GitHubが2026年4月27日、Copilotの料金体系を根本から変える発表をした。

これまで使われてきた「プレミアムリクエスト単位(PRU)」が廃止され、6月1日から「GitHub AIクレジット」というトークン消費ベースの課金に移行する。月額料金は据え置きだが、仕組みが変わることで実質的な使い勝手は大きく変わる。

この記事でわかること:

  • PRUからAIクレジットへの具体的な変更内容
  • 個人・ビジネス・エンタープライズそれぞれへの影響
  • 廃止される機能(フォールバック)と移行スケジュール
  • 開発者コミュニティの反応

https://github.blog/news-insights/company-news/github-copilot-is-moving-to-usage-based-billing/

なぜ今、課金モデルを変えるのか

GitHubのChief Product OfficerであるMario Rodriguez氏は発表の中で「Copilotは1年前と同じ製品ではない」と述べている。

Copilotはエディタ内補完ツールから、コードベース全体をまたぐ長時間の自律的なコーディングセッションをこなすエージェント基盤へと進化した。チャットで短い質問を1回投げる操作と、数時間にわたる自律コーディングセッションが、同じコストで請求されていた構造が問題だった。

GitHubがこれまで膨らむ推論コストを内部で吸収し続けてきたが、もはや持続できないと判断した。トークン消費に基づく課金に切り替えることで、使った分だけ払う仕組みに変える。

PRUからAIクレジットへ:何が変わるか

最大の変化は課金の単位だ。PRUは「やり取りの回数」を基準にしていた。AIクレジットは「消費したトークン数」を基準にする。入力・出力・キャッシュされたトークンをすべて含み、使用したモデルのAPIレートに従って計算される。

月額の座席料金は変わらない。しかし含まれるクレジット量が座席料金と同額になる仕組みだ。

プラン 月額料金 含まれるAIクレジット
Copilot Pro $10 $10
Copilot Pro+ $39 $39
Copilot Business $19/ユーザー $19/ユーザー
Copilot Enterprise $39/ユーザー $39/ユーザー

コード補完とNext Edit Suggestionsはこれまで通り無制限で使え、AIクレジットを消費しない。影響を受けるのはChat、エージェントモード、コードレビュー、Copilot CLIといった高度な機能だ。

個人プランへの影響

月額のProまたはPro+プランを使っているユーザーは、6月1日に自動でAIクレジット制に移行する。手続きは不要だ。

年額プランのユーザーは事情が異なる。6月1日から年額プランでのモデル乗数が引き上げられる。プランが期限を迎えた後はCopilot Freeに移行し、新たに月額プランへ加入する必要がある。GitHubは年額プランの残存価値を月額プランのクレジットとして返還するとしており、6月1日前に月額プランへ切り替えることも推奨している。

ビジネス・エンタープライズへの影響

移行への準備期間として、BusinessとEnterpriseの既存ユーザーには6月・7月・8月の3か月間、通常より多い月次クレジットが提供される。

  • Copilot Business:通常$19のところ$30分のクレジット
  • Copilot Enterprise:通常$39のところ$70分のクレジット

また、組織全体でクレジットをプールできる「PooledクレジットL」機能が導入される。これまでは個々のユーザーが使わなかった分は無駄になっていたが、ヘビーユーザーとライトユーザーの使用量が組織内で平準化される。管理者はエンタープライズ・コストセンター・ユーザーの各レベルで予算上限を設定でき、クレジットが尽きた後に追加課金を許可するかどうかも制御できる。

廃止されるフォールバック機能

現在の仕組みでは、PRUを使い切っても低コストモデルへのフォールバックが働き、引き続きCopilotを使い続けられた。この機能は6月1日に廃止される。

クレジットと設定済みの追加予算を使い切った場合、コード補完とNext Edit Suggestionsは継続して使えるが、Chat・エージェントモード・コードレビューなどは翌月のリセットまで待つか、追加クレジットを購入するしかなくなる。

移行前に確認できる「プレビュー請求書」

GitHubは5月上旬に、新課金モデルでの予想コストを事前確認できる「プレビュー請求書」機能を提供する予定だ。GitHub.comのBilling Overviewページから確認できる。6月1日の移行前に自分の使い方がどの程度のコストになるか把握しておくことを、GitHubは推奨している。

開発者コミュニティの反応

GitHubのコミュニティディスカッションに寄せられた公式の発表には、👍が9件に対し👎が520件と、否定的な反応が圧倒的に多い(2026年4月28日時点)。

FAQの中でGitHubは「これは実質的な値上げではないか」という問いに対し「座席あたりのサブスクリプション料金は上がらない」と答えているが、エージェント的な使い方をするユーザーにとってはコストが増す可能性があると認めている。コミュニティでは「同じ料金でより少ない機能になる」という声が上がっており、特にエージェントをヘビーに使っているユーザーから不満が出ている。

年額プランのユーザーについては、モデル乗数の引き上げが6月1日から適用されるため、月額プランへの早期切り替えを検討する価値がある。

まとめ

GitHub Copilotの課金変更の核心は「コードエディタ補完」から「AIエージェント基盤」へという製品の進化に、ビジネスモデルを追いつかせることだ。月額料金が変わらないまま含まれるクレジット量が1:1の対応になる点は一見シンプルだが、エージェント機能を多用するほどコストが増えるリスクが生まれた。

5月上旬に提供されるプレビュー請求書を活用して、6月1日の移行前に現在の使用パターンがどの程度のコストになるかを確認しておくことが重要だ。