Anthropicが常時稼働のAIエージェントを、ClaudeのLabs枠で届ける動きが見えてきました。2026年6月12日、TestingCatalogは「Claude Convey Agent」がClaude Designと同様のLabsプロジェクトとして公開される予定だと報じています。内部コードネームはConwayで、リモートコンテナ上で動く管理型エージェント(Managed Agent)として設計されています。
この記事でわかること
- Claude Convey Agent(Conway)がLabs公開される見込みと、Claude Designとの位置づけの違い
- リモートコンテナで動く管理型エージェントとして何が変わるか
- カスタムUIタブやプラグインで拡張できる設計の中身
- 現時点で判明している機能と、未発表である点
Claude Convey Agentとは
Claude Convey Agentは、Anthropicが開発中の常時稼働エージェントの製品名(Labs名)です。TestingCatalogのX投稿(2026年6月12日)では、Claude Designと同様にAnthropic Labsから届くプロジェクトになるとされています。製品内部ではConwayというコードネームが使われており、Claudeの通常チャットとは別タブで開く専用環境として実装が進んでいます。
TestingCatalogがアプリのコード解析で確認したUIでは、ConwayインスタンスにSearch・Chat・Systemの3領域があり、常時接続型のエージェント基盤を想定した構成になっています。Anthropicは公式に発表しておらず、公開時期も未確定です。2026年4月にコードが誤って同梱された件について、Dataconomyの報道ではAnthropicが「リリースパッケージの人的ミスであり、セキュリティ侵害ではない」と説明したとされています。
リモートコンテナで動く管理型エージェント
Conwayの中核は、AnthropicがAPI向けに提供するClaude Managed Agentsの考え方に沿った設計です。Managed Agentsは、エージェントの実行ループ・ツール実行・ランタイムをAnthropic側が担う仕組みで、開発者はモデル・システムプロンプト・ツール構成を定義するだけで長時間タスクを任せられます。
公式ドキュメントでは、実行場所を「Agent(頭脳)」「Environment(作業環境)」「Session(実行単位)」「Events(やり取り)」の4概念で整理しています。EnvironmentはAnthropic管理のクラウドサンドボックスか、自社インフラ上のセルフホストサンドボックスを選べます。エンジニアリングブログでは、頭脳と手(コンテナ)を分離することで、コンテナ起動を待たず推論を始められる設計だと説明されています。
TestingCatalogの6月12日の投稿は、Conwayがリモートコンテナ上で動くManaged Agentであることを明示しています。ユーザー側はコンテナのライフサイクル管理やモデル選択、ツール呼び出しの権限設定までUIから行える想定で、iOSビルドにもWebと同等の設定画面が入り始めていると報じられています。
カスタムUIタブとプラグインで拡張
開発者にとって実用性が高いのが、拡張機能の設計です。TestingCatalogの解析では、Conwayの設定画面「Manage your Conway instance」にExtensions領域があり、カスタムツール・UIタブ・コンテキストハンドラをインストールできる仕組みが用意されています。拡張パッケージは.cnw.zip形式で、ドラッグ&ドロップで追加できるUIが見えています。
2026年6月12日の投稿では、Conway向けに「異なるカスタムUIタブとプラグイン」を導入できると改めて触れられています。Web版サイドバーには「Installed」「Built-in」セクションも追加されており、拡張ごとに独立したミニアプリ画面を載せるランチャー型のUIに発展しつつあるとTestingCatalogは分析しています。ダッシュボードや運用監視パネル(ミッションコントロール)のような用途を、パッケージとして共有・再利用できる方向性です。
既存のClaude Codeプラグイン(skills・agents・hooks・MCPサーバー)とは別レイヤーで、常時稼働エージェント専用の拡張フォーマットをAnthropicが用意しようとしている点がポイントです。Skillsが会話内の専門知識を足す仕組みなら、Conway拡張はエージェント環境そのものにUIと操作面を載せる設計と読めます。
外部連携とClaude Codeとの接続
Conwayはチャット単体にとどまりません。TestingCatalogの報道によると、Webhook用の公開URLで外部サービスからインスタンスを起動でき、Claude in Chromeとの直接接続トグル、通知送信、Connectors and Toolsによるクライアント連携も設定画面に含まれています。Claude CodeをConwayインスタンス内で動かせる設計も確認されており、コード編集・実行を常時稼働環境に組み込む意図がうかがえます。
別途、2026年6月10日のTestingCatalog報道では、Claude CodeからAnthropicのManaged Agentsプラットフォーム上のクラウドエージェントを選んで指示を出す配線も開発中とされています。現時点では未接続ですが、スマートフォンから専用エージェント群を起動する流れは、Coworkのタスク委譲やClaude Code on the webの延長線上にあります。
Claude Designと並ぶLabs枠の意味
Claude Designは2026年4月17日にAnthropic Labsからresearch previewとして公開されました。Pro・Max・Team・Enterprise向けに段階的ロールアウトされ、claude.ai/designで利用できます。Labs製品は実験的な位置づけで、正式GA前にユーザー検証を重ねる枠です。
Convey Agentも同じLabs経由になる見込みです。Designがビジュアル制作とClaude Codeへのハンドオフを担うのに対し、Convey Agent(Conway)は常時稼働・外部イベント駆動・拡張可能なエージェント基盤を担う、という棲み分けが想定されます。TestingCatalogは「想定以上に大きい可能性がある」と述べており、単なるチャット機能追加ではなく、Claudeをプラットフォーム化する一手だと位置づけています。
現時点で押さえる注意点
まず、Claude Convey Agentは未発表・未リリースです。コードネームConwayが製品名に変わる可能性もTestingCatalog自身が指摘しています。.cnw.zip拡張やWebhook、Epitaxy UIとの統合など、報道ベースの機能はビルドごとに変わり得ます。
次に、Managed Agents APIはベータ段階で、セッションはサーバー側に状態を保持する設計です。公式ドキュメントではZero Data RetentionやHIPAA BAAの対象外と明記されています。Conwayが一般ユーザー向けに届く場合、エンタープライズ向けのデータ保持ポリシーが別途説明されるはずです。
それでも方向性は明確です。Anthropicは対話型チャットから、コンテナ上で動き続けるエージェントへ製品ラインを広げています。拡張パッケージでUIまで差し替えられる設計は、OpenClawのようなコミュニティ実装で先行していた「カスタムUI付きエージェント運用」を、Claude公式の配布形式に落とし込む試みと言えます。Labs公開が始まれば、開発者はまず拡張フォーマットの仕様と、Managed Agent環境への接続方法を確認するのが実務的な第一歩になるでしょう。


