YouTubeの購読チャンネルをチェックするためだけに、ブラウザを開いてレコメンドの洪水に飲まれていないでしょうか。広告なし・レコメンドなしの環境で、登録チャンネルの新着動画だけをサッと確認したい。そんなニーズに応えるターミナルアプリが登場しています。
この記事でわかること
- ytsubの特徴とブラウザ版YouTubeとの違い
- インストール方法と初期設定
- サムネイル表示や動画再生の仕組み
- 類似ツールとの比較
ytsubとは何か
ytsubは、YouTubeの購読チャンネル管理に特化したTUI(Terminal User Interface)クライアントです。Rustで書かれており、UIフレームワークにはratatuiを採用しています。2026年4月28日にv0.9.0がリリースされました。ライセンスはGPL-3.0です。
「購読専用」という設計思想が特徴的です。YouTubeのホームフィードやおすすめ動画は一切表示せず、自分が登録したチャンネルの動画だけを一覧表示します。ブラウザ版のようにアルゴリズムに時間を奪われる心配がありません。
解決する課題
ブラウザでYouTubeを開くと、視聴履歴に基づくレコメンドが並びます。登録チャンネルの新着を確認したいだけなのに、関連動画をクリックして気づけば1時間が経過していた——よくある話です。
ytsubはこの問題をアーキテクチャレベルで解決します。表示するのは購読チャンネルの動画だけ。おすすめ動画も広告も存在しません。ターミナル上で動作するため、作業中のウィンドウを離れることなくフィードを確認できます。
主な機能
購読管理とインポート
チャンネルの登録はアプリ内でiキーを押してチャンネルIDまたはURLを入力するだけです。既存のYouTubeアカウントから移行する場合は、Google TakeoutでエクスポートしたCSVファイルをインポートできます。NewPipe形式のエクスポートにも対応しています。
Vimライクな操作体系
移動はj/k、チャンネル一覧と動画一覧の切り替えはh/lです。検索は/と?、ページ送りはCtrl-f/Ctrl-b。Vimユーザーなら説明不要の操作感で、マウスなしで全操作が完結します。
ターミナル内サムネイル表示
動画のサムネイルをターミナル内に描画できます。Kitty Graphics Protocol、Sixel、Inline Images Protocolの3種類のグラフィックスプロトコルに対応しており、使用中のターミナルエミュレーターに合わせて自動選択されます。対応ターミナルがない場合でも、ueberzugpp→chafa→Unicodeハーフブロック文字の順にフォールバックするため、環境を選びません。
動画再生
mpvとyt-dlpを組み合わせた再生に対応しています。pキーでストリームフォーマットから直接再生、Pキーでyt-dlp経由のmpv再生が可能です。ブラウザを開かずにターミナルから動画を視聴できます。
Invidiousとの連携
バックエンドのAPIをYouTube公式とInvidiousで切り替えられます。Invidiousインスタンスを利用すれば、YouTube側にリクエストを直接送らずにフィードを取得できます。プライバシーを重視するユーザーに有用な機能です。
インストール方法
Rustのパッケージマネージャーであるcargoからインストールできます。
cargo install ytsub --locked
sqliteがシステムにない場合は、bundled_sqliteフィーチャーを有効にします。
cargo install ytsub --features bundled_sqlite --locked
Arch LinuxユーザーはAURからもインストール可能です。Nix Flakeとプリビルドバイナリも提供されています。
動作環境と依存関係
必須の依存はsqliteのみです。動画再生にはmpvとyt-dlpが必要ですが、これらはオプションです。クリップボード操作にはプラットフォームに応じてwl-clipboard(Wayland)、xclip(X11)、pbcopy(macOS)などを使います。OS問わずOSC52へのフォールバックも備えています。
類似ツールとの違い
Rust×ratatui製のYouTubeクライアントとしては、youtube-terminalという別のプロジェクトも存在します。youtube-terminalはRustyPipeを使った汎用YouTube閲覧が目的ですが、ytsubは購読管理に機能を絞っている点が異なります。レコメンドを排除し、登録チャンネルだけに集中する設計を求めるならytsubが適しています。
まとめ
ytsubは「YouTubeを見る」のではなく「登録チャンネルの新着を確認する」ことに特化したツールです。ターミナルで作業する開発者や、YouTubeのアルゴリズムに支配されたくないユーザーにとって実用的な選択肢になります。v0.9.0ではサムネイル表示のフォールバックが大幅に改善され、対応ターミナルも拡大しています。