広告レポートを確認するたびにダッシュボードへ切り替え、分析結果をコピーしてAIチャットへ貼り付け——そんな往復作業が、ターミナル内で完結するようになりました。
Motionは2026年5月4日、Claude Code向けの公式プラグイン「Motion Creative Plugin」を一般公開しました。ペイドソーシャルチームの広告データをMCPサーバー経由でClaudeに接続し、パフォーマンス分析・競合リサーチ・コンセプト生成・ブリーフ作成をコマンド一本で実行できます。
この記事でわかること:
- Motionとは何か、何を解決するサービスか
- Claude Codeプラグインで何がターミナルから操作できるか
- 14のコマンドの具体的な役割
- インストールから認証までの手順
- 料金と他ツールとの違い
Motionとは何か
Motionは、Meta・TikTok・YouTube・LinkedIn広告のクリエイティブ分析に特化したSaaSプラットフォームです。広告の画像・動画アセットをパフォーマンス指標とセットで可視化し、「どのクリエイティブが売上を生んでいるか」を直感的に把握できる設計になっています。
HexClad・Ridge・Jones Road Beautyなど、著名なDTCブランドが採用しており、年間140億ドル超の広告費分析に活用されています。AIがアセットを自動タグ付けし、動画をフレーム単位で解析することで、手動で確認しなくても勝ちパターンが浮かび上がります。
ターミナルを離れずに広告戦略を完結させる
これまでMotionの分析結果をAIに活用するには、ダッシュボードの数値をコピーして別ウィンドウのChatGPTやClaudeに貼り付ける必要がありました。汎用AIは自社ブランドの文脈や過去の広告データを持っていないため、出てくる提案が一般論にとどまりやすい問題もありました。
Motion Creative Pluginはこの二つの課題を同時に解決します。プラグインがMotionのMCPサーバーに接続し、ユーザーのアカウントデータ(パフォーマンス指標・競合ライブラリ・AIタグ・ブランドコンテキスト)をリアルタイムで取得します。ClaudeはMotionのデータで地に足のついた回答を返すため、「あなたのブランドの先週のトップ広告と似たフックで、今月のプロモーション向けスクリプトを書いて」といった精度の高い指示が通ります。
14のコマンド — 4つのカテゴリで役割を分担
パフォーマンス分析
| コマンド | 内容 |
|---|---|
/morning-briefing |
前夜からのパフォーマンス変化と競合動向をスタンドアップ用に要約 |
/weekly-performance |
週次のナレーティブ付きパフォーマンスレポートを生成 |
/performance-analysis |
複数指標・デモグラフィック別の深掘り分析 |
/analyze-ad |
名前・ID・URLで特定の広告を詳細解析 |
/morning-briefing は毎朝のスタンドアップ前に走らせると、「昨日どのクリエイティブがCPAを下げたか」を口頭で説明できる状態になります。
新規クリエイティブの開発
| コマンド | 内容 |
|---|---|
/create-concepts |
パフォーマンスデータと競合シグナルから2〜5案のコンセプトを提案 |
/concept-engine |
ブレスト資料・ミーティング議事録・白紙から高度なコンセプトを生成 |
/build-brief |
チームやクリエイターに渡せる構造化ブリーフを作成 |
/find-iterations |
トップ広告のバリエーション案(フック変更・フォーマット変更・ターゲット変更)を提案 |
コピー・スクリプト執筆
| コマンド | 内容 |
|---|---|
/write-hooks |
自社のトップ広告実績をもとに心理的訴求のフックを生成 |
/ugc-scripts |
自然な口語で聞こえるUGC向けトーキングポイントを作成 |
リサーチとQA
| コマンド | 内容 |
|---|---|
/audience-research |
緊張感ベースのオーディエンスマッピング・カスタマーレビュー分析・競合クリエイティブ調査 |
/industry-trends |
競合が出稿しているクリエイティブのトレンド・フォーマット・フック・メッセージを調査 |
/qa-feedback |
ブランドガイドライン・パフォーマンスパターン・コンセプト基準に照らして広告を評価 |
/morning-briefing |
(再掲)朝の確認に最適 |
インストールから認証まで3ステップ
Claude Codeが起動している状態で以下を実行します。
ステップ1 — プラグインのインストール
/plugin marketplace add Motion-Creative/motion-creative-plugin
ステップ2 — MCPサーバーの接続
/plugin install motion-creative@motion-mcp
あるいは Claude に「Install the Motion Creative plugin from https://github.com/Motion-Creative/motion-creative-plugin」と自然言語で依頼するだけでも機能します。
ステップ3 — 認証とカスタマイズ
初回コマンド実行時にMotionアカウントとのOAuth認証を求められます。ワークスペースにOwner・Admin・Collaboratorのいずれかの権限が必要です。認証後に /customize を実行すると、ブランド・KPI・競合・制作上の制約を設定でき、以降のコマンド出力がそのコンテキストに最適化されます。
料金と類似ツールとの違い
Motionの料金は問い合わせベースです。公式サイトにプランの金額は記載されておらず、スペシャリストとの相談(Book a call)を案内しています。14日間のトライアルが用意されており、初回認証時にアカウントを作成して試せます。
ChatGPTやClaudeの単体利用と比較したとき、このプラグインの差別化は「自社データへの接地」にあります。汎用AIは一般的なフレームワークしか参照できませんが、Motionプラグインは先週のアカウントの実績・競合が先月出稿した広告・ブランド固有のAIタグを引き出して回答を生成します。また、Motionのシステムが広告クリエイティブを事前に解析・タグ付けしているため、Claudeが動画や画像の内容を「見た上で」分析できる点も独自の強みです。
AdKit MCPやPipeboard といった広告プラットフォーム操作ツールとは性質が異なります。MotionはキャンペーンのCRUDを扱うツールではなく、「どのクリエイティブが次のテストに値するか」という戦略的判断を支援するツールです。
まとめ
Motion Creative Pluginは、広告クリエイティブの分析・企画・執筆をClaude Codeのターミナル内に集約します。ダッシュボードとAIチャットを行き来する作業を省きながら、自社データに根ざした提案が得られます。DTC・ECの広告チームで使っているMotionアカウントがあれば、プラグインのインストールだけで試せます。