Claude Codeを単体で使うと、エージェントの記憶はセッションごとにリセットされる。複数のタスクを並行させたいときも、どのモデルに何を頼むかは手動で決めるしかない。Rufloはその課題をまとめて解決するオープンソースのエージェントオーケストレーターだ。npx ruflo init の1コマンドで、Claude Codeに98体の専門エージェントとセッションをまたいだベクターメモリが追加される。
この記事でわかること
- RufloとClaude Flowの関係と現在のバージョン
npx ruflo initで何が使えるようになるか- スワーム・メモリ・フェデレーションの仕組み
- インストール方法とWebUI
RufloはClaude FlowのリブランドだがアーキテクチャはRust製に刷新
Rufloはもともと「Claude Flow」という名前のOSSプロジェクトだった。2026年初頭、Anthropicの商標との整合性から「Ruflo」に改名された。CLIコマンドとnpmパッケージ名(@claude-flow/cli)は後方互換のまま維持されている。
https://github.com/ruvnet/ruflo
名称変更にとどまらず、v3.5でアーキテクチャがNode/TypeScriptからRust/WebAssemblyベースに刷新された。ポリシーエンジン、埋め込み処理、証明システムがWASMカーネルに移行し、メモリ効率とスループットが向上している。最新バージョンはv3.6.30(2026年5月5日リリース)で、5月8日時点でGitHub weeklyトレンド2位に入り、1週間で約11,900スターを集めた。
Claude Code単体とRufloの差
Claude Code単体ではエージェントは互いに独立しており、共有メモリも自動ルーティングもない。Rufloを追加すると以下の変化がある。
| 機能 | Claude Code単体 | + Ruflo |
|---|---|---|
| エージェントの連携 | 分離・共有コンテキストなし | スワームと共有メモリ |
| タスクルーティング | 手動 | 自動(精度89%) |
| 記憶 | セッション限り | HNSWベクター検索 |
| 学習 | なし | SONA自己学習 |
| LLMプロバイダー | Anthropicのみ | 5社対応+フェイルオーバー |
| バックグラウンドワーカー | なし | 12種が自動起動 |
「精度89%」はルーティングの自動判断精度として公式READMEに記載されている数字だ。
インストール方法
フルインストール(推奨)
npx ruflo@latest init
このコマンド1本で以下が追加される。
- 98体の専門エージェント(コーダー・テスター・レビュアー・セキュリティなど)
- 314のMCPツール
- HNSWベクターメモリ(AgentDB)
- スワームコーディネーター
- MCPサーバーと27種のフック
- 12種のバックグラウンドワーカー(監査・テスト補完・最適化など)
インストール後は通常どおりClaude Codeを使うだけでよい。フックシステムが自動でタスクをルーティングし、成功パターンを学習していく。
プラグイン経由(軽量版)
フルインストールなしにスラッシュコマンドだけを試したい場合は、Claude Codeのプラグイン機能が使える。
/plugin marketplace add ruvnet/ruflo
/plugin install ruflo-core@ruflo
/plugin install ruflo-swarm@ruflo
ただしMCPサーバーは登録されないため、memory_store や swarm_init などのツール呼び出しは使えない。フル機能はCLIインストールが必要だ。
MCPサーバーとして登録する場合は以下のコマンドを使う。
claude mcp add ruflo -- npx ruflo@latest mcp start
主な機能
スワームコーディネーション
エージェントは「Queen主導の階層型」「フラットなメッシュ」「アダプティブ」の3トポロジーで連携できる。コンセンサスプロトコルはRaft、Byzantine、Gossipに対応する。ユーザーが意識するのはトポロジーの選択だけで、エージェント間の調整はRufloが担う。
HNSWベクターメモリ(AgentDB)
セッションをまたいだ記憶はHNSW(Hierarchical Navigable Small World)グラフでインデックスされる。公式READMEにはブルートフォース比で150〜12,500倍高速という数値が示されている。会話の内容を蓄積し、次の実行で関連パターンを検索するといった使い方ができる。
自己学習(SONA)
タスクの成功パターンをReasoningBankに記録し、以降の実行で流用する仕組みだ。どのプロンプトにどのモデルが適しているかも過去の結果から学習するため、使うほどルーティング精度が高まる。
エージェントフェデレーション
v3.6で追加された機能で、異なるマシンや組織のエージェントをゼロトラストで接続する。mTLS+ed25519による認証を経たエージェント間でタスクを分担でき、外部へのデータ送信前に14種のPII検出パイプラインで個人情報を自動除去する。
npx claude-flow@latest federation init
npx claude-flow@latest federation join wss://team-b.example.com:8443
32種のプラグイン
コアオーケストレーション、メモリ、テスト、セキュリティ、DevOpsなどカテゴリ別に32のプラグインが用意されている。ruflo-intelligence(自己学習)、ruflo-rag-memory(ハイブリッド検索RAG)、ruflo-security-audit(脆弱性スキャン)などが代表例だ。
WebUIとゴールプランナー
flo.ruv.io はインストールもAPIキーも不要で試せるWebUIだ。Claude Sonnet 4.6、Gemini 2.5 Pro、OpenAIなど6モデルを選択でき、複数のMCPツールが並列で呼ばれる様子をカードで確認できる。Dockerfileが同梱されており、セルフホストも可能だ。
goal.ruv.io はGoal-Oriented Action Planning(GOAP)UIで、自然言語のゴール入力からA*アルゴリズムで実行計画を生成し、ライブエージェントに割り当てる。/agentsページでは稼働中のエージェントをリアルタイムで監視できる。
料金
RufloのコアはMITライセンスのOSSであり、ツール自体の利用は無料だ。コストが発生するのはエージェントが呼び出すLLMのAPI(AnthropicやOpenAIなど)のみとなる。flo.ruv.ioのホステッドデモも無料で試せる。
まとめ
RufloはClaude Flowのリブランドであり、同時にアーキテクチャをRust/WASMに刷新した実質的な新バージョンだ。npx ruflo init 1コマンドで98体のエージェントとセッションをまたいだベクターメモリが追加され、Claude Codeを多エージェント運用に移行させる入口として機能する。MITライセンスのOSSなので、まずローカルで試して使い勝手を確かめられる。