.NETエコシステムのAIコーディングエージェント活用が、一段と実用的になりました。
14.9万スターを誇るオープンソースのAIコーディングエージェント「OpenCode」が、v1.14.25でBlazorの.razorファイル、Razor Pagesの.cshtml、およびC#スクリプトの.csxに対して、MicrosoftのRoslyn LSP経由の診断サポートを追加しました。
この記事でわかること:
- OpenCode v1.14.25で何が変わったか
- Roslyn LSPが.NET開発にもたらすメリット
- OpenCodeのインストール方法と.NET環境での使い方
- 同バージョンで追加された他の改善点
https://github.com/anomalyco/opencode
Blazor開発でAIエージェントを使うときの課題
Blazorの.razorファイルはHTMLとC#を組み合わせた独自の構文を持ちます。多くのAIコーディングツールはC#ファイルの解析には対応しているものの、.razorや.cshtmlの診断情報(型エラー・未定義変数・構文ミスなど)をリアルタイムで返す仕組みを持ちません。その結果、AIがコードを生成しても、エラーが含まれているかどうかをAI自身が把握できない状態が続いていました。
LSP(Language Server Protocol)は、コードエディタとコンパイラが標準化されたインターフェースで対話するための規格です。MicrosoftのRoslyn LSPはC#と.NETのコンパイルパイプラインをLSPとして提供し、IDEに診断情報を送り込みます。OpenCodeはこのRoslyn LSPとの統合をv1.14.25で正式にサポートしました。
v1.14.25の主な変更点
OpenCodeのLSPサポートは従来のC#ファイル(.cs)にとどまっていました。今回のアップデートで、Razorテンプレートエンジンが使う.razorと.cshtml、そしてC#スクリプトの.csxが診断対象に加わりました。
これにより、OpenCodeのAIエージェントは.razorファイルの編集中に型エラーや未定義シンボルをリアルタイムで検出できるようになります。AIが生成したBlazorコンポーネントにミスがあれば、コンパイル前の段階でOpenCodeがそれを検知し、修正提案に反映させられます。
今回のリリースには他にも以下の改善が含まれています。
- パーミッション設定の改善:ルール順序を保持しながら、ツールのパーミッションキーのIntelliSenseを公開するよう修正
- LSPパーミッションプロンプトの詳細化:操作の種類・対象ファイル・カーソル位置を含むリクエスト詳細を表示するよう変更
- シェルのワーキングディレクトリ維持:ログインシェルのスタートアップファイル実行後も正しい作業ディレクトリを維持するよう修正
- GPT-5.5のコンテキスト制限修正:OpenAI OAuthで使用した際のコンテキスト上限を正しく設定し、コンパクションの問題を解消
OpenCodeとは
OpenCodeは、Claude Codeとほぼ同等の機能を持つ100%オープンソースのAIコーディングエージェントです。最大の違いは特定のAIプロバイダーに縛られない点で、Claude・OpenAI・Geminiのほかローカルモデルも使えます。
公式FAQに「Claude Codeとの違い」が明示されており、代表的な差別化ポイントは以下のとおりです。
- LSP標準搭載:追加設定なしでLSPが動作し、コードの診断情報をAIに渡せる
- TUI重視:Neovimユーザーとterminal.shopの開発者が作成。ターミナルUIを突き詰めた設計
- クライアント/サーバー構成:TUIはあくまでフロントエンドの一つ。モバイルアプリから同一エージェントを操作することも想定されている
149,741スターと17,000以上のフォーク数は、Claude Codeの代替として広く認知されていることを示しています。
インストールと.NETプロジェクトでの使い方
インストールはワンライナーで完了します。
curl -fsSL https://opencode.ai/install | bash
Homebrewを使う場合は公式tapが最新バージョンを追いやすくなっています。
brew install anomalyco/tap/opencode
Windowsはscoop、chocolateyのほかnpmからも導入できます。
scoop install opencode # Windows
choco install opencode # Windows
npm i -g opencode-ai@latest
.NETプロジェクトで使い始めるには、プロジェクトのルートディレクトリでopencodeを起動し、/initコマンドを実行します。OpenCodeがプロジェクト構造を解析し、AGENTS.mdを生成します。Roslyn LSPは自動的に起動するため、追加設定は不要です。
エージェントはbuildとplanの2種類が用意されています。buildはファイルの読み書きを含むフル操作が可能で、planはコードを変更せず分析と計画だけを行う読み取り専用モードです。Tabキーでモードを切り替えられます。
デスクトップアプリ(ベータ版)もリリースされており、macOS・Windows・Linux向けのインストーラーがGitHubのリリースページから入手できます。
まとめ
v1.14.25で追加されたRoslyn LSPサポートにより、OpenCodeは.NETエコシステムでより実用的なAIコーディング環境になりました。BlazorやRazor Pagesを日常的に使っている開発者は、このアップデートによってAIエージェントがコンパイルエラーを事前に検出できる恩恵を受けられます。OpenCodeはプロバイダー非依存で、使いたいモデルを自由に選べる点も継続的な強みです。