OpenAIが2026年4月20日、Mac版Codexに「Chronicle」を追加しました。バックグラウンドで画面をキャプチャし続け、「さっきのエラー」「数週間前のあの実装」といった曖昧な指示でも正確に文脈を補完します。

この記事でわかること

  • Chronicleとは何か、既存のメモリ機能とどう違うか
  • 有効化の手順と必要な権限
  • プライバシーとAPIレート制限の注意点

Codexのメモリ機能に何が足りなかったか

Codexにはもともとメモリ機能があります。ユーザーが手動で登録した情報を保持し、次の会話に引き継ぐ仕組みです。

ただし、「今開いているファイル」「直前のターミナルエラー」「数週間前に触ったコード」といったリアルタイムの作業文脈は自動では記憶されません。毎回プロンプトに貼り付けて説明する必要がありました。

Chronicleはその手間を取り除くために設計された機能です。

Chronicleの動作原理

Chronicleはバックグラウンドエージェントとして動作し、定期的にスクリーンキャプチャを撮影してメモリを生成します。macOSのスクリーン録画権限とアクセシビリティ権限を使って動作します。

生成されたメモリはユーザーがいつでも確認・編集・削除できます。OpenAIが「’これ’や’あれ’が何を指すか、より正確に理解できるようになる」と説明するとおり、文脈依存の指示に強くなります。

主な機能は以下のとおりです。

  • 画面コンテンツの自動記憶: スクリーンキャプチャからメモリをリアルタイム生成
  • 作業パターンの蓄積: ワークフロー、使用ツール、繰り返すプロジェクトを継続的に学習
  • メモリの透明性: 記憶された内容をユーザーが閲覧・変更可能
  • プロンプトの簡略化: 文脈の説明を省いて一言で指示できる

既存のメモリ機能が「自分で登録した情報の保持」なのに対し、Chronicleは「作業の流れを自動的に観察して記憶する」点が本質的な違いです。

有効化の手順

Chronicleは現在、Codex Proサブスクリプション向けの研究プレビューとして提供されています。

  1. Codexの設定を開く
  2. 「パーソナライゼーション」に移動する
  3. 「メモリ」を有効にする
  4. 「Chronicle」を有効にする
  5. macOSのスクリーン録画権限とアクセシビリティ権限を付与する

設定後はバックグラウンドで自動的に動作します。メニューバーのアイコンからいつでも一時停止・停止が可能です。

使う前に知っておくべきこと

プライバシー: 撮影したキャプチャはデバイス上に一時保存されます。会議中や機密情報を扱う際は、メニューバーから随時停止することを推奨します。

APIレート制限の消費: OpenAI自身が「現在の設計ではAPIレート制限を急速に消費する可能性がある」と明言しています。Codex Proを頻繁に使うユーザーは上限に達しやすくなるため、使用量に注意が必要です。

研究プレビュー段階であることを踏まえると、日常的な開発作業での本格運用より、機能の確認と評価を目的とした試用に向いた段階といえます。

まとめ

ChronicleはCodexを「都度説明が必要なAI」から「作業の流れを自然に把握するAI」へ変えます。プログラミング中に「さっきのエラーを直して」と一言で伝えられる体験は、開発効率に直結します。Codex Proユーザーであれば、設定から数分で試せるため、まずチェックする価値があります。