Notionが「AIチームメイト」の実用性を一気に引き上げました。2026年4月14日にリリースされたNotion 3.4(Part 2)では、Custom Agentsの大幅なコスト削減、データベースに直接組み込めるAI Autofill、ワークフローを保存できるスキル機能が追加されています。
この記事でわかること
- AI Autofillでデータベース運用がどう変わるか
- スキル機能の仕組みと活用例
- Custom Agentsのコスト削減と新モデル対応
- Calendar・Mail・Slack連携の具体的な使い方
- 5月4日から始まる有料化の料金体系
Custom Agentsが35〜50%安くなった
https://www.notion.com/releases/2026-04-14
Custom Agentsは、繰り返し作業を自動処理するNotionのAIエージェント機能です。2026年3月のローンチ以降、IT問い合わせ対応や競合分析レポートの自動更新など、チーム単位での活用が広がっています。
今回のアップデートで、Custom Agentsの実行コストが全体で35〜50%削減されました。特にメールの振り分けのような反復タスクでは効果が大きくなります。GPT-5.4 Mini & Nano、Haiku 4.5、MiniMax M2.5といった軽量モデルを選べば、従来の最大10分の1のクレジット消費で済みます。
コスト管理の面でも改善があります。新設されたNotionクレジットダッシュボードで、どのエージェントがどれだけクレジットを使っているかを確認できるようになりました。エージェントごとの費用対効果を把握しやすくなり、運用の最適化に役立ちます。
AI Autofillでデータベースが自動更新される
AI Autofillは、Custom Agentsの知能をデータベースのプロパティに直接組み込む機能です。従来のAI Autofillは単純な補完にとどまっていましたが、今回のアップデートでCustom Agentsと同じレベルの処理が可能になりました。
具体的には、データベースの各行に対して情報の抽出、分類、補完を継続的に実行します。たとえばCRMデータベースに新しい企業名が追加されたとき、業種の分類、WebサイトURLの補完、直近のニュースの要約を自動で埋めるといった使い方ができます。手動でのレビューなしにデータの鮮度を保てる点が特徴です。
Business・Enterpriseプランでは、従来のシンプルなAI Autofillは引き続きプラン内で利用できます。Custom Agents連携の高度なAutofillにはNotionクレジットが必要です。
スキル機能でエージェントにワークフローを記憶させる
スキルは、Notion Agentに繰り返し依頼する作業をコマンド化する機能です。毎回同じプロンプトを書く手間がなくなります。
活用例として、週次レポートの下書き作成、チームのフォーマットに合わせたドキュメント整形、会議前のブリーフィング資料準備などが挙げられています。一度スキルとして保存すれば、ワンクリックで同じ品質のアウトプットを得られます。
スキルは個人のNotion Agentに紐づくため、自分の業務に合わせたカスタマイズが可能です。チーム全体で共有するCustom Agentsとは異なり、個人の生産性を高める位置づけになっています。
Calendar・Mail・Slackとの連携が拡大
Notion Agentが扱えるツールの範囲が広がりました。Calendar、Mail、Slackと統合され、エージェントがこれらのツールの情報を読み取り、要約し、フォローアップまで実行できます。
たとえば「今日の会議を確認して準備事項をまとめて」と指示すれば、Calendarから予定を取得し、関連するNotionドキュメントやSlackの会話を参照して、ブリーフィングを生成します。さらに、マイクボタンによる音声入力にも対応し、テキストを打たずにエージェントへ指示を出せるようになりました。
ドキュメント内での直接編集にも対応しています。テキストを選択してエージェントに修正を依頼すると、別ウィンドウではなくドキュメント上でそのまま変更が反映されます。
新コネクタとパフォーマンス改善
SalesforceとBoxの2つのAIコネクタが追加されました。Salesforceコネクタでは、アカウント情報や商談ノートを検索して通話準備やフォローアップの下書きを作成できます。BoxコネクタではPDF提案書や契約書を横断検索し、要点の抽出やバージョン比較が可能です。
パフォーマンス面では、ページの初回レンダリングが28%高速化されました。ドキュメント間を頻繁に移動する作業で体感の違いが出ます。
Custom Agentsのコンテキスト拡張も注目すべき変更です。プライベートSlackチャンネルからも情報を取得できるようになり、エージェントが重要な会話を見逃す問題が軽減されました。今後はMicrosoft Teams、Google Drive、Salesforceなどのコネクタも追加される予定です。
5月4日からCustom Agentsが有料化
https://www.notion.com/help/custom-agent-pricing
2026年5月4日以降、Custom Agentsの実行にはNotionクレジットが必要になります。料金は1,000クレジットあたり10ドルで、ワークスペース単位でプールされます。誰が作成・実行したエージェントであっても、同じクレジット残高から消費される仕組みです。
クレジットの消費量は、処理する情報量、使用するツールの数、完了までのステップ数、実行頻度、選択するAIモデルによって変動します。高性能モデルほど消費が多くなるため、タスクの複雑さに応じたモデル選択がコスト管理の鍵になります。
5月3日までは無料で試せるため、エージェントの構築と調整は今のうちに済ませておくのが得策です。
n8nとMCPの統合で外部自動化が可能に
Custom Agentsをn8nに接続するMCPインテグレーションが追加されました。n8nは自動化ワークフローをノーコードで構築できるOSSツールです。この連携により、Notion内のエージェントがn8nで構築済みのワークフローを呼び出し、外部アプリやAPIとの連携処理を実行できます。
MCP関連ではほかにも改善があります。コメント、会議トランスクリプト、Notion Sitesを含む幅広いデータへのアクセスが安定し、レスポンスも高速化されました。管理者向けには、監査ログや承認済みツールの制御機能が追加されています。
まとめ
Notion 3.4 Part 2は、AIエージェントを「試してみるもの」から「業務に組み込むもの」へ押し上げるアップデートです。コスト削減とクレジットダッシュボードで運用の見通しが立ちやすくなり、AI Autofillとスキル機能で日常業務への組み込みが現実的になりました。5月4日の有料化を前に、まずは無料期間中にエージェントを構築して、自分のチームに合う使い方を見つけておくことをおすすめします。