2026年6月初旬、AI情報発信者のRafael Estrela氏(@TextoCriativo)が、統合AIプラットフォーム「GlobalGPT」でGLM 5.1とGemini 3.5 Flashの提供が始まり、無料で試せると告知しました。あわせて、漫画風キャラクター、広告、ダンス、ランニングなど複数スタイルのAI動画が作れる用途例も紹介されています。

この記事では、告知の内容と、2つのモデルがそれぞれ何を得意とするのか、GlobalGPT上で動画生成とどう関係するのかを、公式情報に基づいて整理します。

この記事でわかること

  • GlobalGPTでのGLM 5.1・Gemini 3.5 Flash提供の告知内容
  • GLM 5.1とGemini 3.5 Flashの公式な位置づけと違い
  • GlobalGPTで動画を作るときに使うモデルの実態
  • 無料試用と公式チャネル利用の使い分け

https://www.glbgpt.com/

GlobalGPTでの提供開始が意味すること

2026年6月2日付のX投稿では、次の趣旨が示されています(元投稿)。

  • GLM 5.1とGemini 3.5 FlashがGlobalGPTで利用可能になった
  • 無料で試用できる
  • 動的な漫画キャラ、鮮やかな広告、エネルギッシュなダンス、独自スタイルのランニング動画など、AI動画の具体例が挙げられている

GlobalGPTは、Future Share LLCが運営する複数モデル統合型のWebサービスです。サイト上では、GPT-5.5、Claude Opus 4.7、Gemini 3.1 Pro、DeepSeek V4 Pro、Sora 2、Veo 3.1など100以上のモデルへ1アカウントでアクセスできると説明されています。新しいフロンティアモデルは、公開からおおむね48時間以内に追加される方針も掲げられています。

今回の告知は、Zhipu AI(Z.ai)やGoogleが直接GlobalGPTを運営した発表ではありません。第三者が各社のAPI等を束ねた上で、新モデルを早く試せるようにした、という位置づけです。利用条件(クレジット消費、無料枠の上限、対応地域)はGlobalGPTのプラン表示で確認する必要があります。

GLM 5.1は「長時間のエージェント開発」向け

https://z.ai/blog/glm-5.1

GLM 5.1は、Z.ai(智譜AI)が2026年4月に公開したフラッグシップモデルです。公式ブログでは「エージェント工学(agentic engineering)」向けの次世代モデルと位置づけられ、コーディング、リポジトリ生成、ターミナル作業のベンチマークでGLM 5より大きく改善したと説明されています。

特徴的なのは、1つのタスクに対して最大約8時間、自律的に計画・実行・反復改善を続けられる点です。公式では、ベクトルDBの最適化で600回超の提出を重ねて性能を伸ばした例や、KernelBench Level 3で長時間のツール呼び出しを続けた例が示されています。SWE-Bench Proでは58.4%と、公式に掲載された比較表では同ベンチの上位グループに入る数値が示されています。

ライセンスはMITで、Hugging FaceとModelScopeで重みが公開されています。Claude CodeやOpenClawとの互換も謳われ、api.z.aiやBigModel.cnからAPI利用できます。GLM Coding Planユーザーは、設定でモデル名をGLM-5.1に切り替えて利用開始できると案内されています。

一方、GLM 5.1は動画生成モデルではありません。公式ドキュメントやモデル比較の説明では、テキスト中心のエージェント・コーディング用途が主です。漫画風動画やダンス動画の生成そのものをGLM 5.1が担う、という意味ではない点に注意が必要です。

Gemini 3.5 Flashは「エージェントとコーディング」の高速版

https://blog.google/innovation-and-ai/models-and-research/gemini-models/gemini-3-5/

Gemini 3.5 Flashは、Googleが2026年5月19日のGoogle I/Oで発表したGemini 3.5ファミリーの第一弾です。Google公式ブログでは、エージェントとコーディングにフロンティア級の性能を、Flashシリーズに慣れた速度で提供するモデルと説明されています。

ベンチマークとして、Terminal-Bench 2.1で76.2%、MCP Atlasで83.6%、GDPval-AAで1656 Eloなどが掲げられています。マルチモーダル理解(CharXiv Reasoning 84.2%)も強調され、画像・音声・動画・PDFを入力に含められる点がGemini APIのモデルカードでも示されています。コンテキストは最大約100万トークン、出力は最大65,536トークンです。

