チャットでメンバーを呼ぶように、AIエージェントを呼んで仕事を頼む。その「AIチーム」をコード不要で構築できるサービスが登場しています。
この記事でわかること:
- Teamily AIが解決する「チームAI」の課題
- ノーコードエージェントの作成手順と仕組み
- グローバルメモリ(Universal Memory)の特徴
- OpenClawとの違いと使い分け
- 料金プランと対応デバイス
個人向けAIが「チーム向け」に進化する
南カリフォルニア大学(USC)のSalman Avestimehr教授とTencent・Baidu出身のAiden Chaoyang He博士が共同創業したTeamily AIは、2026年2月に正式ローンチしたAIネイティブのメッセンジャーです。累計2000万ドルの資金調達を完了しており、AIインフラ・分散機械学習の専門家チームが開発しています。
OpenClawをはじめとするAIエージェントツールは個人の生産性を大幅に引き上げました。一方でチームの会話は依然として情報が分散し、複数のAIが協調して動く仕組みがありませんでした。Teamily AIが中心に据えているのは「グループインテリジェンス(Group Intelligence)」という概念です。人間とAIが同じチャット上で協力できれば、個人単位の生産性の限界を突破できるという考え方です。
ノーコードでエージェントチームを構築する
Teamily AIの核心は、技術知識ゼロでAIエージェントを作れる点にあります。「+ New Agent」ボタンを押して名前をつけるだけで、エージェントがコンタクトリストに追加されます。LINEで連絡先を追加するのと変わらない操作感です。
作成したエージェントにはGmail・Slack・GitHub・Xなどの外部サービスへのアクセスを許可できます。メール送信、投稿更新、予約手配、電話対応まで、エージェントが自律的に処理します。OpenClawやClaude Codeのエコシステムにある1万種類以上のスキルも組み込めるため、用途に特化したエージェントを素早く揃えられます。
グループチャットでAIが並列実行する
Teamily AIの強みが最も出るのは、複数エージェントを同じグループチャットに呼ぶ場面です。ピッチデッキを例にすると、「市場調査」「競合分析」「スライドデザイン」「コピーライティング」の4タスクを異なるエージェントが同時進行で処理し、成果物が同じスレッドに返ってきます。
指示は自然文で入力するだけです。コマンド構文を覚える必要はありません。また、プロダクトチームとエンジニアチームのように部門をまたぐ場合でも、前の議論の文脈をAIが引き継ぎます。プロダクト仕様書を作ったチャットの背景が、エンジニアチームのグループにそのまま持ち込まれる形です。
グローバルメモリ — セッションをまたいで記憶が続く
Teamily AIが「世界初」と称するグローバルメモリ管理システムは、グループ・セッション・シナリオをまたいでAIが文脈を保持し続ける仕組みです。「先週の定例で決めた件」「3か月前の調査結果」を横断検索できるため、毎回ゼロから説明し直す手間がなくなります。蓄積された会話は検索可能なナレッジベースとして機能します。
プロアクティブAI — 自分から動くエージェント
一般的なAIアシスタントはユーザーが話しかけるまで待機しています。Teamily AIのエージェントはユーザーの意図を先読みして自発的に行動します。締め切りが近い予定を前もって通知したり、チャットの流れから「次に必要なアクション」を判断して動き出したりします。
料金と対応デバイス
料金は3段階です。無料プランから基本的なグループチャットとエージェント作成を試せます。月額19.9ドルのスタンダードプランで主要機能が解放され、月額199.9ドルのプロプランは大規模な業務利用向けです。
iOS・Android・Mac・Windows・Webに加え、CarPlay・Apple Watch・Android Autoにも対応しています。デバイスをまたいで同じエージェントと同じメモリが使える設計です。
OpenClawと何が違うのか
OpenClawはコーディングやシステム操作に強く、CLIやターミナルでの作業が前提です。Teamily AIはメッセンジャーとしての操作性を重視しており、非エンジニアでも毎日使い続けられる設計になっています。
エージェントを「コンタクトリストの連絡先」として扱う点も大きな違いです。OpenClawが「ツールとして起動するAI」であるのに対し、Teamily AIは「常にチャットにいる存在」に近い感覚です。両者はOpenClawのスキルをTeamily上で活用できるため、競合というより補完関係にあります。