今月最大のリリースと開発チームが呼ぶ更新が来た。
OpenClawがv2026.4.25をリリースした。TTSエンジンの全面再設計、Control UIのPWA化、プラグイン起動の高速化が今回の三本柱だ。この記事でわかること:
- TTSが「エージェント単位」「チャット単位」で制御できるようになった仕組み
- 新たに追加された6つのTTSプロバイダーの概要
- Control UIをスマホにインストールしてプッシュ通知を受け取る方法
- プラグイン起動が速くなった理由
TTSが「声のペルソナ」を持つようになった
これまでのOpenClawは、TTSの設定がグローバルに一本しか存在しなかった。v2026.4.25からは、エージェントごと・チャンネルのアカウントごとに音声をオーバーライドできる。
たとえば、WhatsApp向けのエージェントには落ち着いた声のAzure Speech、Telegram向けのエージェントにはElevenLabsの声、といった設定が一つのOpenClaw上で共存できる。エージェントの設定ファイルに tts キーを追加するだけで、そのエージェントの音声プロファイルが切り替わる仕組みだ。
チャット中のオンデマンド制御も強化された。/tts latest と入力すると直前のメッセージを音声再生する。/tts chat on を使えばそのセッション中は返答を自動的に音声出力する設定に切り替わり、/tts chat off で通常に戻せる。セッションを閉じれば設定もリセットされる。
新TTSプロバイダーが6種類追加
v2026.4.25で追加されたプロバイダーは次の6つだ。
Azure Speech: Microsoftのクラウド音声合成サービス。Ogg/Opusでの音声ノート出力にネイティブ対応しており、テレフォニー出力にも使える。SSMLエスケープも自動で処理される。
ElevenLabs v3: 既存のElevenLabsプロバイダーが最新APIバージョンに対応した。
Inworld: ゲームやインタラクティブ体験向けに設計されたリアルタイム音声AIプロバイダー。感情表現を持つ声が特徴だ。
Volcengine(火山エンジン): ByteDanceが運営する中国発のクラウドプラットフォームのTTSサービス。
Xiaomi: Xiaomiが提供するTTSサービス。
Local CLI: ローカルのコマンドラインツールをTTSプロバイダーとして利用するアダプター。say(macOS)や他のシステムTTSコマンドをOpenClawから呼び出せる。インターネット接続なしで完結させたい用途に向く。
Discordのボイスチャンネルでは、STTとTTSはこれまでの設定を引き継ぎつつ、channels.discord.voice.model キーで応答生成に使うLLMだけを別のモデルに切り替えられるようになった。
Control UIがPWAに対応
OpenClawのコントロールパネルである「Control UI」がPWA(Progressive Web App)に対応した。ブラウザの「ホーム画面に追加」機能でスマートフォンのホーム画面にインストールすると、アプリのように起動できる。
あわせてWeb Push通知にも対応した。Gatewayに届いたチャットメッセージを、スマホのプッシュ通知として受け取れる。外出先でもOpenClaw Gatewayのやり取りを見逃さない運用が可能になる。
プラグイン起動が高速化
プラグインの管理方式が内部で大きく変わった。これまでは起動のたびにプラグインのマニフェストファイルを全件スキャンしていたが、v2026.4.25からは「コールドパーシストレジストリ」と呼ばれる永続化されたインデックスを使う方式に移行した。
初回インストール時に情報を記録しておき、以降の起動時はそのインデックスを参照するだけにすることで、プラグインが多くなるほど顕著に起動が速くなる。手動でレジストリの状態を確認したい場合は openclaw plugins registry コマンドが使える。--refresh オプションを付けると再スキャンを強制実行できる。
OpenTelemetry対応が拡張
OpenClawが出力するテレメトリーが充実した。モデルコール、トークン使用量、ツールの実行ループ、ハーネスの実行ライフサイクル、プロセス実行、外部への配信、コンテキスト組み立て、メモリ圧力まで、OTEL準拠のスパンとメトリクスが出るようになっている。
Prometheusとの連携には、バンドルされた diagnostics-prometheus プラグインを有効にする。Gatewayに保護されたスクレイプルートが追加され、低カーディナリティのメトリクスを収集できる。
まとめ
v2026.4.25で最も影響が大きい変化はTTS周りだ。「チャンネルごとに別の声のAIを持つ」というユースケースを公式にサポートし、6つの新プロバイダー追加で選択肢も一気に広がった。Control UIのPWA化とWeb Push対応は、デスクトップ常駐型というOpenClawのポジションをモバイルへも広げるステップとなっている。
OpenClawのGitHubリポジトリは現時点でスター数36万5,000超。リリースノートの全変更点は以下から確認できる。