GPU を持たない人でも、高性能な AI エージェントを完全無料で動かせる環境が整いました。
Ollama は 2026年4月24日、DeepSeek V4-Flash を Ollama Cloud のクラウドモデルとして公開しました。米国のサーバーでホストされるため、モデルのダウンロードも自前の GPU も不要です。OpenClaw・Claude Code・Hermes との1クリック連携コマンドも同時に公開されています。
この記事でわかること:
- DeepSeek V4-Flash がクラウドモデルとして Ollama に追加された背景
- OpenClaw・Claude Code・Hermes に接続する具体的なコマンド
- GPU なし・サブスクリプションなしで動くエージェント環境のセットアップ手順
- 無料ティアの制限と実際の信頼性
Ollama Cloud と DeepSeek V4-Flash — 何が変わったか
Ollama はこれまで「ローカルで LLM を動かすツール」として知られていました。しかし今回の更新でクラウドモデルのゲートウェイとしても機能するようになっています。
deepseek-v4-flash:cloud というタグを指定すると、Ollama が米国にある DeepSeek のクラウド推論層に接続します。ローカルには何もダウンロードされません。Ollama はゲートウェイとして動作し、リクエストをクラウドへ転送します。
DeepSeek V4-Flash 自体は Mixture-of-Experts(MoE)アーキテクチャを採用したモデルです。MoE とは、大きなモデルの中で実際に動かすパーツを絞り込む設計のことで、総パラメーター数は 284B ですが、1回の推論でアクティブになるのは 13B のみです。コンテキストウィンドウは 100万トークンを超え、長文処理やエージェントタスクに適した設計になっています。米国ホストのため、データが米国の法的管轄内で処理される点も企業利用で注目されています。
OpenClaw・Claude Code・Hermes への1クリック接続
Ollama の公式アカウントが公開したコマンドは次の3つです。
# OpenClaw に接続
ollama launch openclaw --model deepseek-v4-flash:cloud
# Claude Code に接続
ollama launch claude --model deepseek-v4-flash:cloud
# Hermes に接続
ollama launch hermes --model deepseek-v4-flash:cloud
いずれもターミナルに1行貼るだけで、Ollama が該当エージェントを起動し、V4-Flash に接続した状態で動き始めます。
OpenClaw はブラウザ操作・Web 検索・ツール生成をこなすオープンソースの AI エージェントハーネスです。Claude Code は Anthropic 公式のコーディングエージェント、Hermes は Nous Research が開発した自己学習型エージェントです。3つとも同じ Ollama Cloud 上の V4-Flash と無料で接続できます。
セットアップ手順
1. Ollama を最新版に更新する
curl -fsSL https://ollama.com/install.sh | sh
旧バージョンの Ollama はクラウドモデルを認識しません。すでに Ollama を入れている場合も同じコマンドで更新します。
2. クラウドモデルを登録する
ollama pull deepseek-v4-flash:cloud
:cloud タグが付いたモデルはダウンロードが発生しません。Ollama がクラウド接続を登録するだけなので数秒で完了します。
3. OpenClaw を起動する
ollama launch openclaw --model deepseek-v4-flash:cloud
このコマンド1行で OpenClaw のローカルゲートウェイが起動し、ブラウザで UI が開きます。
4. 動作テストをする
チャット欄に「Google を開いて今日のニュースを検索して」と入力します。OpenClaw がブラウザを自動操作して結果を返せばセットアップ完了です。うまく動かない場合は Ollama を再インストールすると解決するケースがほとんどです。
何ができるのか — 実際のユースケース
https://github.com/openclaw/openclaw
OpenClaw + DeepSeek V4-Flash の組み合わせが得意とするのは、ブラウザを通じた情報収集と軽いコード生成です。
競合サービスのページを開いて料金を抜き出す、アナリティクスにログインしてスクリーンショットを取る、指定キーワードで上位記事を集めて要約する——こうした反復作業を自然言語で指示するだけで実行できます。
コード生成では「SEO 用のメタディスクリプション生成ツールを HTML で作って」のような指示に対して、計画・実装・ブラウザでのテストまで一連でこなします。
複数エージェントを並行させる使い方も有効で、ターミナルの複数タブで OpenClaw と Claude Code と Hermes をそれぞれ起動し、同じ Ollama Cloud 上の V4-Flash に接続した状態でタスクを分担させることもできます。
無料ティアの制限と信頼性について
Ollama Cloud の無料ティアは、個人の日常的な利用には十分な使用量が設定されています。1日中ひたすら使い続けるような場合は制限に達することがあります。
信頼性については、エージェントタスクの成功率がおよそ半分程度であることが複数の利用者から報告されています(参考)。失敗した場合はプロンプトを再実行するのが基本対応です。Claude Code や Hermes と比較して成功率は低いものの、タスクあたりの実行能力は高いという評価があります。安定性を優先するなら Hermes、処理能力を優先するなら OpenClaw という使い分けが実態に合っています。
まとめ
Ollama Cloud への DeepSeek V4-Flash 追加は、高性能 AI エージェント環境へのハードルを一気に下げる出来事です。必要なのはターミナルと1行のコマンドだけで、GPU もサブスクリプションも不要で動かせます。まずは ollama launch openclaw --model deepseek-v4-flash:cloud の1コマンドから試してみてください。
