ターミナルを離れずに音楽を再生したい——そんな開発者向けに、Rustで構築されたTUI音楽プレイヤー「NoctaVox」がGitHubで公開されています。

この記事でわかること:

  • NoctaVoxがどんなツールで、何が特徴か
  • 対応フォーマットと主な機能
  • インストール方法と基本操作

NoctaVoxとは

https://github.com/Jaxx497/NoctaVox

NoctaVoxは、ローカル音楽ライブラリをターミナル上で管理・再生するためのTUI音楽プレイヤーです。RustとRatatuiで構築されており、2026年4月にv0.2.6がリリースされました。GitHubのスター数は約300で、リリースから短期間で注目を集めています。

オンライン機能は一切なく、ユーザーのファイルを書き換えることもありません。ローカルライブラリへの読み取りに徹した設計です。

GUIプレイヤーで感じる不便さ

コーディング中に音楽を流すとき、GUIアプリに切り替えると集中が途切れます。常駐させると画面上のUIが邪魔になることもあります。

NoctaVoxはターミナル内で完結するため、エディタやブラウザを行き来する手間がありません。Vimライクなキーバインドで操作できるため、ホームポジションを崩さずに再生・停止・検索が行えます。

主な機能

再生機能

mp3、m4a、wav、flac、ogg、opusの6フォーマットに対応しています。ギャップレス再生(曲の切れ目を無音にしない連続再生)を標準でサポートしており、アルバムを通して聴く用途に向いています。

再生エンジンには独自開発の「Voxio」を採用しています。v0.2.6で独立したリポジトリに切り出されたバックエンドで、OPUSフォーマットのサポートとギャップレス再生の両立を目的に設計されました。

ライブラリ管理

ルートディレクトリを設定するとライブラリをスキャンし、タイトル・アルバム・アーティストを横断したスマート検索が使えます。F5またはCtrl+Uでライブラリをホットリロードでき、ファイルの追加・削除後も再起動不要で反映されます。

ビジュアライゼーション

波形・オシロスコープ・スペクトラムの3種類の表示に対応しています。波形表示はFFmpegが必要ですが、インストールしていない場合は自動的に別の表示方法にフォールバックします。

テーマのカスタマイズ

テーマファイルを編集してカラースキームを変更でき、F6キーで変更を即座に反映できます。公式が用意したプリセットテーマをスクリプトで一括導入することも可能です。

システムメディアコントロール連携

macOSのNow PlayingやWindowsのメディアバーなど、OSのメディアコントロールと連携します。ターミナルを閉じていても再生操作を行えます。

インストール方法

Cargoを使う方法(推奨)

Rustの開発環境があれば、次のコマンドでインストールできます。

cargo install NoctaVox --locked

起動コマンドは vox です。

プリビルドバイナリを使う方法

Rustを用意せずに使いたい場合は、GitHubのリリースページからバイナリをダウンロードできます。Apple Silicon macOS、Intel macOS、Linux、Windowsに対応しています。インストーラースクリプトも用意されています。

curl --proto '=https' --tlsv1.2 -LsSf \
  https://github.com/Jaxx497/NoctaVox/releases/download/v0.2.6/noctavox-installer.sh | sh

基本操作

初回起動時に音楽ライブラリのルートディレクトリを設定します。バッククォート(`)またはチルダ(~)キーでルートの追加・削除が可能です。

操作 キー
再生・停止 Space
選択して再生 Enter
上下スクロール j / k
ペイン移動 h / l
検索 /
キューに追加 q
ライブラリ再読み込み F5 / Ctrl+U
ミニマルモード切替 m
テーマ再読み込み F6

前後5秒のシークには n(+5秒)と p(-5秒)を使います。

タグ情報が正確でないと、ライブラリが正しく認識されません。再生前にファイルのメタデータを確認しておくとよいでしょう。webmやmkvのようなコンテナフォーマットは現時点で非対応です(ロードマップには含まれています)。

類似ツールとの違い

TUI音楽プレイヤーとしては、cmusやmpd+ncmpcppが知られています。cmusはLinux向けのVimライクなTUIプレイヤーで、軽量さが強みですが、ビジュアライゼーション機能はありません。mpd+ncmpcppはデーモン(mpd)とクライアント(ncmpcpp)を分けた構成で、柔軟性が高い反面、セットアップに手間がかかります。

NoctaVoxはデーモン不要で単独動作し、Rust製カスタムバックエンドを持ちます。ビジュアライゼーション・ホットリロード・テーマカスタマイズを標準で備えており、導入の手軽さと機能の充実度を両立しています。

Crates.ioで開発状況を確認する

v0.2.7のリリース候補版(rc.2)がすでにCrates.ioに公開されており、開発は活発に続いています。コンテナフォーマット対応や追加の設定オプションがロードマップに挙げられており、今後もアップデートが予定されています。

Cargoがあれば1コマンドで導入できるため、Rust開発者にとっては試しやすい選択肢です。ターミナル中心の作業環境に音楽再生を組み込みたい場合、検討する価値があります。