クラウドAPIのコストを気にせずOpenClawを動かしたい人に向けたツールが登場した。
2026年5月8日、Clawdeckのv0.1.3がリリースされた。OpenClaw/Codexのワークスペースにローカルモードを導入するためのCLIツールで、Ollamaを使って既存の設定をそのまま活かせる。v0.1.3では初回セットアップを1コマンドで完結させるclawdeck setup --yesが追加された。
この記事でわかること:
- Clawdeckが解決する「ローカルモード移行」の問題
clawdeck setup --yes一発で何が起きるか- v0.1.3で修正された主なバグ
- ローカルで使えるOllamaのモデル構成
- オフラインで動く範囲と、ネットワークが必要な操作
OpenClawをローカルで動かす障壁
OpenClawにはOllama経由でローカルモデルを使う仕組みが用意されているが、既存のワークスペースに後から導入しようとすると設定ファイルの書き換えや整合性確認に手間がかかる。設定ミスでOAuth情報や既存プラグインが消えることも起きやすい。
Clawdeckはこの問題に対応したNPMパッケージだ。「別のエージェントフレームワークでも、OpenClawのコピーでもない」とREADMEに明記されている通り、あくまで既存のOpenClaw/Codexワークスペース上で動作する薄い操作レイヤーとして設計されている。
v0.1.3の主な変更点
今回のv0.1.3は「実際のnpmユーザーテストを経た初回フロー改善リリース」と位置づけられている。
追加された機能はclawdeck setupコマンドだ。これは従来のadopt → apply → drillという手順を一本化したもので、次の一連の処理を順に実行する。
- 既存のOpenClawワークスペースを検出して採用(adopt)
- バックアップ済みのローカルプロファイルをプレビューまたは適用(apply)
- 準備状況のドリルチェックを実行(drill)
- 次に実行すべきコマンドを出力して終了
--yesフラグを付けると確認なしで適用まで進む。
バグ修正も複数行われた。ブール型フラグが次の位置引数を誤って消費していた問題、--homeなどの値フラグに値がないと落ちていた問題、clawdeck snapshotが--homeを受け付けなかった問題、clawdeck <command> --helpがエラーになっていた問題が修正されている。テストスイートは22/22がパスしている。
コマンドの役割
Clawdeckは用途ごとに分かれたコマンドを持つ。
adoptはメインの導入パスで、~/.openclaw/openclaw.jsonから既存ワークスペースを検出し、Clawdeck用のファイルをオーバーレイする。AGENTS.mdからCLAWDECK.mdへのポインタも追加される。
applyは~/.openclaw/openclaw.jsonをバックアップしたうえで、アクティブなモデルをローカルのOllamaモデルに切り替える。既存のプロバイダー、プラグイン、認証情報、ゲートウェイ設定には手を加えない。
drillはローカルパスが使える状態かを確認するチェックコマンドで、smokeはさらに踏み込んでOllamaを通じた実際の推論まで実行する。
handoffは、作業をCodex Macアプリに引き継ぐための概要メモを出力する。CLAWDECK.mdのローカルモード契約を共有した状態でCodexが同じワークスペースを使えるよう設計されている。
ローカルモードのモデル構成
Clawdeckがデフォルトで設定するOllamaのモデル構成は3つに分かれる。
汎用用途のプライマリモデルとしてollama/qwen3:4b-instructを使い、コード作業向けにはollama/qwen2.5-coder:7bが割り当てられる。応答速度を優先するフォールバックとしてollama/llama3.2:3bが用意されており、ホスト側のフォールバックはない設計になっている。
これらのモデルをOllamaでpullする手順はREADMEに明示されている。Clawdeck自体はOpenClaw・Ollama・モデルウェイトのインストールは行わないため、事前準備として別途実行が必要だ。
npm install -g openclaw@latest
openclaw onboard --install-daemon
ollama pull qwen3:4b-instruct
ollama pull qwen2.5-coder:7b
ollama pull llama3.2:3b
ローカルで動く範囲の制限
「ローカル」「オフライン」という言葉の範囲についてREADMEは明確に定義している。ローカルで継続できるのはファイル操作・コード作業・ローカルのOpenClawゲートウェイワークフロー・pull済みのOllamaモデルへの推論に限られる。
ネットワーク検索・リモートAPI・アカウント認証・クラウドモデル・ブラウザ自動化を伴うワークフローは依然としてネットワーク接続が必要だ。
また、ローカルの小型モデルは多くのワークフローで実用的に使えるものの、最新のフロンティアモデルと同等の推論性能・ブラウザ自動化・セキュリティ重視のツール操作には対応しきれない場面があることも明記されている。
導入手順
既にOpenClawとOllamaが入っている環境なら、次の1コマンドで設定を完了できる。
npx @nicdunz/clawdeck setup --yes
既存ワークスペースを指定したい場合は次のように書く。
npx @nicdunz/clawdeck setup . --yes
npmレジストリにスコープパッケージが公開されていない環境では、GitHubから直接インストールする。
npx github:dicnunz/clawdeck adopt
セットアップ後はclawdeck drillで準備が整っているか確認し、clawdeck smokeでローカル推論が実際に動くかをテストする流れを踏む。
Clawdeckの動作にはNode 24が推奨される。MITライセンスで公開されており、GitHubリポジトリはdicnunz/clawdeckから参照できる。