4の主な変更点
ランタイムプロファイル
これまでは接続先のURL・トークンを一組しか保存できませんでした。v0.1.4では「ランタイムプロファイル」という概念が導入され、openclaw、hermes、demo、local、claw3d、customの6種類を個別に保存できます。
プロファイルごとにURLとトークンをStudio設定に保持するため、複数の環境を切り替えるときに毎回入力し直す必要がなくなります。環境変数CLAW3D_GATEWAY_ADAPTER_TYPEでデフォルトプロファイルも指定できます。
マルチフロアオフィス
オフィスが単一フロアから複数フロアの建物に拡張されました。各フロアはそれぞれのランタイムと1対1で対応しています。
フロア構成はlobby、openclaw-ground、hermes-first、local-runtime、claw3d-runtime、custom-second、training、traders-floor、campusの9種類です。フロアナビゲーションHUDで移動でき、フロアごとの状態が永続化されます。複数のバックエンドを並行して使うチームでも、それぞれのオフィスフロアで作業が分離されます。
リモートコラボレーション
オフィス間のメッセージングとハンドオフAPIが追加されました。/api/office/remote-messageでクロスオフィスメッセージを送信し、/api/office/remote-handoffでタスク・コンテキスト・成果物・受け入れ条件を別のオフィスに引き渡せます。
チャット添付ファイルのローカルアップロードも実装されており、MIMEタイプの許可リストと10 MBの上限が設けられています。
claw3doctor診断CLI
セットアップのトラブルシューティングを支援するclaw3doctorコマンドが追加されました。npm run doctorで実行できます。
プロファイル単位または--all-profilesフラグで全プロファイルを検査し、OpenClaw・Hermes・デモ・カスタムランタイムの接続をプローブします。ゲートウェイの障害を分類してJSON出力するため、問題箇所の特定が速くなります。これまで「接続できない理由がわからない」まま試行錯誤していた作業が、コマンド一発で整理されます。
セキュリティ強化
v0.1.4ではセキュリティ面も引き締められました。本番環境のCSPから'unsafe-eval'が除外され(開発環境のHMRでは保持)、Referrer-Policy、X-Content-Type-Options、X-Frame-Options: SAMEORIGIN、Permissions-Policy、Cross-Origin-Resource-Policy: same-origin、本番向けHSTSが追加されています。
Studio側のアクセスゲートは定数時間トークン比較に書き換えられ、IPごとに10回/60秒のレートリミッターが設けられました。TRUSTED_PROXY=1を設定した場合のみX-Forwarded-Forを信頼する形になっており、リバースプロキシ経由の運用を想定した設計です。
始め方
Node.js 20以上とnpm 10以上が必要です。リポジトリをクローンして以下のコマンドで起動できます。
git clone https://github.com/iamlukethedev/Claw3D.git claw3d
cd claw3d
npm install
cp .env.example .env
npm run dev
http://localhost:3000を開き、StudioでバックエンドモードとゲートウェイURLを設定します。OpenClawやHermesを用意していない場合はnpm run demo-gatewayでデモモードを起動し、モックエージェントが動くオフィスをすぐに確認できます。
接続に失敗する場合はnpm run doctorで診断を実行すると、どの接続ステップで問題が起きているかをJSON形式で確認できます。
まとめ
Claw3D v0.1.4は、ランタイムプロファイルの導入でマルチバックエンド運用の実用性を高め、マルチフロアオフィスで複数環境の並行管理を可能にしたリリースです。claw3doctorの追加でセットアップの障壁も下がりました。リモートコラボレーションAPIはまだ初期実装ですが、複数オフィス間でエージェントのタスクを引き渡す基盤が整ったことは次のバージョンへの布石として注目できます。