実行プランの読み解きに毎回時間を取られていた開発者に朗報だ。SQL Server Management Studio 22.5のアップデートで、GitHub Copilotがクエリの結果ペインに対応した。実行プランをファイルに保存しなくても、チャット欄から直接AIに質問できる。
この記事でわかること:
- SSMS 22.5で追加されたGitHub Copilotの結果ペイン対応機能の内容
- チャットから実行プランやクエリ結果を分析する具体的な方法
- 使用時に知っておくべき注意点
GitHub Copilot in SSMSの経緯
SQL Server Management Studio(SSMS)は、SQL ServerやAzure SQLデータベースを操作するためのMicrosoft製GUI開発ツールだ。クエリエディター・オブジェクトエクスプローラー・実行プラン表示など、SQL開発に必要な機能を一通り備えている。
GitHub Copilot in SSMSは、2026年3月18日リリースのSSMS 22.4.1で正式に一般提供(GA)となった。T-SQLの補完・自然言語によるクエリ生成・コードの説明といった機能を備え、SSMSのチャットウィンドウから直接利用できる。
今回の22.5は2026年4月14日にリリースされ、そのGitHub Copilotをさらに拡張している。
結果ペインに対応した3つの領域
これまでGitHub Copilot in SSMSは、エディター上のコードを主な対象としていた。22.5ではチャットからクエリ実行後の結果ペインを参照できるようになった。対応するのは次の3領域だ。
結果グリッド:クエリが返したデータをCopilotが直接読み取る。「42行目から53行目のUnitPriceの合計は?」のように行番号を指定して集計を依頼できる。
実行プラン:クエリの実行プランをファイルに保存したり別ウィンドウで開いたりせず、そのままチャットで質問できる。「このクエリのボトルネックはどこか」「インデックスの追加を検討すべき箇所はあるか」といった分析がすぐできる。
メッセージタブ:SET STATISTICS IOやSET STATISTICS TIMEの出力結果をコピーせずに比較・分析できる。複数クエリの実行統計を比較するときに役立つ。
プロンプトの書き方が参照先を決める
チャットウィンドウはView > GitHub Copilot Chatから開く。クエリを実行して結果ペインが表示された状態で、チャット欄に質問を入力する。
ただし、質問の表現によってCopilotが参照先を切り替える点に注意が必要だ。
- 「rows 42 through 53のUnitPriceの合計は?」→ 結果グリッドの内容を参照して回答
- 「OrderDateが2018-01-03のUnitPriceの合計は?」→ 結果グリッドを使わず、データベースへクエリを実行して回答
現在表示されている結果の中の特定の行・範囲を指定する書き方のとき、Copilotは結果ペインを参照する。曖昧な聞き方をするとデータベースへのクエリ実行に切り替わるため、意図した動作になっているか確認しながら使うのがよい。
大きな結果セットへの注意
便利な機能である一方、使う際に意識しておきたい制約がある。結果ペインをCopilotに参照させると、結果の全内容がAIモデルに送信される可能性がある。大量レコードを返すクエリに対してチャットで質問すると、その分だけトークンを消費する。機密データが含まれる場合は、何を送信しているか把握した上で使用するのが望ましい。
また、Microsoftはこのリリースにあわせて GitHub Copilotのデータ利用ポリシー変更も案内している。Copilot Free・Pro・Pro+のユーザーは、チャットの入出力・コードスニペット・コンテキストがオプトアウトしない限りAIモデルの学習に利用される。設定はGitHubの「Privacy」メニューから変更できる。Business・Enterpriseユーザーは対象外だ。
22.5のそのほかの主な変更点
マイグレーションハブの追加:SQL Serverインスタンスを右クリックして「Migrate SQL Server」を選ぶと、移行に関する操作を一元管理できるページが開く。アセスメント・ターゲットのプロビジョニング・移行・監視が1ページで完結する。Azure Data Studioの退場を受けた機能強化だ。
SQLプロジェクト(プレビュー):22.4.1で追加されたSQLプロジェクト機能に、既存データベースからのオブジェクトインポート・Advanced Publish Settingsダイアログ・新テンプレート74種が追加された。
コード補完のコンテキスト改善:コード補完のコンテキストとして、アクティブなエディターの内容だけを送信するよう変更された。不要なデータ送信が減り、より関連性の高い補完が返りやすくなっている。
SSMSのダウンロード
https://learn.microsoft.com/en-us/sql/ssms/download-sql-server-management-studio-ssms
最新版のSSMS 22.5はMicrosoft公式からダウンロードできる。GitHub Copilotを使うにはGitHubアカウントとCopilotのアクセス権が必要だ。無料プランでも利用可能なため、SSMSでのSQL開発作業に組み込んでみる価値がある。