OpenClawが一段と実用的になった。
2026年4月28日、オープンソースAIエージェント「OpenClaw」がv2026.4.26をリリースした。高速推論プロバイダー「Cerebras」の組み込みサポート、他ツールからの設定を丸ごと引き継ぐopenclaw migrateコマンド、ブラウザ上でのGoogle Liveリアルタイム音声、Matrix E2EEチャンネルの暗号化セットアップが加わっている。
この記事でわかること:
- Cerebrasプラグインでどれだけ推論が速くなるか
openclaw migrateでClaude Code / Claude Desktop の設定を移行する手順- Google Live音声セッションをブラウザで使う方法
- Matrix暗号化・エージェント圧縮など他のアップデートの概要
https://github.com/openclaw/openclaw/releases/tag/v2026.4.26
今回のアップデートで何が変わったか
v2026.4.26は「新しいプロバイダーを使えるようにする」「他ツールから移行しやすくする」という2軸が中心だ。Cerebrasプラグインとopenclaw migrateがその代表格で、いずれも開発者の日常的なワークフローに直接刺さる変更になっている。
前バージョンのv2026.4.25ではTTSエンジンの全面再設計とControl UIのPWA化が行われた。今回は音声よりも「どのモデルを使うか」「どこから移行してきたか」に焦点が当たっている。
高速推論プロバイダー Cerebras が組み込みで使える
Cerebrasは独自チップ「Wafer Scale Engine 3(WSE-3)」を使う推論特化のクラウドサービスだ。NvidiaのH100と比べてメモリ帯域が7,000倍あり、LLaMA系70Bモデルで毎秒1,500トークン以上、最大3,000トークン以上の処理速度をGPUクラウドの57倍で実現する(Cerebras公式)。
v2026.4.26ではCerebrasが組み込みプラグインとして追加された。オンボーディング画面・静的モデルカタログ・ドキュメントがプラグインに同梱されており、APIキーを設定するだけで使い始められる。Groqと並ぶ高速推論の選択肢として、応答速度が重要なリアルタイムエージェント用途に向いている。
追加方法はControl UIの「Plugins」から「Cerebras」を検索してインストールするか、CLIで以下を実行する。
openclaw plugins install cerebras
インストール後、Control UIの「Providers」に「Cerebras」が表示される。
openclaw migrate でClaude Code / Claude Desktop の設定を移行
今回のリリースで最も実用的な変更がopenclaw migrateコマンドの追加だ。Claude Code・Claude Desktop・Hermesで使っていた設定をOpenClawに一括で持ち込める。
移行できる内容:
- システム指示・インストラクション
- MCPサーバーの接続設定
- スキル
- コマンドプロンプト
- 対応している認証情報(credentials)
基本的な使い方は以下の通りだ。
# 移行前に対象を確認する(ドライラン)
openclaw migrate --dry-run
# 実際に移行する(バックアップを自動作成してから実行)
openclaw migrate
--dry-runフラグをつけると、実際には何も変更せずに移行される内容のプレビューだけを表示する。移行前に必ずこの確認ステップを踏むことが推奨されている。バックアップは移行実行前に自動で作成される。
Claude Desktopから移行する場合、~/.claude/配下の設定ファイルが自動的に読み込まれる。Claude Codeのインストール済み環境を検出した場合はオンボーディング画面で通知される。
ブラウザで動く Google Live リアルタイム音声セッション
Control UIの「Talk」機能にGoogle Liveブラウザセッションが追加された。これまでのWebRTCを使った音声とは異なり、制約付きエフェメラルトークンとWebSocket接続を使う設計になっている。ブラウザから直接リアルタイム音声でエージェントと会話できる。
バックエンドのみで動くリアルタイム音声プラグイン向けに、Gatewayリレーも同時に追加された。ブラウザがWebRTCにフォールバックしないよう、WebSocketトランスポートへの固定が今回の修正で明示的に行われている。
その他の主なアップデート
Matrix E2EE 暗号化の一括セットアップ
Matrixチャンネルでエンドツーエンド暗号化を使うための新しいCLIコマンドが追加された。
openclaw matrix encryption setup
1コマンドで暗号化の有効化・リカバリーのブートストラップ・検証ステータスの表示までを一気に行える。
エージェント圧縮(Agent Compaction)
長期間動かしているエージェントで会話ログ(JSONL)が大きくなりすぎた場合に自動で圧縮するオプション機能が追加された。agents.defaults.compaction.maxActiveTranscriptBytesで閾値を設定すると、その値を超えた時点で通常の圧縮処理が実行される。大容量のトランスクリプトを丸ごとバイト分割するのではなく、ファイルをローテーションした上で後続のターンを新しいファイルに書き込む方式を採用している。
設定差分パネルの追加
Control UIに「生の設定ファイルの差分を確認するパネル」が追加された。JSON5形式でパースされ、機密情報は開示ボタンを押すまで伏字で表示される。未保存の変更がある状態でパネルを開いても、誤ったコールバックが発火しない修正も含まれる。
まとめ
v2026.4.26はCerebras対応・Claude移行コマンド・Google Live音声・Matrix E2EEと、実運用に直結する変更が並んだリリースだ。特にopenclaw migrateはClaude CodeやClaude Desktopから乗り換えを検討しているユーザーの手間を大きく省く。Cerebrasプラグインは応答速度を重視するエージェントワークフローで即戦力になる。
OpenClawのリリースノート全文はGitHubのリリースページで確認できる。