会議の合間も、通勤中も、AIがタスクを片付けてくれる時代が本格化した。

MicrosoftはAIエージェント「Copilot Cowork」に、2026年5月5日、3つの大型アップデートを発表した。iOS/Androidへのモバイル対応、繰り返し作業を定型化する「Skills」、そして外部ツールと連携する「プラグイン」だ。いずれもFrontierプログラムを通じて提供される。

この記事でわかること:

  • Copilot Coworkがモバイルで使えるようになった内容と背景
  • Skillsを使った定型ワークフローの作り方
  • 対応プラグインと連携ツールの一覧

Copilot Coworkとは

https://www.microsoft.com/en-us/microsoft-365/blog/2026/05/05/copilot-cowork-from-conversation-to-action-across-skills-integrations-and-devices/

Copilot Coworkは、Microsoft 365環境の業務をユーザーに代わって実行するAIエージェントだ。「来週月曜の朝9時にチームへ週次レポートを送って」という指示に対し、メールの下書き・送信・カレンダー登録まで一貫して処理する。

Anthropicとの共同設計で開発されており、組織内のデータ・ツール・業務フローを理解する知識基盤「Work IQ」を持つ。インターネット上の情報だけでなく、社内ドキュメントや過去のやり取りを踏まえた成果を出せる点が、汎用チャットとの大きな違いだ。

現時点ではFrontierプログラム参加者のみが利用できる。

何が変わったか:3つの新機能

モバイル対応

これまでCoworkはPCブラウザとデスクトップアプリのみで動作していた。今回のアップデートで、Microsoft 365 CopilotのiOS・Androidアプリからも利用できるようになった。通勤中にスマートフォンから指示を送り、デスクに戻ったときには完了している、という使い方が想定されている。CoworkはクラウドでPCに依存せず処理を続けるため、アプリを閉じた後も作業は進む。

モバイル版は現在Frontier参加者向けにベータ提供中で、一般提供は2026年7月が予定されている。

Skills:定型作業の指示書を保存・再利用

Skillsは、Coworkへの指示内容を保存して再利用できる機能だ。毎週同じ構成でレポートを作る、決まったトーンでメールを返す、といった作業を一度定義すれば、次回は一言で完結する。

Microsoft 365にはWord・Excel・PowerPoint・PDF・Email・スケジューリング・会議管理・リサーチなど14種の組み込みSkillsが用意されている。独自Skillを作るには、OneDriveの/Documents/Cowork/skills/フォルダにSKILL.mdファイルを置くだけでよい。Coworkが会話開始時に自動で読み込む仕組みで、1ユーザーにつき最大50個まで作成できる。

プラグイン:業務ツールとの接続を拡大

Coworkが接続できる外部システムが大幅に増えた。Microsoft側ではPower BIと連携する「Fabric IQ」、そして営業・カスタマーサービス・ERPに対応するDynamics 365の統合が追加された(参考)。

サードパーティとの連携では、LSEG(ロンドン証券取引所グループ)・Miro・monday.com・S&P Global Energy・HubSpot・Moody’s・Notionのコネクタが順次提供される。組織独自のプラグインを開発・デプロイする仕組みも用意されており、自社の基幹システムとCoworkを接続できる。

利用方法

Copilot CoworkはFrontierプログラムへの登録が必要だ。登録後はm365.cloud.microsoftのブラウザ版、Microsoft 365 CopilotのWindows/Macデスクトップアプリ、そして今回追加されたiOS/Androidアプリから利用できる。管理者はMicrosoft管理センターのAgent管理ページからCoworkを有効化する。

実行型AIと汎用チャットの違い

ChatGPTや従来のCopilotチャットが「何ができるかを教えてくれる」ツールとすれば、Coworkは「実際にやる」エージェントだ。送信・投稿・スケジュール登録などの重要なアクションには事前確認が入り、ユーザーが承認してから処理が進む設計になっている。

モバイルからの委任、Skillsによるワークフローの標準化、外部システムとの接続——この3点が重なったことで、Coworkは企業の日常業務における「実行役」として現実的な選択肢になりつつある。FrontierプログラムへはMicrosoft 365 Copilotの設定画面から申請できる。