提供先は広く、Google Antigravity、Gemini API(Google AI Studio)、Android Studio、Gemini Enterprise、Geminiアプリ、SearchのAI Modeなどで一般提供(GA)されています。エージェント向けのサブエージェント展開、長時間タスク、反復的なコーディングループを想定した設計です。

動画の「生成」は、別モデルのGemini Omni Flashが担います。Google公式では、Omniはテキスト・画像・音声・動画を入力に取り、会話しながら動画を生成・編集するモデルファミリーと説明されています。Gemini 3.5 Flashは動画を読んで推論・エージェント処理する用途と、Omni Flashは動画を出力する用途で、役割が分かれています。

GlobalGPTで動画を作るときの実態

https://www.glbgpt.com/video

告知で触れられている「AI動画」は、GlobalGPTの動画生成機能に対応します。GlobalGPTの動画ページでは、Sora 2、Veo 3.1、Kling 3.0、Runway Gen 4 Turbo、Wan 2.6、Luma Ray 2など、動画専用モデルが並んでいます。テキストから動画、画像から動画、動画から動画といったモードがモデルごとに異なります。

トップページの説明でも、マーケティング動画、SNS向けコンテンツ、プロトタイプ用途向けに、Sora 2やVeo 3.1などを使う流れが紹介されています。ビジュアルエフェクト(スーパーヒーロー風、ダンス、キスシーンなど)のテンプレートも用意されており、告知の「ダンス動画」「漫画キャラ」といった例は、この動画スタックと相性がよい使い方です。

GLM 5.1やGemini 3.5 Flashは、主にチャット・推論・コーディング・調査の文脈で価値があります。例えば、Gemini 3.5 Flashでプロンプトや台本を作り、Veo 3.1やKlingで映像化する、といった組み合わせが現実的です。1つのモデル名だけで、告知画像のような動画がそのまま出るわけではない、という理解が重要です。

無料試用と公式利用の使い分け

告知の「無料で試す」は、GlobalGPT側のトライアルやクレジット施策を指します。GLM 5.1を公式に使う場合は、Z.aiのAPI・Coding Plan・ローカル推論(vLLM、SGLang)が選択肢です。Gemini 3.5 Flashは、Google AI StudioやGeminiアプリからも利用できます。Google公式ブログでは、GeminiアプリとSearchのAI Modeへの展開も明記されています。

第三者プラットフォームを使う利点は、複数ベンダーのモデルを1画面で切り替えられることです。月額プラン(サイト上ではBasicが月あたり換算で5.8ドルから、など)とクレジット制が併記されています。欠点として、各社公式の無料枠・データ取扱い・機能追加タイミングと一致しない場合がある点は押さえておくべきです。

動画まで含めて試すなら、GlobalGPTで動画モデルを選び、台本や指示文の作成にGLM 5.1やGemini 3.5 Flashを使う二段構成が、告知の意図に近い使い方です。エージェント開発や長時間コーディングの検証が目的なら、GLM 5.1はZ.ai公式、Gemini 3.5 FlashはGoogle AI Studioで直接触る方が、仕様変更やログの追跡がしやすい場合もあります。

押さえるべき3点

第一に、今回の話題は「2つの新モデルがGlobalGPTに載った」という統合プラットフォームの更新です。Z.aiやGoogle単体の発表日(GLM 5.1は2026年4月、Gemini 3.5 Flashは2026年5月)とは切り分けて見ます。

第二に、GLM 5.1は長時間エージェント・コーディング、Gemini 3.5 Flashは高速なエージェント・コーディング・マルチモーダル理解が主戦場です。動画生成の本体は、Google側ではGemini Omni Flash、GlobalGPT側ではVeoやKlingなどの動画モデルです。

第三に、告知の動画例は「GlobalGPTで何が作れるか」のデモとして読むのが適切です。最新のチャットモデルを早く触り、同じアカウントで動画まで試したい場合に、GlobalGPTの無料トライアルは有力な入口になります。本番のエージェント開発やAPI連携では、各社公式チャネルで料金・データ保持・SLAを確認したうえで選ぶのが安全です。