Claude Codeが書いたコードをClaudeにレビューさせると、同じモデルが自分の判断を評価する構造になります。見落としが連鎖しやすく、実装の方向性が誤っていても指摘が出にくい。

「codex-plugin-cc」はOpenAIが2026年3月30日に公開した公式プラグインで、Claude CodeのターミナルからCodexのコードレビュー機能とタスク委任機能を直接呼び出せるようにします。異なる会社のAIエージェントを組み合わせたクロスプロバイダーレビューが、コマンド数本で実現します。

この記事でわかること:

  • codex-plugin-ccの主なコマンドと使い分け
  • インストール手順と必要な環境
  • 「review gate」機能の動作と注意点
  • Codex利用に必要なアカウントの条件

なぜ異なるAIでレビューするのか

ClaudeとCodexは別会社が開発した異なるモデルです。Claude Codeで実装を進めながら、レビューだけCodexに委ねることで、実装者と審査者が異なるチーム構成に近い状態を作れます。同一モデルによるセルフレビューでは見逃しやすい設計上の問題や前提の誤りが、別モデルの視点から浮かびやすくなります。

codex-plugin-ccはGitHubで17,000超のスターを集めており(2026年5月時点)、開発者コミュニティからの評価は高いです。

主なコマンドと使い分け

プラグインをインストールすると、以下のスラッシュコマンドが使えるようになります。

/codex:review — 通常のコードレビュー

現在のコミット前の変更、またはmainブランチとの差分をCodexにレビューさせます。読み取り専用で、コードの変更は一切行いません。マルチファイルの変更は時間がかかるため、--backgroundでの実行が推奨されています。

/codex:review
/codex:review --base main
/codex:review --background

/codex:adversarial-review — 設計を問い直すレビュー

実装の方向性そのものを疑問視するレビューを実行します。キャッシュとリトライの設計が正しかったか、認証の実装に見落としがないか、といった観点で指摘を得られます。フォーカステキストを指定すると、特定のリスク領域に絞ったレビューが可能です。

/codex:adversarial-review
/codex:adversarial-review --base main challenge whether this was the right caching and retry design
/codex:adversarial-review --background look for race conditions

/codex:reviewとの違いは「ステアリング可能かどうか」です。/codex:reviewはフォーカス指定ができない代わりに安定した品質のレビューを返します。設計の方向性に疑問があるときはadversarial-review、実装の細部を確認したいときはreviewと使い分けるのが基本です。

/codex:rescue — タスクをCodexに委任する

Claudeのセッションを中断せずに、特定のタスクをCodexに渡します。テストが落ちた原因の調査、バグ修正の試行、前回のCodexセッションの継続などに使えます。--model--effortを指定することで、用途に応じた速さとコストのバランスを取れます。

/codex:rescue investigate why the tests started failing
/codex:rescue fix the failing test with the smallest safe patch
/codex:rescue --model gpt-5.4-mini --effort medium investigate the flaky integration test
/codex:rescue --background investigate the regression

sparkというモデル名を指定すると、プラグインがgpt-5.3-codex-sparkに自動的にマッピングします。

バックグラウンドジョブの管理

--backgroundで起動したジョブの進捗確認、結果取得、キャンセルをそれぞれ以下で行います。

/codex:status
/codex:result
/codex:cancel

/codex:resultの出力にはCodexのセッションIDが含まれるため、後からcodex resume <session-id>でCodexターミナル上に引き継ぐことも可能です。

インストール手順

必要な環境は2点です。ChatGPT(無料プランを含む)へのサインインまたはOpenAI APIキーと、Node.js 18.18以上です。Codexの利用量はCodex CLIの使用制限に合算されます。

Claude Codeのターミナルで以下を順に実行します。

/plugin marketplace add openai/codex-plugin-cc
/plugin install codex@openai-codex
/reload-plugins
/codex:setup

/codex:setupはCodexのインストール状態と認証状態を確認します。Codexが未インストールの場合はインストールを提案します。Codexがインストール済みだがログインしていない場合は、以下でログインします。

!codex login

すでにCodex CLIを使っている場合は認証状態がそのまま引き継がれるため、追加の設定は不要です。

review gateでClaude停止前に自動レビューを挟む

/codex:setup --enable-review-gateを実行すると、ClaudeがStopする直前にCodexによるレビューが自動で走るようになります。レビューで問題が検出された場合は、Claudeの停止をブロックして先に修正を求めます。

注意点があります。review gateはClaudeとCodexのループを生成するため、長時間動作が続く可能性があります。使用制限を短時間で大量に消費するリスクがあるため、セッション中に継続して監視できる状況に限って有効にするのが推奨されています。

無効化するときは/codex:setup --disable-review-gateを実行します。

デフォルトモデルとeffortの変更

プロジェクト固有の設定はリポジトリルートの.codex/config.tomlで行います。

model = "gpt-5.4-mini"
model_reasoning_effort = "high"

~/.codex/config.tomlに設定すればユーザー全体のデフォルトになります。プロジェクトレベルの設定は、Claudeを起動したディレクトリが「trusted」扱いになっている場合のみ読み込まれます。--model--effortをコマンド時に明示しなければ、Codexが自身のデフォルトを使います。

Claude CodeとCodexを行き来する設計

codex-plugin-ccはローカルのCodexバイナリとCodex app serverを通じて動作します。別のランタイムではなく、同一マシンにインストールされたCodexを呼び出す仕組みです。APIキーやopenai_base_urlの設定もそのまま引き継がれます。

ClaudeとCodexをシームレスに行き来できるこの構成は、「どちらのモデルがコードを書くか」を選ぶ時代から「複数のモデルをどう組み合わせるか」を設計する時代への移行を示しています。