ターミナルの操作感はほとんど変わっていない。変わったのは、そこで何ができるかだ。
2026年4月27日、CognitionはDevin for Terminalをリリースした。シェルから直接起動できるローカルAIコーディングエージェントで、作業量が増えたときにクラウドのDevinインスタンスへセッションをそのまま引き継げる設計になっている。
この記事でわかること:
- Devin for Terminalの概要とインストール方法
- ローカルとクラウドをまたぐセッション引き継ぎの仕組み
- 選べるAIモデルと主なユースケース
- 料金プランの概要
Devin for Terminalとは
https://cognition.ai/blog/devin-for-terminal
Devinはこれまで、ブラウザのWebアプリやIDEのプラグインから操作するクラウドベースのAIソフトウェアエンジニアだった。Devin for Terminalはそのエンジン部分をローカル環境に持ち込んだもので、シェルから直接起動して手元のコードベース・ツール・環境に全アクセスできる。
UIはRustで書かれたカスタムターミナルレンダリングライブラリを採用しており、描画が高速に動作する設計になっている。
ローカル実行を選ぶ理由
AIコーディングエージェントは「ローカルで動くが大きなタスクを任せにくいもの」と「クラウドで高機能だがローカルとの連携に手間がかかるもの」に二極化しがちだった。
Devin for Terminalは「ローカルで始め、必要になったらクラウドへ引き継ぐ」という設計でこの問題に対処している。手元で動かして文脈を把握させながら、処理が重くなった時点でクラウドに切り替えられる。クラウド側のDevinは専用のコンピュータを持ち、ノートPCを閉じても作業を続ける。
主な機能
インストール
1分以内に始められる。
curl -fsSL https://cli.devin.ai/install.sh | bash
複数モデルの選択
実行するモデルをAnthropicのClaude Opus 4.7、OpenAIのGPT-5.5、CognitionのSWE-1.6の中から選べる。タスクの内容やコスト感に合わせて切り替えが可能だ。SWE-1.6はソフトウェアエンジニアリングに特化したCognition独自のモデルで、コーディングタスクでの精度向上を狙って開発されている。
クラウドへのセッション引き継ぎ
ローカルで作業中のセッションをそのままクラウドのDevinインスタンスへ移せる。公式ブログでは以下のユースケースを挙げている。
- 同一コードベースに対して複数エージェントを並行実行(worktreeの手動設定が不要)
- 機能実装をDevinに任せながら、エージェントが専用ブラウザで動作確認している間に別の作業へ移る
- バグ修正をDevinに委ね、PRのオープンとレビューコメント対応まで完結させる
- エージェントが自分のサンドボックスで動くため、
rm -rf系のミスを本番環境に波及させるリスクがない
料金
DevinはFree・Pro・Max・Teams・Enterpriseというプラン構成になっている。Proプランは月額20ドルから始まり、プランに含まれる使用量を超えた分はモデルコストに基づいて追加課金される形だ。Teamsプランは複数人での共有課金と管理者機能を備えており、以前の月額500ドルのチームプランより低い入り口で使い始められる。
詳細はdevin.ai/pricingで確認できる。
Claude CodeやCursorとの違い
Claude CodeやCursorなどのターミナル・エディタ型エージェントは、ローカルリソースで完結する設計が基本だ。重いタスクでもローカルマシンに負荷がかかる一方、セキュリティ面での設定はシンプルに保たれている。
Devin for Terminalとの根本的な違いは「クラウドへの引き継ぎ機能」の有無だ。ローカルで始めたセッションをそのままクラウドインスタンスに移せるため、長時間かかるタスクや複数エージェントの並行稼働が扱いやすい。なお、WindsurfはCognitionが同じく提供するエディタ統合型エージェントで、Devin for TerminalはIDEではなくシェルを主な操作場所とする点で棲み分けが明確だ。
始め方
インストールはcurl -fsSL https://cli.devin.ai/install.sh | bashの一行で完了する。Devinのアカウントはdevin.aiから作成できる。Freeプランがあるため、まず手元で試してから有料プランの必要性を判断できる。Cognitionが「1970年代から変わっていないターミナルで、できることを変える」と表現しているこのツールが、日常のシェル作業にどこまで溶け込むか注目が集まっている。