調査レポートが会話だけで視覚化できるようになった。
GeminiのDeep ResearchとCanvasを組み合わせると、ウェブ検索から始まった調査レポートをそのままインフォグラフィックへ変換できる。デザインツールもコードも不要で、プロンプトだけで仕上げまで完結する。
この記事でわかること:
- Deep ResearchとCanvasを使ったインフォグラフィック生成の手順
- Nano Banana 2が動的なインタラクティブ要素を自動生成する仕組み
- デザインの調整方法とエクスポート時の注意点
https://gemini.google/overview/canvas/
Deep ResearchとCanvasはそれぞれ何をするか
GeminiのDeep Researchは、指定したテーマについてウェブ上の複数ソースを自律的に検索し、引用付きのレポートを生成するエージェントだ。2026年4月21日、GoogleはGemini 3.1 Proを搭載した新世代の「Deep Research」と「Deep Research Max」を公開した。いずれもGemini APIのインタラクションズAPIから利用できる。
Canvasは、GeminiのチャットUIとは別に独立したワークスペースを提供する機能だ。テキスト、コード、インフォグラフィック、クイズ、音声概要などを生成・編集できる。Deep Researchで生成したレポートは自動的にCanvasウィンドウへ出力されるため、そのまま追加操作に移れる。
手順1: Deep Researchで調査を開始する
Geminiのプロンプト入力欄の下にある「Deep Research」を選択し、調査したいテーマを入力する。テーマは具体的であるほど精度が上がる。
例として「AIを使った生涯学習の利点とリスク、認知的効果と誤情報リスクにフォーカスして調査する」のような形式が効果的だ。
Deep Researchは調査プランを提示してから実行に入る。開始前にプランを確認・修正できる「Collaborative planning」機能も備えており、調査範囲をあらかじめ絞り込める。調査が完了すると、引用付きのレポートが新しいCanvasウィンドウに表示される。
手順2: Canvasでレポートを確認・精査する
レポートはCanvasの専用ワークスペースに表示される。複数ページにわたる内容になることが多く、ハルシネーションが混入している可能性もある。レポート末尾に掲載されたソースを確認し、「Thoughts」で調査ロジックを確認しておくことが重要だ。この精査ステップを省くと、品質の低いソースがインフォグラフィックにそのまま反映される。
必要であれば追加のプロンプトでレポートを補完したり、特定の点について掘り下げたりできる。
手順3: インフォグラフィックを生成する
Canvasインターフェースの右上にある「Create」ボタンをクリックする。ドロップダウンメニューに「Infographic」が表示されるので選択すると、レポートの内容を元にCanvasがインフォグラフィックを動的に組み立てる。
ここでNano Banana 2(Gemini 3.1 Flash Image)が機能する。Nano Banana 2は2026年2月にGoogleがWorkspaceユーザー向けに提供を開始した画像モデルで、インフォグラフィック生成、図解、データビジュアライゼーションに対応している。このモデルが視覚的な要素をリアルタイムで生成し、テキストだけでなく図表やチャートを含む構成が自動で出来上がる。
さらに「Add Gemini features」を選ぶと、インタラクティブ要素が追加される。記事の著者が「AIを使った生涯学習」のレポートで試したところ、学習計画を構築する「Study Syllabus Generator」とAI生成コンテンツをファクトチェックする「Lateral Reading Assistant」が自動生成されたと報告している(参考)。
手順4: プロンプトでデザインを調整する
インフォグラフィックが生成された後は、自然言語のプロンプトだけでデザインを変更できる。コーディングスキルは不要だ。
「色をネイビーブルーとゴールドに変更して」「ヘッダーフォントを大きくして」「縦スクロールの代わりに横スクロールにして」といった指示が通る。コードの知識があれば、生成されたHTMLコードを直接編集することもできる。
生成物はWebページ形式のため、PDFとして直接ダウンロードすることはできない。エクスポートする場合はHTMLコードをコピーしてローカルのHTMLファイルとして保存し、ブラウザのスクリーンショット機能などで画像化するのが現実的な回避策だ。
NotebookLMへの送信機能もあり、Geminiとの連携でさらに掘り下げる作業にも活用できる。ただしこの操作ではインフォグラフィック本体は転送されず、Deep Researchレポートとのやり取り履歴のみが連携される。
教育・プレゼン資料作成への活用
このワークフローが特に力を発揮するのは、教育コンテンツの作成や資料の視覚化だ。大量の調査結果を読み手が素早く把握できる形式にまとめることができ、インタラクティブ要素が付加されれば理解度テストや学習ツールとして機能する。
Deep Research MaxはGemini APIの有料ティアで利用でき、非同期のバックグラウンド処理に向いている。たとえば夜間のcronジョブで詳細な分析レポートを自動生成し、翌朝にはインフォグラフィック化済みの成果物を受け取るというワークフローも構築できる。
注意点まとめ
Deep Researchのレポートにはハルシネーションが含まれる可能性があるため、インフォグラフィック生成前にソースを必ず確認すること。エクスポートの選択肢が限定されている点も現時点では制約になる。PDFや画像ファイルとして直接出力する機能は今後のアップデートで改善が期待されるが、2026年4月時点ではHTMLコードのコピーが唯一の回避策だ。
Gemini Deep ResearchとCanvasの組み合わせは、調査から視覚化までのプロセスを一つのツールの中で完結させる。プロンプトだけで資料のクオリティを上げられるワークフローとして、業務や学習の場面で試す価値は十分にある。