ChatGPTやClaudeに話しかけるたびに「もっと自分専用にカスタマイズしたい」と感じたことはないだろうか。メッセージアプリから操作でき、自分のPCで動き、好きな機能を後から追加できるAIエージェントが登場した。
この記事でわかること:
- OpenClawの概要と既存AIアシスタントとの違い
- TelegramやWhatsAppから使えるしくみ
- スキル追加・MCP・音声対応など主な機能
- インストール方法と最新アップデートの内容
OpenClawとは
OpenClawは、Peter Steinberger氏が開発したオープンソースのAIエージェントです。2025年11月に「Clawd」として週末プロジェクトで始まり、Anthropicの商標問題で「Moltbot」を経て2026年1月に現在の名称に落ち着きました。GitHubスターは2026年3月時点で247,000を超え、GitHub史上でも最速クラスの成長を記録しています。
既存AIアシスタントの限界
ChatGPTやClaudeのようなSaaSのアシスタントは、開発元が提供する機能の範囲でしか使えません。自分の用途に合わせてカスタマイズしたくても、ユーザー側からできることは限られています。また、会話データはサービス側のサーバーに送られるため、プライバシーの観点で懸念を持つユーザーもいます。
OpenClawはこの問題をローカル実行とオープン設計で解決します。
主な機能
メッセージアプリから操作できる
OpenClawの最大の特徴は、Telegram、WhatsApp、iMessage、Discord、Slack、Teams、Google Chatなど、すでに使っているアプリからアシスタントに話しかけられる点です。新しいアプリを入れる必要はなく、いつも使うチャット画面がそのままAIの窓口になります。
MacStoriesのFederico Viticci氏は実際にTelegramでOpenClawを使い、「本物のアシスタントにメッセージを送っている感覚がある」と述べています(参考)。
ローカルで動く・データはすべて手元に
OpenClawは自分のPC上で動作します。設定・メモリ・会話履歴はすべてMarkdownファイルとしてローカルに保存されるため、クラウドサービスへの依存はLLMプロバイダーだけです。構成を直接Finderで確認し、手動で編集することも可能です。
毎日の会話ログは日付ごとのMarkdownノートとして自動生成されます。ObsidianやRaycastで検索したり、Hazelで自動処理したりといった組み合わせにも対応できます。
スキル追加とMCPで機能を拡張できる
OpenClawがほかのAIアシスタントと一線を画す点は「自己拡張」の能力です。やってほしい機能を言葉で伝えると、OpenClawがシェルアクセスとインターネット接続を使って自分でスキルを作成します。
Viticci氏はOpenClawに「TelegramのボイスメッセージをWhisperで文字起こしする機能を追加して」と伝えるだけで、数分後にスキルが追加されたと報告しています。MCP(Model Context Protocol)サーバーを自分でセットアップし、外部サービスとの連携を増やすことも可能です。
Zapierで設定していた定期タスクをOpenClawのcronジョブに置き換えることもでき、RSSフィードを監視してTodoistにプロジェクトを自動作成する処理をクラウドなしで実現した事例も紹介されています。
音声入出力
ElevenLabsのTTSモデルを使った音声応答と、GroqホストのWhisperを使った音声文字起こしを組み合わせることで、ボイスメッセージで話しかけてボイスで返答を受け取る体験を実現できます。日本語と英語の混在入力にも対応しています。
対応モデル
OpenClawはClaude Opus 4.5を始め、Gemini、DeepSeek V4 FlashやV4 Pro、KIMI K2.5、Xiaomi MiMo-V2-Flashなど複数のモデルに対応しています。最新バージョンではDeepSeek V4 Flashがオンボーディング時のデフォルトモデルに設定されています。
インストール方法
https://github.com/openclaw/openclaw
ターミナルで以下のコマンドを1行実行するだけでインストールできます。
curl -fsSL https://openclaw.ai/install.sh | bash
macOS・Linux・Windowsに対応しています。セットアップ後にTelegramなどのメッセージアプリと連携させれば、すぐにエージェントとして動き始めます。詳細な設定方法は公式ドキュメントで確認できます。
最新バージョン v2026.4.24 の変更点
2026年4月24日リリースのバージョンでは以下の更新が含まれています。
Google Meet連携が追加:Googleアカウント認証でGoogle Meetにエージェントが参加し、議事録・出席情報・録音のMarkdown出力に対応しました。
DeepSeek V4が追加:DeepSeek V4 FlashとV4 Proがバンドルカタログに加わり、V4 Flashがオンボーディングのデフォルトモデルになりました。
リアルタイム音声ループ:Talk、Voice Call、Google Meetでフルエージェント(ツール呼び出しを含む)によるリアルタイム音声応答が可能になりました。
ブラウザ自動操作の改善:座標クリックの追加や、タブの再利用・復旧処理の安定化が行われました。
まとめ
OpenClawは「メッセージアプリ + ローカル実行 + 自己拡張」という設計で、これまでのAIアシスタントとは異なる体験を提供しています。自分のPCで動くため、追加したい機能を言葉で指示するだけで拡張でき、データはすべて手元に残ります。
プロジェクト作者のPeter Steinberger氏は2026年2月にOpenAIへ入社し、今後はノンプロフィット財団がプロジェクトの運営を引き継ぐ予定です。コミュニティ主導の開発は継続しており、スキルやプラグインの数は今も増え続けています。