Vercelにデプロイしたサイトのアクセス数、外出先でサッと確認したいと思ったことはないでしょうか。Verceltics 1.1は、Vercel Web AnalyticsをiPhoneとiPadのネイティブアプリで閲覧できるオープンソースツールです。v1.1ではiPad対応、チャートの全面刷新、買い切りプランの追加など大幅にアップデートされました。

この記事でわかること

  • Verceltics 1.1で追加された主な新機能
  • プロジェクト一覧・チャート・分析画面の使い勝手
  • 料金プランとソースビルドによる無料利用の方法
  • Vercel公式アプリとの違い

Vercelticsとは何か

https://github.com/apoorvdarshan/verceltics

Vercelticsは、Vercel Web Analyticsのデータをモバイルで確認するためのiOS向けネイティブアプリです。開発者のApoorv Darshan氏が個人プロジェクトとして公開しており、MITライセンスのオープンソースです。

Vercel Web Analyticsはプライバシー重視の軽量アクセス解析サービスですが、公式にはモバイル専用アプリが提供されていません。ブラウザからダッシュボードにアクセスする必要があり、移動中の確認には手間がかかります。Vercelticsはこの不便を解消し、ネイティブアプリならではの操作感でデータを閲覧できます。

技術スタックはSwiftUI、Swift Charts、Swift 6で構成されており、サードパーティライブラリへの依存はゼロです。認証トークンはiOS Keychainに保存され、外部サーバーへのデータ送信もありません。

v1.1の主な変更点

2026年4月28日にリリースされたv1.1では、課金モデルの見直しとUI全体の改善が行われています。

ソフトペイウォールへの移行

以前のバージョンではアプリ起動直後に課金が必要でしたが、v1.1ではプロジェクト一覧の閲覧が無料になりました。ファビコン付きのプロジェクトリスト、デプロイ状態の確認、フレームワーク表示まで無料で使えます。課金が必要になるのは、個別プロジェクトのアナリティクス画面を開くタイミングです。

買い切りのLifetimeプラン(59.99ドル)も新たに追加され、サブスクリプションを避けたいユーザーにも選択肢ができました。

チャートの全面刷新

アナリティクス画面のチャートが大幅に改善されています。ピーク値をインジケーターで表示し、平均線を破線で描画する仕組みが加わりました。ドラッグ操作で任意の日付のデータを確認でき、ポイントごとに触覚フィードバックが返ります。グラデーションのストロークとエリア塗りで視認性も向上しています。

ライブデプロイインジケーター

プロジェクト一覧では、直近30分以内にデプロイが行われたプロジェクトに緑色の点滅ドットが表示されます。デプロイ直後のアクセス動向を追いたいときに便利です。フレームワークごとに色分けされたドット(Next.jsは白、Astroはオレンジ、Viteは紫など)も追加されています。

iPad対応

v1.1でiPadレイアウトが正式に導入されました。アダプティブグリッドによるプロジェクト表示と、サイドバースタイルのタブ切り替えに対応しています。全方向の画面回転もサポートされています。

閲覧できるデータ

Vercelticsで確認できる指標は、Vercel Web Analyticsがブラウザ版で提供するものとほぼ同等です。訪問者数、ページビュー、直帰率の概要に加え、ページ別・ルート別・ホスト名別・リファラー別の内訳を表示できます。国別(国旗アイコン付き)、デバイス種別、ブラウザ、OS、イベント、UTMパラメータ、クエリパラメータまで網羅されています。

データはVercel APIからリアルタイムに取得され、プルトゥリフレッシュで更新できます。

料金プラン

プラン 価格 備考
Monthly 4.99ドル/月
Yearly 34.99ドル/年 7日間の無料トライアル付き
Lifetime 59.99ドル 買い切り

App Storeからインストールする場合は上記の料金がかかります。ただしソースコードがMITライセンスで公開されているため、GitHubからクローンしてXcodeでビルドすれば無料で全機能を使えます。Vercelのパーソナルアクセストークンを発行し、アプリに入力するだけで認証は完了します。

セットアップ手順

ソースビルドで利用する場合の手順です。

  1. リポジトリをクローンする: git clone https://github.com/apoorvdarshan/verceltics.git
  2. ios/verceltics.xcodeproj をXcodeで開く
  3. Signing & Capabilitiesで自分のチームを選択する
  4. ビルドして実行する(iOS 18.0以上が必要)

認証にはVercelのパーソナルアクセストークンが必要です。Vercelのアカウント設定(vercel.com/account/tokens)から発行し、アプリのログイン画面に貼り付けます。トークンはiOS Keychainに保存され、外部には送信されません。

Vercel公式モバイルアプリとの違い

App Storeには「Vercel Mobile」というオープンソースのアプリも存在しますが、Vercelticsはアクセス解析に特化している点が異なります。Vercel Web Analyticsのデータを詳細な内訳まで確認できること、Swift Chartsによるインタラクティブなグラフ表示、フレームワーク別の色分けやライブデプロイ表示など、アナリティクス閲覧のための専用設計になっています。

Vercel公式はモバイル向けアナリティクス専用アプリを提供していないため、移動中にアクセス状況をネイティブアプリで確認したい場合はVercelticsが現時点での有力な選択肢です。

まとめ

Vercelticsは、Vercelユーザーがモバイルでアクセス解析を確認するための専用アプリです。v1.1ではソフトペイウォールへの移行でプロジェクト一覧の無料閲覧が可能になり、iPadレイアウトやチャート改善で使い勝手が向上しました。MITライセンスのオープンソースなので、ソースビルドすれば無料で全機能を試せます。Vercelにサイトをデプロイしていて、外出先でのアクセスチェックに手間を感じている方は導入を検討してみてください。