PCの前を離れるたびにClaude Codeのセッションが止まる——そんな地味なストレスを解消するOSSツールが登場しました。cc-g2は、Even Realities G2スマートグラスとClaude Code(およびCodex CLI)を連携させ、承認・拒否・通知確認をハンズフリーで行えるようにするツールです。
この記事でわかること:
- cc-g2の仕組みと解決する課題
- Even Realities G2の概要と価格
- インストール方法と使い方
- 実際に使って分かった制約と注意点
AIコーディングエージェントが生む「承認待ち問題」
Claude CodeやCodex CLIを使った開発では、実際にキーボードを打っている時間より、承認ボタンを押すための時間が意外と多いです。AIがコードを書き、テストを走らせ、ファイルを書き換える——そのたびに「許可しますか?」と聞いてくる。PCの前に居続けることが前提になるため、散歩や育児など、少し席を外すだけでセッションが止まります。
日本の開発者・wmoto_ai氏はこの問題に対し、スマートグラスを「AIエージェントの割り込みをさばく端末」として活用するアイデアを実装しました。それがcc-g2です。
cc-g2とは
https://github.com/wmoto-ai/cc-g2
cc-g2は、Claude CodeのHTTP hookを利用してパーミッションリクエストをローカルのNotification Hubに転送し、iPhone経由でEven G2グラスから承認・拒否・コメント返しを行えるようにするツールです。
構成は Mac + iPhone + Even G2 + Claude Code の4点セット。Mac上でNotification Hubを立ち上げ、TailscaleでiPhoneから安全にアクセスしてG2への通知を届ける設計です。インターネットへ直接公開する構成ではなく、自分のネットワーク内で完結します。
2026年4月にはCodex CLI対応も追加され、Claude Codeだけでなく両方のエージェントで使えるようになりました。
Even Realities G2の概要
cc-g2が対応するハードウェアがEven Realities G2です。
チタンテンプル+マグネシウムフロントで重量36グラム。前モデル(G1)の44グラムより軽く、日常使いを意識した設計です。ディスプレイは前モデル比75%大型化。バッテリーは2日以上持続し、充電ケースで7回分を追加できます。
プライバシーを重視してカメラ・スピーカーは非搭載。4本のマイクで音声コマンドに対応します。価格は本体599ドルで、別売りのR1スマートリング(249ドル)を組み合わせると、腕を動かさずに指タップだけで操作できます。
インストールと起動方法
git cloneなしで試せるよう、public GitHubリポジトリから直接インストールできます。
pnpm add -g github:wmoto-ai/cc-g2
cc-g2 doctor
起動はシンプルです。
# Claude Codeで使う場合
cc-g2
# Codex CLIで使う場合
cc-g2 --codex
主な機能
承認・拒否・コメント返しが中核機能です。Claude Codeから承認待ちが発生すると、G2のディスプレイに通知が届き、リングのタップ操作で承認か拒否を選べます。拒否と同時に短い音声コメントを添えることも可能です。
安全性を考慮した設計として、承認の場面でコメントを返したい場合は「拒否+コメント」に変換する仕組みを採用しています。意図を確認してから再承認させる方が、誤操作のリスクを下げられるからです。
完了通知の確認では、Claude Codeがタスクを終えると通知が届きます。長文の返答はG2で読む必要がなく、「終わったな」と分かればPCやスマホに戻るだけです。
音声でのセッション開始も後から追加されました。Even AIのOpenAI互換APIを使い、G2からの音声入力でリポジトリ選択・新規セッション開始・直前セッションの継続まで操作できます。
AskUserQuestion UIも対応済みで、選択肢の表示と選択がG2上で完結します。
使って分かった制約と注意点
開発者本人が率直に認めている限界点があります。
G2は長文を読むのに向いていません。Claude CodeやCodexの返答は長いことが多く、グラスで全文読もうとすると疲れます。短い確認、完了通知、承認待ちの要約——「一瞬で判断できるもの」だけをG2に流す使い方が実態に合っています。長い内容は音声(TTS)で聞く方向に切り替えている、と開発者は述べています。
通知の多さは逆効果になります。散歩中に何度も承認を求められると、集中が途切れてグラスどころではなくなります。そのため「G2で承認できるようにする」のと同じくらい、「そもそも承認回数を減らす」設計が重要だと開発者は指摘しています。Claude Code自体の設定でどこまで自動許可するか調整しておくことが前提です。
実機はシミュレーターと挙動が異なります。スクロール方向が逆に感じたり、イベントの拾われ方が安定しなかったりと、実機固有の癖があります。
まとめ
cc-g2は「スマートグラスで全部の開発ができる」ツールではありません。ただ、PCから離れている間もClaude Codeのセッションを最低限回し続けるという目的に対しては、手応えのある実装です。
子育て中・運動中・移動中でも承認待ちを捌けるようになる体験は、一度得ると戻りにくいかもしれません。Even G2とR1リングを持っている開発者は試してみる価値があります。