OpenClawリポジトリの保守ボット「ClawSweeper」が v0.2.0 をリリースした。5月3日のこのアップデートでは、issueをもとにCodexが自動でPRを生成する @clawsweeper fix コマンドが追加され、メンテナーの手作業を大幅に減らせる仕組みが整った。
この記事でわかること:
@clawsweeper fixでissueをPRに自動変換する仕組み- PRレビュー出力に含まれる信頼度スコアと詳細情報
- Codexのセキュリティ改善と新しいステータス表示
ClawSweeperとは
ClawSweeperは、OpenClawリポジトリ向けに設計された保守ボットだ。open issueとPRをスケジュール実行でスキャンし、Codexを使って各アイテムのマークダウンレポートを生成する。レポートには判断根拠・証拠・提案コメント・GitHubスナップショットハッシュが含まれる。現在の対象リポジトリは openclaw/openclaw、openclaw/clawhub、openclaw/clawsweeper の3つだ。
重要な設計原則として、ClawSweeperは「提案のみ」モードで動作する。issueやPRを直接クローズするのではなく、クローズ提案を出してメンテナーの承認を待つ。GitHubへの書き込みはApplyレーンが担当し、直前に最新のGitHub状態を再確認してから実行する。
v0.2.0の主な変更点
@clawsweeper fix — issueを自動でPRに変換
v0.2.0の最大の目玉は @clawsweeper fix コマンドだ。issueのコメントで @clawsweeper fix と書くと、ClawSweeperがCodexを使ってそのissueに対応する実装PRを1つ作成または更新する。
すべてのissueが対象になるわけではなく、以下の条件を満たすものだけに適用される。
- 再現性の高いバグであること
- 関連する未クローズのPRがまだ存在しないこと
- 機能追加や設定変更を伴わないこと
生成されたPRには clawsweeper:autogenerated ラベルが付き、通常のPRと区別できる。
PRレビュー出力の構造化
PRレビューのコメントがより詳細な情報を含むようになった。各PRのレビューには次の情報が含まれる。
- 信頼度スコア(confidence metrics)
- 最適解とその根拠(optimal solutions with rationale)
- 受け入れ基準(acceptance criteria)
- 参照ソース(sources)
- 責任範囲のトレース(ownership tracing)
- 特定されたリスク(identified risks)
これらはコメントのトップに簡潔なサマリーとして表示され、詳細な証拠はcollapsedの詳細セクションに格納される。repair/automergeフローが後続処理で利用できるよう、非表示の判定マーカーもコメント内に埋め込まれている。
Codexのセキュリティ改善
Codexの実行環境の設定方法が変わった。従来は共有のCodexセットアップアクションを使っていたが、v0.2.0からは実行ごとにローカルの CODEX_HOME を作成し、ローカルのResponsesプロキシを経由する方式に切り替わった。
これにより、CodexのサブプロセスがOpenAI/Codex APIキーを環境変数として継承しなくなる。CI環境でAPIキーが意図せず露出するリスクを抑える設計だ。
Automergeの進捗表示
automergeが進行中のとき、ステータスタイムラインに詳細な進捗情報が追加されるようになった。対象フェーズはvalidation・Codex edit・review・base-sync・waitの5つで、各フェーズの状態をコメントで確認できる。
ステータスバッジの刷新
従来の重複したロブスター絵文字バッジが廃止され、ロブスター1つ+状態を示す絵文字の組み合わせに統一された。
👀— 確認中🧹— レビュー中🔧— 修正中✅— 完了 / 一時停止
使い方
ClawSweeperのコマンドはissueまたはPRのコメントから呼び出せる。管理者・メンテナー・書き込み権限を持つコラボレーターのみが実行できる。
@clawsweeper review # 手動でレビューを実行
@clawsweeper fix # issueから実装PRを生成(v0.2.0新機能)
@clawsweeper fix ci # ClawSweeper PRのCI修正
@clawsweeper autofix # review/fixループ(マージなし)
@clawsweeper automerge # review/fix/mergeの全自動ループ
@clawsweeper stop # autofix/automergeを停止
@clawsweeper status # 現在の状態を表示
権限のない投稿者のコマンドは無視されるため、外部からの誤操作は起きない。
v0.1.0との違い
v0.1.0は同日(5月3日)に初リリースされ、issue/PRの定期スキャン・マークダウンレポート生成・高信頼度クローズ提案といった基本機能を備えていた。
v0.2.0ではそこに @clawsweeper fix コマンドが加わり、単なる管理ボットから「修正実装まで担うエージェント」へと役割が拡張された。GitHubのissueトラッカーを起点にCodexが直接コードを書き、PRを作成する流れが1つのコマンドで完結する。
まとめ
ClawSweeper v0.2.0は、OpenClawリポジトリの管理ボットに「issueからPRへの自動変換」機能を追加したアップデートだ。再現性が確認されたバグissueに @clawsweeper fix と一言コメントするだけで、Codexが実装PRを生成する。Codexのセキュリティ強化・PRレビュー出力の構造化・automerge進捗表示の改善も含まれており、OSSリポジトリのCI/CD自動化という観点で実用性が上がった。ソースコードはMITライセンスで公開されている。