競合調査や市場分析のレポートを作るのに、半日を費やしていないだろうか。
Microsoft 365 Copilotに組み込まれた「Researcher Agent(リサーチャーエージェント)」を使えば、社内データとWebを横断した深い調査レポートを数分で生成できる。
この記事でわかること:
- Researcher Agentとは何か、通常のCopilotとの違い
- 具体的な使い方と指示のコツ
- 向いているタスクと利用制限
通常のCopilotとの違い
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/copilot/researcher-agent
Microsoft 365 Copilotのチャット機能は「短時間で簡潔な回答を得る」ツールとして設計されている。メールの要約や短い返信の下書きなど、素早い処理が得意だ。
Researcher Agentはその対極にある。複雑な複数ステップの調査を前提に作られており、処理時間を長くかけることで、より深い分析結果を返す。
| ニーズ | 使うべきツール |
|---|---|
| 簡単な概要・短い返信・軽いブレーンストーミング | 通常のCopilotチャット |
| 複数ソースにわたる深い調査と構造化レポート | Researcher Agent |
| 引用付き・共有できる形式での出力が必要 | Researcher Agent |
Researcher Agentが解決する課題
たとえば「競合の新製品が市場に与える影響をまとめたい」とする。従来なら社内の販売データを探し、業界ニュースを読み込み、分析をまとめるのに半日程度かかる。
Researcher Agentはこの作業を自動化する。Microsoft Graph経由で社内のファイル、メール、会議記録、Teamsチャットを横断検索し、Web検索で最新情報を補完する。出力は見出しと図表、引用が付いた構造化レポートで、そのまま社内共有や意思決定の資料として使える。
対応言語は37言語で、日本語でそのまま利用できる。
使い方の手順
Microsoft 365 Copilotアプリを開き、チャット欄の「エージェント」からResearcherを選択する。あとはトピックや質問を入力するだけだ。
途中でResearcher Agentから「意図を確認する質問」が返ることがある。これは調査の精度を上げるためのプロセスで、具体的に答えるか「そのまま進めてください」と返せばいい。
最終的なレポートには以下が含まれる。
- 見出しと箇条書きで整理されたセクション
- グラフや図表などのビジュアル
- 情報源の引用
レポートはそのまま編集したり、プレゼンテーション資料に転用したりできる。
検索範囲の指定
Researcher Agentには検索範囲を明示できる。「Web情報だけで調べてください」「社内データも含めてください」と指示するだけで、分析対象を絞り込める。社外に出せない情報を扱う場合は内部データのみに制限するなど、状況に応じて使い分けられる。
精度を上げる指示の書き方
具体的な指示が結果の質を左右する。「AIの市場トレンドを教えて」より「2025年以降の生成AI導入事例を、製造業と医療業界に絞って調べてください」のように絞り込むと、焦点の合ったレポートが返ってくる。
サードパーティデータとの連携
Researcher Agentは社内データとWebに加えて、外部サービスのデータも参照できる。Salesforce、ServiceNow、Confluenceなどのコネクターを設定しておくと、CRMのデータや社内Wikiの内容も一括で調査対象に含めることができる。
利用条件と制限
Microsoft 365 Copilotライセンスがあれば、追加費用なしで月25クエリまで利用できる。Researcher Agentは2025年6月に一般提供(GA)が始まっている。
25クエリは一見少なく感じるかもしれないが、1クエリで包括的なレポートが生成されることを考えると、週に数回の調査業務であれば十分なボリュームだ。より多く使いたい場合は、Microsoft 365 Copilotの追加プランを検討することになる。
まとめ
Researcher Agentは、情報収集と分析にかかる時間を大幅に短縮するツールだ。通常のCopilotが「素早い回答」を返すのに対し、Researcher Agentは「深い分析と引用付きレポート」を自動生成する点で用途が異なる。
競合調査、市場分析、社内レポートの下書きといった、複数ソースを横断する作業に向いている。まずは月25クエリの範囲で試してみて、業務での活用シーンを探ってみるといいだろう。