Waylandコンポジターの世界で、長年最多リクエストを誇ってきた機能がついにメインラインへ統合された。

niri v26.04では、待望のBlur(背景ぼかし)をはじめ、スクリーンキャスト強化や設定柔軟性の向上など、多岐にわたる改善が盛り込まれている。

この記事でわかること:

  • niriとは何か、どんなコンポジターか
  • v26.04で追加されたBlurの仕組みと設定方法
  • スクリーンキャストやIME周りの改善点
  • その他の新機能・バグ修正

niriとは

https://github.com/niri-wm/niri

niriはRust製のスクロール型タイリングWaylandコンポジターだ。ウィンドウは右方向に伸びる無限のストリップ上に列単位で並ぶ。新しいウィンドウを開いても既存のウィンドウがリサイズされない点が特徴で、Hyprlandと並ぶWaylandコンポジターのひとつとして開発者コミュニティに支持されている。

2026年2月にはGitHubスターが2万を突破。今回のv26.04からは個人アカウントではなく というGitHub組織へ移行し、プロジェクトとしての体制が整備された。

最大の追加機能: Blur(背景ぼかし)

GitHubのissueでもっともアップボートされていた機能、Blurがv26.04でついにメインラインへ統合された。

ウィンドウやレイヤーシェルコンポーネントは Waylandプロトコルを通じてblurを要求できる。niri側の設定変更なしに動作するため、対応アプリを入れるだけでblurが有効になる。

2026年4月時点で対応済みのアプリ・ツールキットは以下の通り。

  • Foot v1.26: 設定に を追加
  • kitty v0.46.2: を設定
  • Ghostty: v1.4で対応予定
  • Quickshell: v0.3で対応予定

未対応アプリには、niri設定で個別に適用できる。

Xray blurとnormal blurの違い

niriのblurには2種類ある。

Xray blur(デフォルト)は壁紙のみを透かして表示する方式で、起動時に一度ぼかし処理を行うだけで済む。壁紙が変わらない限り再計算が不要なため、描画コストが極めて低い。

Normal blurはウィンドウ直下のコンテンツをリアルタイムにぼかす方式で、処理コストが高い。layer-ruleで有効にできる。

なお、blurの実装はSmithayのレンダリングアーキテクチャへの大規模リファクタリングを伴うもので、開発に長時間を要した複雑な機能だ。

スクリーンキャスト強化

ウィンドウキャスト中のカーソル表示

これまでウィンドウキャスト時にカーソルが映らなかった問題が修正された。

新実装では、PipeWireのカーソルメタデータモードを使用する。カーソルはビデオフレームに直接描画されるのではなく、座標とアイコンバッファがメタデータとして別途送信される。これにより、OBSの「Show Cursor」トグルが正しく動作するようになった。

ウィンドウキャストでのカーソル表示は、そのウィンドウ(またはポップアップ)にカーソルが乗っている場合のみ表示される仕様で、背後にあるウィンドウのキャストに別ウィンドウのカーソルが映り込む心配はない。

キャストIPC

コマンドで進行中のスクリーンキャストを一覧表示できるようになった。デスクトップバーなどはイベントストリームをサブスクライブすることで録画インジケーターを実装できる。

Optional includes

設定ファイルのオプショナルインクルードがサポートされた。ファイルが存在しなくても設定のロードに失敗しない。

ファイルが存在しない場合はログに警告が出力されるため、見逃しを防ぎつつ柔軟な設定管理が可能だ。なお、ファイルの変更は引き続き監視されており、後からファイルを作成すると自動的に設定がリロードされる。

インクルードパスの がホームディレクトリに展開されるようにもなった。

そのほかの改善

Pointer warping: ビュースクロール中にポインターが画面の反対側へワープする。Blenderと同様の動作で、マウスのみで複数ウィンドウを操作しやすくなった。

Escapeでドラッグ&ドロップキャンセル: ドラッグ中にEscapeキーを押すと操作をキャンセルできる。

IME対応改善: Fcitx5などのIMEを使用している場合、GTK 4のポップアップ内テキスト入力ができない問題が修正された。NautilusでIMEを使ったファイル名変更が動作するようになる。

高Hz マウスのバグ修正: カーソル非表示機能()との組み合わせで速度が低下し続けるバグを修正。

アニメーション修正: unfullscreen/unmaximize時の水平スクロールアニメーションが正しく同期されるようになった。

リリース情報

  • リリース日: 2026年4月25日
  • GitHub: https://github.com/niri-wm/niri
  • リリースノート: https://github.com/niri-wm/niri/releases/tag/v26.04
  • 最低Rustバージョン: 1.85

スクロール型タイリングコンポジターに興味がある場合、v26.04はblurの完成度を含め試し時のリリースといえる内容になっている。