動画編集の常識が変わりつつあります。自然言語で指示を出すだけで、素材収集から字幕・BGM・ナレーションまでを自動で仕上げるAIエージェントがOSSで公開されました。
この記事でわかること:
- FireRed-OpenStorylineが解決する課題
- 自然言語で操作できる5つの主な機能
- OpenClaw・Claude Code との連携方法
- インストールの流れ
動画編集を「指示するだけ」に変えるOSS
https://github.com/FireRedTeam/FireRed-OpenStoryline
FireRed-OpenStorylineは、Xiaohongshu(小紅書)の技術チームが開発したAI動画編集エージェントです。2026年2月10日にOSSとして公開され、GitHub上で2,000スターを超えました。Pythonで実装されており、Apache 2.0ライセンスで利用できます。
従来の動画編集ソフトはタイムライン操作を前提とした設計で、素材の切り貼り・BGM設定・字幕調整などの作業を手動でこなす必要がありました。FireRed-OpenStorylineはこのフローを「意図の記述」に置き換えます。「海外旅行の写真から60秒の旅行動画を作って」と入力するだけで、素材収集・ストーリー構成・音楽選定・字幕生成までを自動で処理します。
主な機能
素材の自動検索と取得
テーマに合う画像や動画クリップをネット上から自動で検索・ダウンロードします。取得した素材はシーン分割とコンテンツ理解のうえで編集に使われます。
LLMによるスクリプト生成
映像の内容・感情認識・ユーザーが指定したテーマをもとに、ストーリーラインとナレーション原稿を自動生成します。参考テキストを与えると「Zhongcao風」「ユーモア調」など特定のコピースタイルを模倣する Few-shot 転移にも対応しています。
BGM・ナレーション・フォントの自動推薦
映像の雰囲気に合わせてBGMをビートに同期しながら推薦します。「落ち着いた」「感情的な」「ドキュメンタリー風」など、トーンを自然言語で指定するとナレーション音声とフォントも自動で選ばれます。
会話形式の修正
クリップの差し替え・並べ替え・字幕編集・フォント色の変更といった操作をすべてテキストプロンプトだけで行えます。「最初のクリップを別の映像に差し替えて」と送信するだけで反映されます。
編集スキルのアーカイブ
完成した編集フロー全体を「スキル」として保存し、次回から素材だけ差し替えてワンクリックで同じスタイルを再現できます。量産が必要な投稿向けに有効な機能です。
OpenClaw・Claude Code との連携
FireRed-OpenStorylineは2種類のエージェントスキルを提供しており、OpenClawまたはClaude Codeから直接操作できます。
OpenClaw からの利用
OpenClawに「OpenStorylineを試したい、スキルをインストールして」と送信するだけで自動インストールが始まります。手動でインストールする場合は以下を実行します。
openclaw skills install openstoryline-install
openclaw skills install openstoryline-use
Claude Code からの利用
リポジトリのルートディレクトリでClaude Codeを起動するとプロジェクトスキルが自動で読み込まれます。
/openstoryline-install
/openstoryline-use
スキルをグローバル設定に追加したい場合は以下を実行します。
mkdir -p ~/.claude/skills
cp -R .claude/skills/openstoryline-install ~/.claude/skills/
cp -R .claude/skills/openstoryline-use ~/.claude/skills/
Codexなど他の互換エージェントにも、スキルCLIを使って同様にインストールできます。
インストールの流れ
Python 3.11以上の環境が必要です。macOSとLinuxではビルドスクリプトで一括セットアップできます。
git clone https://github.com/FireRedTeam/FireRed-OpenStoryline.git
cd FireRed-OpenStoryline
conda create -n storyline python=3.11
conda activate storyline
sh build_env.sh # Linux/macOS のみ
Windowsでは手動で models.zip と resource.zip をダウンロードして配置した後、pip install -r requirements.txt でライブラリをインストールします。起動はMCPサーバー方式で行い、コマンドラインUIまたはWebUIから利用します。Dockerイメージも提供されており、docker pull openstoryline/openstoryline:v1.0.1 で取得できます。
設定ファイル config.toml に使用するLLMのAPIキーを記載してから起動するのが前提です。
類似ツールとの位置づけ
同じ「会話で動画を作る」領域には、ByteDanceのJimengが開発した「小云雀(Little Oriole)」やSenseTimeの「Seko 2.0」が存在します(参考)。これらはいずれも商用サービスですが、FireRed-OpenStorylineはOSSとしてセルフホスト可能な点が異なります。使用するLLMを自分で選べるため、コスト管理や社内利用に向いています。
直近では2026年4月2日にAIトランジション生成機能が追加されました。前後のクリップの境界フレームとテキスト記述をもとに自然なつなぎ映像を自動生成する機能で、シーン転換をより滑らかにします。なお、この機能は外部のAIGCビデオ生成サービスに依存するため費用が高めになる点は注意が必要です。
まとめ
FireRed-OpenStorylineは、動画編集の操作を「意図の言語化」に置き換えるOSSエージェントです。素材収集・スクリプト生成・BGM選定・字幕編集をひとつの会話フローで完結でき、編集スタイルをスキルとして再利用できる点も実用的です。OpenClawやClaude Codeとの連携によりエージェントから直接呼び出せる設計になっており、自動化ワークフローへの組み込みも容易です。