Google系ツールをシェルスクリプトやCIから呼び出すなら、これ一本で済む時代になりました。
2026年5月10日、Google Workspace向けのOSS CLIツール「gogcli」がv0.16.0をリリースしました。YouTube・Google Analytics・Search Console・Google Meetなど、これまで個別のSDKやAPIクライアントが必要だったサービスへの対応が一気に追加されました。
この記事でわかること:
- v0.16.0で追加されたサービスと操作の概要
- YouTube・Analytics・Meetの具体的なコマンド例
- Driveの差分同期と監査証跡の取得方法
- Admin機能の強化点(ユーザー作成・組織単位管理)
- インストール方法とCIへの組み込み方
gogcliとは何か
gogcli(コマンド名はgog)は、Gmail・Calendar・Drive・Docs・Sheets・Slides・Forms・Meet・Apps Script・Analytics・Search Console・Contacts・Tasks・Classroom・Chat・YouTube・Workspace管理まで、Googleの主要サービスをまとめて操作できるCLIツールです。
ターミナル、シェルスクリプト、CI、AIエージェントからの利用を想定して設計されています。標準出力に--jsonか--plain形式で出力し、ヒントや進捗はstderrに流れるため、スクリプトでのパイプ処理がしやすい構造です。
v0.16.0以前にもGmail・Drive・Calendar・Docs・Sheetsなど多くのサービスに対応していましたが、今回のリリースでYouTube・Analytics・Search Console・Meet・Sitesへの対応が加わり、対応範囲がほぼ全Googleサービスに達しました。
v0.16.0の主な追加内容
YouTubeの操作が可能に
youtube(エイリアスyt)コマンドグループが追加されました。YouTube Data API v3を通じて、動画・プレイリスト・コメントスレッド・チャンネルの情報を取得できます。
# APIキーを設定する
gog config set youtube_api_key YOUR_API_KEY
# 人気動画を5件取得する
gog yt videos list --chart mostPopular --region US --max 5
# 自分のアカウントのアクティビティを取得する
gog yt activities list --mine -a you@gmail.com
読み取り操作の多くはAPIキーだけで動作します。--mineフラグなどOAuth認証が必要な操作はgog auth add ... --services youtubeで事前に権限を付与します。
Google Analytics・Search Consoleに対応
GA4のアカウント一覧とレポート取得、Search ConsoleのサイトリストとSearch Analyticsクエリ、サイトマップ管理が追加されました。
# GA4アカウント一覧を取得する
gog analytics accounts --all --json
# 過去7日間のユーザー数をレポートする
gog analytics report 123456789 --from 7daysAgo --to today \
--dimensions date,country --metrics activeUsers,sessions
# Search Consoleのサイト一覧を表示する
gog searchconsole sites
# クエリ別の検索パフォーマンスを取得する
gog searchconsole query sc-domain:example.com \
--from 2026-02-01 --to 2026-02-07 \
--dimensions query,page
Driveの差分同期と監査証跡
drive changesコマンドでGoogle Driveの変更差分をトークンベースで追跡できるようになりました。Webhookによる変更通知の受信もサポートしています。
あわせてdrive activity queryが追加され、Drive Activity API v2を通じてファイルの編集・共有などの操作ログを取得できます。
# 差分追跡の開始トークンを取得する
gog drive changes start-token
# トークン以降の変更を取得する
gog drive changes list --token <token> --json
# 特定ファイルの編集・共有ログを取得する
gog drive activity query --file <fileId> \
--actions edit,share \
--from 2026-01-01T00:00:00Z --json
Google Meetの操作
meetコマンドグループが追加されました。Meetのスペース(会議室)の作成・取得・更新・終了、過去の会議履歴と参加者情報の取得が可能です。
Calendarとの連携も整備されており、calendar update --with-meetでカレンダーイベントに対してMeetリンクをべき等で追加できます。すでにMeetリンクがある場合は再生成が不要なため、CIやスクリプトから安全に呼び出せます。
Admin機能の拡張
Workspace管理者向けの操作が強化されました。admin users createにGAMスタイルのエイリアス付与・一時パスワード自動生成・停止状態での作成・リカバリ連絡先フィールドが追加され、admin users deleteでユーザー削除もできるようになりました。
組織単位(Organizational Unit)の操作としてadmin orgunitsコマンドが追加され、一覧・詳細確認・作成・更新・削除が可能です。
# ユーザーを作成し、パスワード変更を強制する
gog --account admin@example.com admin users create ada@example.com \
--first-name Ada \
--last-name Lovelace \
--password 'TempPass123!' \
--change-password \
--ou /Engineering
# 組織単位の一覧を表示する
gog --account admin@example.com admin orgunits list --type all
インストール方法
Homebrewで1コマンドでインストールできます。macOS・Linux・Windowsに対応しています。
brew install gogcli
gog --version
Dockerで使う場合は以下のとおりです。
docker run --rm ghcr.io/openclaw/gogcli:latest version
WindowsはGitHubのリリースページからZIPをダウンロードしてgog.exeをPATHに追加します。
CIやAIエージェントからの呼び出し時は、コマンドの許可リストを明示してリスクを絞るパターンが推奨されています。
gog --account you@gmail.com \
--enable-commands gmail.search,gmail.get,drive.ls,docs.cat \
--gmail-no-send \
--json \
gmail search 'newer_than:7d'
まとめ
gogcli v0.16.0でYouTube・Google Analytics・Search Console・Google Meetへの対応が加わり、Googleの主要サービスをほぼ一本のバイナリで操作できる環境が整いました。--json・--plainによる出力の標準化、--dry-runによる安全な確認フロー、コマンド許可リストによるエージェント向けの制御機能も揃っています。公式ドキュメントはhttps://gogcli.sh/で参照できます。