Grokがチャット専用AIから脱した。
xAIが2026年5月にリリースした「Connectors」機能により、Grokのチャット画面からSlackへの投稿、Gmailの送受信、GitHubリポジトリの参照といった操作が自然言語で行えるようになりました。
この記事でわかること:
- Grok Connectorsとは何か、従来との違い
- 利用できる15種類以上のサービス一覧
- Slack・Gmailコネクタで何ができるか
- カスタムMCPサーバーへの接続方法と設定手順
AIが「指示を出す」から「実際に動く」へ
これまでのGrokは、情報を調べて答えを返すだけだった。「明日の予定を教えて」と聞いてもカレンダーを参照できず、「あのSlackスレッドをまとめて」と頼んでも履歴を見られなかった。
Connectorsはその壁を取り除く機能です。各サービスのAPIをGrokが仲介し、ユーザーの指示に応じて外部サービスを実際に操作します。チャット画面の中でSlackを検索し、そのまま返信まで完結させることが可能になりました。
対応サービスは15種類以上
2026年5月時点で利用できる主なサービスは以下の通りです(TestingCatalogの調査)。
コミュニケーション
- Slack
- Gmail
- Outlook
開発ツール
- GitHub
- Linear(プロジェクト管理)
- Atlassian(Jira・Confluence)
- Buildkite(CI/CD)
- Sentry(エラー監視)
ドキュメント・データ
- Google Drive
- Google Docs
- Notion
- DeepWiki
その他
- Google Calendar
- HubSpot
- CoinGecko
- Axiom
各コネクタには「Read Only(読み取り専用)」と「All(読み書き両方)」の2モードがあるものが多く、どこまでGrokに権限を渡すか制御できます。
Slackコネクタで何ができるか
Slackコネクタの読み取り専用モードでは、チャンネル一覧の取得、チャンネル名での検索、メッセージ履歴の取得、スレッド返信の確認、ユーザーのプロフィール参照が可能です。
「All」モードでは送信操作も加わります。新規メッセージの投稿、スレッドへの返信、リアクション(絵文字)の追加、チャンネルへの参加と退出に対応しています。Grokとの会話の中で「generalチャンネルにこの内容を送って」と指示すると、コネクタを通じてそのまま実行されます。
Gmailコネクタで何ができるか
Gmail読み取り専用モードでは、差出人や日付などの条件でメールを検索したり、スレッドごとの会話履歴を確認できます。ラベルの一覧取得にも対応しています。
「All」モードでは新規メールの送信と既存スレッドへの返信が可能です。宛先・件名・本文を指定すれば、Grokがそのままメールを送信します。「この内容を要約してそのまま返信して」という使い方が現実的になりました。
Google CalendarとNotionも連携可能
Google Calendarは読み取り専用モードでスケジュール一覧の取得・空き時間の検索に対応し、「All」モードでは予定の新規作成・変更・削除まで行えます。
Notionはタイトルでのページ検索、ページ詳細の取得、ブロック単位でのコンテンツ読み取りに対応した読み取り専用モードが提供されています。プロジェクトWikiや議事録をGrokが参照しながら回答を生成する使い方ができます。
カスタムMCPサーバーへの接続
既成のコネクタ以外に、独自のMCPサーバーを接続するカスタムコネクタ機能も用意されています。grok.com → メニュー → Connectors → カスタムコネクタ追加から、サーバーの名前とURLを入力するだけで接続できます。
開発者がAPIから利用する場合は、リクエストのtools配列にMCPサーバーのURLを指定します。サポートされるトランスポートはStreaming HTTPとSSEで、認証トークンやカスタムヘッダーも設定可能です(参考: xAI Remote MCP Docs)。
設定方法
- grok.com にアクセスしてサインインする
- 画面左のメニューを開き「Connectors」を選択する
- 接続したいサービスを選んで認証を行う
- 認証後はGrokとの会話でコネクタが自動的に使われる
カスタムMCPサーバーを追加する場合は「カスタムコネクタを追加」を選び、サーバー名とURLを入力してください。利用には有料のGrokアカウント(Grok Premium以上)が必要です。
他社AIとの違い
ChatGPTは特定のサービス向けにプラグインやConnector連携を提供していますが、SlackやGitHubを直接操作できる統合は2026年5月時点で限定的です。ClaudeはMCPを中心にエコシステムを構築していますが、チャット画面から即座にGUIで外部サービスを設定できる体験はGrokのConnectorsが先行しています。
AIが生産性ツールと深く統合されていく流れの中で、Grok ConnectorsはGrokを「チャット相手」から「業務を実行するエージェント」に転換させる機能追加です。対応サービスの幅広さと、カスタムMCPサーバーへの接続による拡張性は、AIエージェントの本格利用に向けた重要な布石となります。
