「これが実現する確率は?」と聞いて、気に入ればそのままClaudeに注文を出させる——そんな使い方がOSSで実現している。
polymarket-mcp-server はClaude DesktopとPolymarketを接続するMCPサーバーだ。45種のツールを通じて、予測市場の検索・分析・注文・ポートフォリオ管理をすべて自然言語で操作できる。
この記事でわかること
- Polymarket MCPサーバーが解決する課題
- 5カテゴリ45ツールの内訳
- DEMOモードで試す方法
- 注文制限など安全設計の仕組み
- Claude Desktopへの接続手順
Polymarketとは
Polymarketは「選挙結果」「企業業績」「世界情勢」などの実際の出来事に資金を賭けられる予測市場プラットフォームだ。YES/NOのトークンを売買することで、事象の確率に対する見方を表明し利益を得られる。Polygonブロックチェーン上で決済され、米国の大統領選期間に急速に注目を集めた。
取引にはウォレットが必要で、従来はWebインターフェースまたはAPIを直接叩く方式が主流だった。市場の検索から注文の執行、ポジションの監視まで複数の操作が必要であり、特に複数市場を同時に追う場合は手間がかかった。
MCPサーバーが解決する問題
予測市場の難しさはオペレーションの複雑さにある。有望な市場を見つけ、オーダーブックを分析し、適切なタイミングで指値注文を出し、リアルタイムで変動を監視する。これを手作業で続けるのは非効率だ。
polymarket-mcp-server はMCP(Model Context Protocol)を通じてClaude DesktopをPolymarketに接続する。自然言語の指示がそのままAPIコールに変換されるため、チャット画面だけで一連の操作が完結する。
45ツールの構成
https://github.com/caiovicentino/polymarket-mcp-server
ツールは5つのカテゴリに分かれている。
マーケット検索(8ツール) では、キーワード・カテゴリ・締め切り日時でフィルタリングできる。24時間・7日・30日ごとのトレンド市場一覧も取得可能だ。NBA・NFL・暗号資産など種別ごとの絞り込みにも対応している。
市場分析(10ツール) では、リアルタイムの価格・スプレッド・オーダーブック深度を取得する。複数市場の比較や、BUY/SELL/HOLDを判断するAI分析機能も含まれており、トップホルダーの動向やリスクスコアも確認できる。
取引(12ツール) では、指値・成行のほかに「最良戦略で最大500ドルのYESを買う」といった自然言語の指示をClaudeが解釈して執行する「スマート注文」が使える。バッチ注文の一括送信や、スリッページ保護付きのポジションリバランスにも対応している。
ポートフォリオ管理(8ツール) では、ポジションの追跡・実現/未実現損益の計算・リスク分析・最適化提案を実行できる。保守的・バランス型・積極的の3戦略から選んだポートフォリオ最適化も提供している。
リアルタイム監視(7ツール) では、WebSocketで価格変動や注文状況をリッスンし、指定した変動幅を超えたときにアラートを出す。接続断時の指数バックオフ付き自動再接続も実装されている。
DEMOモードで試す
ウォレットを持っていなくても動作確認できるDEMOモードが用意されている。市場検索・分析・AI分析の機能はDEMOモードでも全て使えるが、注文の実行だけが無効化されている。まずDEMOモードで操作感を確かめてから、本番モードに切り替える流れが推奨されている。
安全設計
実資金を動かすツールとして、注文制限が標準で設定されている。
| 設定 | デフォルト値 |
|---|---|
| 1注文あたりの上限 | 1,000ドル |
| 総エクスポージャー上限 | 5,000ドル |
| 1市場あたりのポジション上限 | 2,000ドル |
| 確認ダイアログが出る金額 | 500ドル以上 |
500ドルを超える注文はユーザー確認が入るため、Claudeが意図せず大きなポジションを取るリスクを抑えている。これらはすべて .env ファイルで変更できる。注文前には流動性・スプレッド・リスクの事前チェックが走る仕組みになっている。
Claude Desktopへの接続手順
Python 3.10以上が必要だ。リポジトリをクローンしてインストールスクリプトを実行すると、Python環境の構築・依存パッケージのインストール・Claude Desktop設定ファイルへの書き込みまでが自動で行われる。
git clone https://github.com/caiovicentino/polymarket-mcp-server.git
cd polymarket-mcp-server
./quickstart.sh # DEMOモード(ウォレット不要)
# 本番モードは ./install.sh
Claude Desktopの設定ファイル(claude_desktop_config.json)には以下の形式で追加する。
{
"mcpServers": {
"polymarket": {
"command": "python",
"args": ["-m", "polymarket_mcp"],
"env": {
"POLYGON_PRIVATE_KEY": "秘密鍵",
"POLYGON_ADDRESS": "0xアドレス"
}
}
}
}
再起動後はClaude Desktopから以下のような指示を送るだけで操作できる。
「過去24時間でトレンドの上位10市場を見せて」
「政府機関閉鎖市場の取引機会をAI分析して」
「YESトークンを[市場ID]で0.65ドルで100ドル分買って」
「Eagles対Packers市場の価格が10%動いたらアラートを出して」
「現在のポジションとP&Lを全部見せて」
まとめ
polymarket-mcp-server は予測市場の取引操作をClaude Desktopから完結させるMCPサーバーだ。45ツールに加えてリアルタイム監視・注文制限・確認フローなど本番運用を意識した設計が揃っており、DEMOモードで試してから資金を入れる構成になっている。ライセンスはMITで、Polymarketへの参入コストを大きく下げるツールとして注目される。