日本語入力をAIで刷新するMicrosoftの新IMEが、ついに正式版になった。

2026年4月23日、MicrosoftはWindows 11向けの日本語入力アプリ「Copilot Keyboard」の正式版をリリースした。2025年10月のベータ公開から約6ヶ月、ユーザーのフィードバックをもとに改善を重ねてきたプロダクトが、安定版として提供される運びとなった。

この記事でわかること:

  • Copilot Keyboardとは何か、従来のMicrosoft IMEとどう違うか
  • 正式版で追加・改善された機能の具体的な内容
  • Windows 11への導入方法と既存のIMEとの共存

https://apps.microsoft.com/detail/xp8m5jr6h0jvqw?hl=ja-JP&gl=JP

Copilot Keyboardとは

Copilot KeyboardはMicrosoftが開発したWindows 11専用の日本語入力アプリ(IME)だ。最大の特徴は、Copilotの技術を日本語変換エンジンに組み込んでいる点にある。

従来の「Microsoft IME(MS-IME)」は、ユーザーの入力履歴をもとに変換候補を最適化していた。新語や専門用語への対応は、ユーザーが手動で辞書登録する必要があった。Copilot Keyboardでは辞書データを毎月更新し、SNSで生まれた新しい言葉や注目の用語が自動で変換候補に追加される仕組みになっている。

対応環境はWindows 11のみ(x64版・ARM版の両方に対応)。Windows 10以前では利用できない。ダウンロードと利用は無料だ。

正式版で追加・改善された内容

ベータ版から6ヶ月かけて、以下の機能が追加・改善された。

かな入力への対応
ベータ版ではローマ字入力のみだったが、正式版ではかな入力にも対応した。「やまとことばはかな入力でこそ自然に書ける」というユーザーの声を受けた対応だ。

ユーザー辞書とキーカスタマイズ
よく使う単語の登録や、キー割り当てのカスタマイズが可能になった。従来のMS-IMEで登録していたユーザー辞書をインポートする機能も備わっており、乗り換え時の手間が軽減されている。

再変換
一度確定した文字を変換キーか「Win + /」で再変換できる。確定後に変換候補を変えたい場面で使える。

安定性の向上
32ビットアプリ上でのクラッシュが修正され、動作速度も改善されている。ベータ期間中に多く報告されていた問題への対応が一区切りついた形だ。

3つのコア機能

AI変換

Copilot Keyboardの変換候補は、Copilotの技術で支えられている。辞書データは毎月更新されるため、ベータや正式版のリリース当日に発表されたような新語でも、翌月には変換できるようになっていく。変換精度の向上が見込める一方で、既存のMS-IMEの個人最適化とは仕組みが異なる点には注意が必要だ。

Copilot Searchとの連携

変換候補の意味を調べたいとき、候補の横に表示されるアイコンをクリックするだけでCopilot Searchによる検索結果がその場に表示される。ブラウザへ移動して検索し直す手間が省けるため、文章を書く流れが途切れにくい。

着せ替えテーマ

変換ウィンドウのデザインを、選んだキャラクターに合わせてカスタマイズできる。キャラクターをクリックするとデスクトップにサイドバーが表示され、Copilotと会話することも可能だ。

カイルが帰ってきた

正式版リリースに合わせ、Microsoft Officeのマスコットキャラクター「カイル」がCopilot Keyboardに登場した。

カイルはOffice 97に搭載されたイルカのキャラクターで、当時は「いまいち役に立たない」と評判が芳しくなかったことで知られる。今回の復帰ではCopilotの頭脳を得てWindowsユーザーのサポート役として再登場し、Windows 11に合わせて高解像度のトゥーンレンダリング風デザインに刷新されている。カイルテーマを選ぶと、デスクトップにカイルが常駐するようになる。

ユーザーからの「カイルを出してほしい」という要望が多かったとMicrosoftは説明しており、正式版のタイミングでの復活となった。

従来のMS-IMEとの共存と移行

Copilot Keyboardをインストールしても、従来のMS-IMEが削除されるわけではない。Windowsの設定から入力方式をいつでも切り替えられる。

プライバシー面では、変換精度の学習データは端末内のユーザー辞書にのみ保存される。入力内容が外部に送信されたり、AIのトレーニングに使われたりすることはないとMicrosoftは説明している。

まとめ

Copilot Keyboardは、変換精度とAI連携を軸に従来のMS-IMEを置き換えることを目指したプロダクトだ。毎月の辞書更新、Copilot Searchとのシームレスな連携、かな入力への対応が正式版で揃い、実用レベルとして試しやすくなった。Windows 11を使っているなら、Microsoftストアから無料で入手できる。