AIエージェントがデプロイを担うワークフローが、実運用に入り始めている。

この記事でわかること:

  • Railwayが公開したリモートMCPサーバーの概要と接続方法
  • 新CLIコマンド railway agent の使い方と主なユースケース
  • ツール数を7つに絞った設計思想とその背景

何が変わったか

2026年4月17日、Railwayはリモート型MCPサーバーと新CLIコマンド railway agent を同時リリースしました。

MCP(Model Context Protocol)とは、AIエージェントが外部サービスを操作するための標準プロトコルです。これまでもRailwayはローカルMCPサーバーを提供していましたが、今回のリモートMCPはクラウド上でホストされており、インストール不要でエージェントから接続できます。

エージェント時代のPaaSに求められること

Claude CodeやCursor、Codexといったエージェントが開発ワークフローの中心に入ってきたことで、デプロイ先のプラットフォームも「エージェントから操作される」ことを前提とした設計が求められるようになっています。

Railwayはこれを受け、「エージェントが走るためのレールを整備する」という方針でリモートMCPとCLI Agentを並行してリリースしました。目指しているのは、デプロイやインフラ管理の複雑さをエージェントに任せ、開発者が本来の作業に集中できる環境です。

リモートMCPサーバー:設定だけで使える

https://mcp.railway.com

リモートMCPサーバーは mcp.railway.com でホストされています。初回接続時にブラウザでOAuth認証を行うだけで使い始められます。Railway CLIのインストールも、設定ファイルへのトークン記録も不要です。

対応クライアントは Claude、Cursor、Codex、GitHub Copilot、Droid、OpenCode など、MCPに対応した任意のエージェントです。

Claude Codeへの追加

claude mcp add railway --transport http https://mcp.railway.com

Cursorへの追加

.cursor/mcp.json に以下を追記します。

{
  "mcpServers": {
    "railway": {
      "url": "https://mcp.railway.com"
    }
  }
}

他のクライアント向け設定は mcp.railway.com のセットアップページから一クリックでコピーできます。

接続後にできることの例を挙げます。

  • 「自分のRailwayプロジェクトと各サービスを一覧表示して」
  • 「checkout-serviceという名前の新しいプロジェクトを作って」
  • 「Railway Agentを使ってバックエンドサービスがデプロイ時にクラッシュする原因を調べて」

最後の例のように複雑なタスクは railway-agent ツール経由でRailwayのAI Agentに委譲され、ログの参照や設定の確認などを内部でまとめて実行してから結果を返します。

CLIの新コマンド railway agent

Railway CLIを最新版に更新すると railway agent が使えるようになります。ターミナルから自然言語でRailwayを操作するためのコマンドです。

# 対話セッションを開始
railway agent

# ワンショットでの質問
railway agent -p "バックエンドサービスのメモリとCPU使用量を表示して"

# 環境変数の設定とDB追加
railway agent -p "このプロジェクトにPostgresを追加してAPIサービスにDATABASE_URLを設定して"

# JSON出力でパイプ処理に使う
railway agent -p "サービスの一覧と状態を表示" --json | jq '.toolCalls'

--thread-id オプションで前の会話スレッドを引き継げます。CI環境でも動作し、ユーザートークンのスコープ内でのみ操作が実行されます。

ツール数を7つに絞った設計思想

リモートMCPが公開しているツールは現在7つです。

ツール名 役割
whoami 認証ユーザーの確認
list-projects プロジェクト一覧の取得
create-project 新規プロジェクト作成
list-services サービス・環境の一覧取得
redeploy サービスの再デプロイ
accept-deploy ステージング変更の確定・デプロイ
railway-agent Railway AI Agentへのタスク委譲

ブログ公開時点では9ツールだったものを、すでに2つ削減しています。

ツール数を絞る理由は「コンテキストのコスト」です。MCPサーバーが公開するすべてのツール定義はクライアントのプロンプトに毎回含まれます。ツールが多いほどコンテキストウィンドウを圧迫し、モデルのツール選択精度も下がります。

複雑な操作は railway-agent ツール一つに集約し、内部では複数ステップを実行してから1つの回答として返します。クライアントのコンテキスト消費は1往復分で済み、Railwayが内部のAgentを改善するたびに全クライアントが自動的に恩恵を受けます。

ローカルMCPとの違い

以前から提供されているローカルMCPサーバーはRailway CLIに依存してマシン上で動作します。リモートMCPとの主な差は以下の通りです。

  • リモートMCP:クラウドホスト、OAuth認証のみ、CLIインストール不要
  • ローカルMCP:ローカル動作、Railway CLIが必要

どちらも並行してメンテナンスされます。既存のローカルMCP設定をそのまま維持することも可能です。

まとめ

リモートMCPと railway agent の両機能は同一のバックエンド(Railway AI Agent)に接続されており、将来のAgent改善が両方の窓口に自動で反映されます。現時点ではパブリックテスト段階のため、フィードバックを受け付けています。

まず試すなら mcp.railway.com にアクセスし、使っているエディタに合わせた設定をコピーするだけです。