「Windows 11は重い、広告がうるさい、更新が邪魔」——この不満をMicrosoftが本気で解消しようとしている。社内コードネーム「Windows K2」という大規模な品質改善イニシアティブが動き出しており、スタートメニューの再構築からゲーミング性能の抜本改善まで、具体的な計画が明らかになった。
この記事でわかること:
- Windows K2とは何か、なぜ始まったか
- パフォーマンス・UI・信頼性の具体的な改善内容
- Windows Updateがどう変わるか
- いつ一般ユーザーが体感できるか
Windows K2とは何か
Windows Central の報道によると、K2は新しいWindowsバージョンではなく、継続的な品質改善を目的とした社内イニシアティブだ。2025年後半に立ち上がり、Windows 11に対するユーザーの不満に正面から向き合う。
Windows社長のPavan Davuluri氏は2026年3月に「深刻なペインポイントに対処する」と公式に表明していた。K2はその宣言を裏打ちする社内プロジェクトで、パフォーマンス・クラフト(UI品質)・信頼性の3本柱を軸に据える。4番目の柱として「コミュニティ」も設けられており、Windows Insiderミートアップの復活や、開発チームがSNSで直接フィードバックに応じる体制も作られる。
パフォーマンスの改善
File Explorerが速くなる
Microsoftは内部で、File ExplorerがWindows 10より遅い点を問題として認識している。K2ではファイルナビゲーションの高速化と、「即時ファイル名検索」機能の追加が予定されている。Microsoftがベンチマークとして参照するのはサードパーティ製ファイラーの「File Pilot」だ。
ゲーミング性能はSteamOSを目標に
ゲーミングにおいて、MicrosoftはSteamOSを比較対象に設定した。同一ハードウェアでSteamOSに対抗できるパフォーマンスを、1〜2年以内に実現することを目指している。これは大きな目標変更で、Windowsがゲーミング専用OSを意識してプラットフォームの基盤を変えていくことを意味する。
デバロットとメモリ削減
アイドル時のメモリ使用量削減とOSフットプリントの縮小も計画されている。低スペックのデバイスやゲーミングハンドヘルドでの動作改善が主な狙いだ。
UIの改善
スタートメニューをゼロから再構築
K2における最大の変更のひとつが、スタートメニューの全面作り直しだ。Microsoftは自社UIフレームワーク「WinUI 3」を使ってスタートメニューをネイティブに再構築する。新しいSystem Compositorがレイテンシとメモリオーバーヘッドを削減するため、再起動直後でも重い負荷の下でもスタートメニューが即座に反応する状態を目指す。
新しいスタートメニューは現行版より最大60%高速化される見込みで、リサイズやセクションの非表示といったカスタマイズ性も向上する。
広告の削除とウィジェットの整理
スタートメニューから広告が削除される予定だ。ウィジェットボードについてはMSNがデフォルトから外れ、ウィジェット本来の機能を前面に出す方向に変わる。
また、Windows 11の登場時に廃止されたタスクバーの移動・リサイズ機能も復活が確認済みだ。
品質優先の文化転換
K2で変わるのは機能だけではない。開発チームの文化そのものが変わりつつある。
従来のWindowsチームは「アジリティ(機動性)」を重視し、新機能を素早く出すことを最優先にしてきた。K2ではこれが「品質へのこだわり」に置き換えられた。新機能が公開プレビュービルドに入るには、以前より大幅に高い品質基準をクリアしなければならない。
Windows Updateは既に変わり始めている
Microsoftは2026年4月24日のWindows Insider Blogで更新体験の改善を公式発表した(参考)。
更新の一時停止を柔軟に設定できる
更新を最大35日間停止でき、停止期間の延長は回数制限なしで繰り返せる。出張や試験期間に合わせてカレンダー形式で停止日を設定することも可能になった。
再起動とアップデートを分離
電源メニューには常に「再起動」「シャットダウン」が表示される。更新をインストールしたい場合のみ「更新して再起動」を選ぶ形になり、意図しないタイミングでの更新インストールがなくなる。
月1回の再起動に集約
ドライバー・.NET・ファームウェアの更新が月次品質更新のタイミングに統合される。従来は複数回の再起動が発生していたが、原則として月1回にまとまる。
これらの変更はすでにDev Channel・Experimentalチャンネルに展開が始まっている。
いつ体感できるか
K2に関連した変更は既に段階的に出荷が始まっている。2026年夏のプレビュービルドでさらに多くの変更が入り、2026年末から2027年にかけて一般向けのWindows 11が大きく変わる見通しだ。K2には完了日がなく、Windows開発の「あり方」そのものを定義する継続的な取り組みとして続いていく。