カスタムエージェントを作ろうとしたとき、最初に詰まるのは指示文の書き方だ。

Notionは2026年5月5日、実際にチームで稼働している優良エージェントの事例集「Agent Hall of Fame」を公開した。プロンプト全文が収録されており、コピーしてそのまま自分のワークスペースに導入できる。

この記事でわかること

  • Agent Hall of Fameの概要と使い方
  • Ramp・Remote・Vercel・Braintrustの実例4選
  • トリガーの種類と設定の考え方
  • 2026年5月からの料金体系と利用条件

https://notion.notion.site/Getting-Started-with-Custom-Agents-655efdeead058331841881cc46dbb1df

「Agent Hall of Fame」とは

NotionがカスタムエージェントをBusiness・Enterpriseプランに正式公開したのは2026年2月24日。それから2か月で100万件以上のエージェントが作成された。

その中でも実績が出た事例を1か所にまとめたのが、今回の「Agent Hall of Fame」だ。Notionのチームが顧客のエージェントを精査し、プロンプトとトリガー設定をセットで公開している。テンプレートとして読み込めるため、設定ゼロで試し始められる。

カスタムエージェントは個人向けのNotionエージェントとは根本的に違う。個人エージェントは呼びかけたときだけ動くが、カスタムエージェントはスケジュールやイベントを検知して自律的に動く。担当者が席を離れていても、毎朝9時にレポートを生成したり、Slackに新しいメッセージが届いたらNotionのデータベースを更新したりできる。

収録された代表的な事例

社内Q&Aエージェント(Ramp)

GTMチームのオンボーディング担当として機能する「Enablement Eddie」は、製品に関するよくある質問に毎日数十件自動回答している。以前は担当者がSlackチャンネルを監視して手動で答えていたが、エージェント導入後はチームが対応ログを確認するだけになった。エージェントの回答品質を継続的に改善するフィードバックループも組み込まれている。

タスク振り分けエージェント(Remote)

ITサポートのトリアージ業務を自動化したエージェントで、95%以上の精度でチケットを分類し、25%以上のチケットを人の介入なく完結させる。ITオペレーションマネージャーのJames Lawley氏によると、このエージェント導入で週20時間の工数削減を実現し、SlackとNotionをリアルタイムで同期し続けている(参考)。

ライティングレビューエージェント(Vercel)

Slackでメンションするとドラフトを採点し、改善案とともに返してくれるエージェントだ。CEOに宛てた文書を提出する前に、チーフ・オブ・スタッフが教えた「このCEOへの伝え方」をベースに採点・書き直しを行う。VercelのテクニカルPMであるBrian Emerick氏は「Notionでは個人のAIエージェントからカスタムエージェントへの権限委譲が明確で、セキュリティを保ちながら拡大しやすい」とコメントしている。

競合情報収集エージェント(Braintrust)

Webとセールスコール録音(Gong)を横断して競合の動向を収集し、社内ドキュメントを毎朝自動更新するエージェントだ。さらに週次で新規大口顧客の参照サマリーをCEOに送るエージェントも運用しており、VP of MarketingのMorgane Palomares氏は「1エージェントで1日20分節約できている」と述べている。

トリガーの設定方法

エージェントが動くタイミングはトリガーで決まる。現在使えるトリガーの種類は以下の通りだ。

スケジュールトリガーは「毎週月曜9時」や「毎月1日」のように時刻指定で実行する。Notionトリガーはデータベースへのページ追加・更新・削除、コメント、@メンションに反応する。Slackトリガーは特定チャンネルへのメッセージ投稿や絵文字リアクションで発火する。CalendarトリガーはNotionカレンダーのイベント作成・更新・キャンセルに対応する。Mailトリガーは受信・送信・ラベル付与で動く。

1つのエージェントに複数のトリガーを組み合わせることも可能で、「月曜9時に動かしつつ、データベースに新規エントリが追加されたときも動く」という設定ができる。外部ツールとの連携はMCPで広げられ、Linear・Figma・HubSpot・GitHub・Stripe・Intercomなどが対応済みだ。

料金と利用条件

カスタムエージェントはBusiness・Enterpriseプランが必要だ。2026年5月3日までは無料で試せたが、5月4日からNotionクレジットを消費するモデルに移行している。

管理者はエージェントごとにクレジット上限を設定でき、Enterpriseではワークスペース全体への上限も適用できる。クレジットが枯渇するとエージェントは自動停止するため、想定外の請求は発生しない。

なお作成・編集はWebおよびデスクトップアプリでのみ行える。モバイルからはエージェントの利用は可能だが、設定の変更はできない。

まとめ

「Agent Hall of Fame」はゼロからプロンプトを設計しなくていい起点として使える。収録された事例はすべて業務で実績が出たものであり、自社の似た課題に当てはめやすい。Businessプランを使っているなら、まず1つコピーして動かしてみることをすすめる。