外部のLLMをUnity Editorにそのまま接続し、AIエージェントをプロジェクト内で動かせるようになりました。
この記事でわかること
- Unity AIベータで追加されたLLM連携の全体像
- AI GatewayとMCPサーバーの違いと使い分け
- 対応エージェントとAPIキー設定の手順
- 料金体系とクレジット消費の区別
2026年6月12日、Unity for Gamesの公式Xアカウントが新機能を告知しました。キャッチコピーは「Your tools. Your models. One editor.」で、開発者が持つLLMと外部スタックをUnity Editor内に持ち込み、自分のAPIキーで制御できる点を前面に出しています。
Unity AIベータで何が変わったか
Unity AIは、ゲーム開発向けにチューニングされたエディタ内AIアシスタントです。2026年1月にリニューアルされたベータでは、エージェント機能の強化に加え、外部AIツールとの接続基盤が整いました。
中核は3つです。
- Unity AI Assistant:Unity専用のエージェント。シーンやGameObjectを理解し、コード生成やデバッグを担う
- AI Gateway:Claude CodeやCodex CLIなど、サードパーティのコーディングエージェントをEditor内のAssistantウィンドウから動かす仕組み
- Unity MCPサーバー:Model Context Protocol(MCP)を通じて、CursorやClaude Codeなど外部のAIクライアントからUnity Editorを操作するブリッジ
MCPは、AIエージェントと外部ツールを標準化された方法で接続するオープンプロトコルです。UnityはMCPサーバーとして振る舞い、シーン管理やスクリプト編集、コンソール出力の読み取りといったEditor操作をツールとして公開します。
なぜ外部LLM連携が重要か
ゲーム開発では、汎用チャットボットにプロジェクトフォルダを読ませるだけでは不十分な場面が多いです。実行中のUnity Editorの状態、シーン上のオブジェクト配置、コンソールエラーの文脈をAIが直接参照できなければ、提案の精度は上がりません。
Unity MCPは、EditorをMCPサーバーとして公開し、リレーバイナリ(~/.unity/relay/)がAIクライアントとEditor間の通信を中継します。AI Gatewayは、Assistantウィンドウ内でサードパーティエージェントを選択し、プロンプトをそのエージェントにルーティングする統合ハブです。
どちらも開発者自身のAPIキーで認証するため、使いたいモデルとコストを自分で選べます。公式ドキュメントによると、AI Gateway経由のサードパーティエージェント利用とMCPサーバー利用は、Unityクレジットを消費しません。Unity標準のAssistantモデル(Unity Lite / Default / Ultra)を使う場合のみ、クレジットが消費されます。
対応エージェントと接続方法
AI GatewayがサポートするCLIベースのコーディングエージェントは以下のとおりです。
| エージェント | 備考 |
|---|---|
| Claude Code | 2.1.45以降。ANTHROPIC_API_KEYが必要 |
| Cursor CLI | 2026.02.13以降。別途インストールが必要 |
| Codex CLI | Unity同梱版を使用。OPENAI_API_KEYが必要 |
| Gemini CLI | Unity同梱版を使用。GEMINI_API_KEYが必要 |
AI Gatewayの設定は、Unity Editorの Unity > Settings > Preferences > AI > Gateway から行います。エージェントを選択し、環境変数にAPIキーを登録すれば、Assistantウィンドウのエージェントセレクターから切り替えられます。
外部IDEから接続する場合は、Unity MCPサーバーを使います。Editor起動時にMCPブリッジが自動起動し、外部クライアントはリレーバイナリ経由で接続します。直接接続はProject Settingsで承認が必要ですが、AI Gateway経由の接続は自動承認されます。
利用条件と料金
Unity AIの利用には、Unity 6.0以降のEditorとAssistantパッケージ(com.unity.ai.assistant)のインストール、Unity Cloudプロジェクトへのリンクが必要です。2026年版ベータの新機能を使う場合は、Unity 6.3以上が必要と公式フォーラムで案内されています。
料金は次のとおりです。
- Personal:14日間の無料トライアルで1,000クレジット。以降は月額10ドルで月1,000クレジット
- Pro / Enterprise / Industry:既存のサブスクリプションにUnity AI機能とクレジットが含まれる(Proは月2,000、Enterpriseは月3,000クレジット)
AI GatewayとMCPサーバーへのアクセスには、対象プランでのシート割り当てが必要です。Generative系のGenerators(スプライト、3Dモデル、UI Toolkitレイアウトなど)とは別に、外部エージェント連携は「持ち込み型」のワークフローとして位置づけられています。
既存ツールとの違い
Unity Sentisはランタイムでニューラルネットワークモデルを実行するためのエンジンで、今回のLLM連携とは役割が異なります。Sentisは推論の実行基盤、Unity AI AssistantとAI Gatewayは開発時の対話・自動化、MCPサーバーは外部IDEとの橋渡しです。
また、廃止されたUnity Museとは別製品です。Unity AIはサードパーティモデルを活用する新しいプロダクトラインとして再編されています。
開発者が押さえるべき注意点
ベータ段階のため、動作や仕様は更新される可能性があります。AI生成アセットにはメタデータでAI生成フラグが付与され、ストア申告や利用権の確認は開発者の責任となります。変更はUndoで取り消せ、エージェントの自律度はパーミッション設定で制御できます。
デフォルトではユーザーデータはサービス提供のみに使われ、AIモデルの学習には使われません。データ共有はDashboardからオプトインできます。
外部LLMをEditor内に持ち込めることで、ゲーム開発の文脈を理解したAIエージェントを、使い慣れたツールのまま活用できる環境が整いつつあります。Unity 6ユーザーは、公式サイトからベータに参加し、自分のAPIキーで接続を試せます。
