AIコーディングエージェントを乗り換えたいが、積み上げた設定やスキルをゼロから作り直すのが面倒——そんなハードルを、OpenAIが正面から取り除きにきました。2026年5月1日、OpenAIは公式Xアカウントで「ワークフローを数クリックでCodexに持ち込める」と告知しています。Codex v0.128.0で追加されたインポート機能を使えば、他のAIエージェントから設定・スキル・MCPサーバー・セッション履歴まで一括で移行できます。
この記事でわかること
- Codexのインポート機能が移行できるものの全体像
- 設定画面からの具体的な操作手順
- 移行後に確認すべきポイント
インポート機能の概要
https://developers.openai.com/codex/migrate
Codexのインポート機能は、他のAIコーディングエージェントで使っていた設定やカスタマイズをCodexの形式に自動変換する仕組みです。対象はユーザーレベル(マシン全体)とプロジェクトレベル(リポジトリ単位)の両方にまたがります。
移行できる項目は以下のとおりです。
- 指示ファイル → AGENTS.md
- 設定ファイル(settings.json) → config.toml
- スキル → Codexスキル
- 過去30日分のセッション → Codexスレッド・プロジェクト
- MCPサーバー設定 → Codex MCP設定
- フック → Codexフック
- スラッシュコマンド → Codexスキル
- サブエージェント → Codexエージェント
Claude CodeやCursorなど、AGENTS.mdやMCP設定を持つエージェントからの移行を想定した設計です。
移行の手順
操作は3ステップで完了します。
最初に、Codexアプリの「Settings」を開き、「General」ページにある「Import other agent setup」を選びます。次に、Codexがマシン上とリポジトリ内をスキャンして検出した設定が一覧で表示されるため、移行したい項目を選んで「Import」を押します。最後に、インポート完了後「View imported files」で結果を確認できます。
一対一で変換できない項目が残った場合、Codexは「Continue in Codex」ボタンを表示します。これを押すと、migrate-to-codexスキルが起動した新しいスレッドが開き、残りの移行作業をCodex自身がガイドしてくれます。ユーザーレベルとプロジェクトレベルの設定は分離して表示されるため、どの設定がどこに属するか混乱しません。
移行後に確認すべき点
自動変換された設定をそのまま信頼するのは危険です。OpenAIの公式ドキュメントでは、以下の項目を重点的にレビューするよう案内しています。
まず、インポートされたスキルやエージェントのツール制限・権限設定です。移行元と移行先でパーミッションモデルが異なるため、意図しない権限が付与されている可能性があります。
次に、MCPサーバー設定です。カスタム認証やヘッダー、環境変数、独自トランスポートを使っている場合、Codex側で追加の手動設定が必要になることがあります。
フックの挙動も要注意です。移行元のフックがシェル補完やファイルパスのプレースホルダーに依存していた場合、Codexでは動作が異なる場合があります。
プラグインやマーケットプレイス関連の設定は自動移行の対象外のため、手動でのフォローアップが必要です。
v0.128.0のその他の変更
インポート機能と同時にリリースされたv0.128.0には、プラグインワークフローの改善も含まれています。マーケットプレイスからのインストール、リモートバンドルのキャッシュ、リモートアンインストール、プラグインにバンドルされたフックの管理機能が追加されました。
外部エージェントセッションのインポートも強化されており、バックグラウンドでのインポート処理やインポート済みセッションのタイトル管理に対応しています。
エージェント乗り換えの障壁が下がった意味
AIコーディングエージェント市場では、Claude Code・Cursor・Windsurf・Gemini CLIなど選択肢が増え続けています。しかし、各ツールに蓄積されたカスタマイズが乗り換えコストとして機能し、ユーザーを囲い込む構造がありました。
Codexのインポート機能は、この囲い込みを自ら破壊する攻めの戦略です。他ツールからの移行障壁を下げることで、まだCodexを試していないユーザーの最後の一歩を後押ししています。MCPサーバー設定やAGENTS.mdといったエコシステム標準のフォーマットを直接読み取れる点は、相互運用性の観点からも評価できます。