Microsoft 365 Copilotの新機能「Cowork」が、業務システムとの本格的な連携に踏み出しました。
2026年5月5日、MicrosoftはCopilot Coworkにプラグイン機能を追加しました。Dynamics 365(Sales/Customer Service/ERP)とFabric IQ(Power BI・Microsoft Fabric)との接続が可能になり、AIエージェントが業務データを参照しながら自律的に動く環境が整いつつあります。
この記事でわかること:
- Copilot Coworkとは何か、通常のCopilotとの違い
- 今回追加されたプラグインの種類と各プラグインでできること
- プラグインの有効化手順(管理者向け)
- 利用条件と今後の拡張予定
https://learn.microsoft.com/en-us/microsoft-365/copilot/cowork/cowork-available-plugins
Copilot Coworkとは何か
Copilot CoworkはMicrosoft 365 Copilotに追加された「作業を完結させる」AIエージェントです。
通常のCopilotは「質問に答える」ツールですが、Coworkは複数ステップの処理を自律的に実行します。「先週の商談を確認して要約を作る」「未解決サポートケースを集計してレポートにする」——こうした複数ツールをまたぐ作業をユーザーが指示するだけで完遂します。
2026年3月30日からMicrosoftの公式プレビュープログラム「Frontier」参加者向けに提供が始まり、5月5日のアップデートで外部業務システムとつながるプラグイン機能が加わりました。
追加されたMicrosoftネイティブプラグイン
現在利用できるのは、Microsoftが提供する4種類のネイティブプラグインです。
Dynamics 365 Sales
CRMデータに直接アクセスします。リード・商談・取引先・販売パイプラインのデータをCoworkから照会・更新できます。「今週クローズ予定の商談を一覧にして」という自然言語の指示だけで、CRMを手動で開かずにリストを出せます。
Dynamics 365 Customer Service
サポート業務のデータに接続します。ケース管理、ナレッジ記事の参照、サポートワークフローの操作ができます。未解決ケースの優先度付けや対応履歴の確認が自然言語で完結します。
Dynamics 365 ERP
財務・サプライチェーン・業務フローのデータにアクセスします。在庫状況の確認、受発注の照会、財務データの取り出しをCoworkから実行できます。
Fabric IQ
Microsoft FabricおよびPower BIと接続します。Fabricワークスペース内のデータセットをクエリしたり、レポートを生成したり、BIインサイトをCoworkのワークフロー内で取得したりできます。既存のPower BIダッシュボードのデータをそのままAIの判断材料として使える点が特長です。
Dynamics 365の各プラグインはMicrosoft Entra ID認証が必要です。プラグイン追加後の初回サインイン時に接続先の環境を選択します。
プラグインの有効化手順
管理者がMicrosoft 365管理センターから以下の手順で設定します。
- Microsoft 365管理センターにサインイン
- 「Copilot」→「Agents」→「All agents」を開く
- 追加したいプラグインを選択して有効化する
プラグインはMicrosoft 365 App Storeで提供されており、他のアドインと同じ流れで組織全体に展開できます。
カスタムプラグインとサードパーティ連携
自社固有のシステムには、カスタムプラグインを構築して接続できます。MicrosoftはMCPサーバー形式でのプラグイン開発をサポートしており、既存のMCPサーバーをCoworkプラグインとして組み込む形式です。
サードパーティの連携先として、LSEG(London Stock Exchange Group)、Miro、monday.com、S&P Global Energyとのコネクタが近日提供予定です(参考)。
利用条件
Copilot Coworkのプラグイン機能は現在、Frontierプレビュープログラムの参加者のみ利用できます。Frontierは最新機能を先行体験できるMicrosoftの公式プログラムです。参加申し込みはMicrosoft 365管理センターの「Copilot」→「Settings」→「Frontier」から行えます。
プレビュー段階のため、機能の変更や廃止が生じる可能性があります。本番業務への導入前に動作検証を行うことを勧めます。
まとめ
Copilot CoworkへのDynamics 365・Fabric IQプラグイン対応により、Microsoft 365 CopilotはCRMや財務データと直接つながるエージェントとして動き始めました。業務システムを横断して作業を完結させる基盤に近づいています。
Dynamics 365やPower BIをすでに使っている組織は、Frontierへの早期参加を検討する価値があります。利用可能なプラグインの一覧はMicrosoft Learnの公式ドキュメントで確認できます(Available plugins for Copilot Cowork)。