GIS分析とPythonコードを行き来するのは、作業の流れを途切れさせる。QGIS Notebook Pluginを使えば、JupyterノートブックをQGIS内のパネルで直接実行でき、地図データとコードを1つの画面に収められる。
2026年4月24日にリリースされたv0.7.1では、同年3月に公開されたQGIS 4.0への対応が追加された。Qt5/Qt6のデュアル互換対応により、最新のQGIS環境でもノートブックを使い続けられる。
この記事でわかること:
- QGIS Notebook Pluginの主な機能と使い方
- v0.7.1でのQGIS 4.0対応の内容
- インストール手順とJupyterLab風ショートカット
QGIS Notebook Pluginとは
https://github.com/opengeos/qgis-notebook-plugin
Qiusheng Wu(@giswqs)が開発したオープンソースのQGISプラグインで、Jupyter notebook(.ipynb)ファイルをQGIS内のドッキングパネルで開いて実行できる。MITライセンスで公開されており、GitHubのスター数は96(2026年4月時点)。
これまでGIS分析を行うには、QGISで地図を開き、別ウィンドウのJupyter Labに切り替えてコードを書き、結果をまたQGISに戻すという手順が必要だった。このプラグインはその往復を不要にする。
v0.7.1でのQGIS 4.0対応
QGIS 4.0(Norrköping)は2026年3月9日にリリースされた。最大の変更点はUIフレームワークのQt5からQt6への移行で、プラグインもQt6に対応しなければQGIS 4.0では動作しない。
v0.7.1では「Qt5/Qt6デュアル互換への移行」が主な変更として実施された。これにより、QGIS 3.28以降(Qt5環境)とQGIS 4.0以降(Qt6環境)の両方で動作する。
バージョン履歴を見ると、直前のv0.6.0まではQGIS 3.99.0までが上限だったが、v0.7.1からQGIS 4.99.0(4.x系の全バージョン)まで対応範囲が拡大された。
主な機能
ノートブックの表示と実行
.ipynbファイルを開くと、コードセルとマークダウンセルが色分けして表示される。「Run」ボタンでセル単位の実行、「Run All」で全セルを一括実行できる。実行結果はセルの直下に表示される。
マークダウンのレンダリング
見出し、リスト、リンク、インラインコードのレンダリングに対応している。コードの解説をマークダウンで書きながら分析を進められる。
ノートブックの編集
セルの追加・削除・移動、コードとマークダウンの切り替えが可能。「New」ボタンでQGIS内から新規ノートブックを作成し、「Save」で保存できる。
外観のカスタマイズ
設定パネルからフォントファミリー、フォントサイズ、行間、カラースキーム、セル間隔を調整できる。ライン番号表示やワードラップのオン/オフも切り替えられる。
インストール方法
QGIS Plugin Managerからインストールする手順は以下のとおり。
- QGISのメニューから プラグイン → プラグインの管理とインストール を開く
- 設定 タブに移動し、「リポジトリを追加」をクリック
- 名前(例:
OpenGeos)とURLhttps://qgis.gishub.org/plugins.xmlを入力してOK - すべて タブで「Notebook」を検索し、「インストール」をクリック
インストール後、QGISツールバーにNotebookアイコンが追加され、クリックするとパネルが開く。
キーボードショートカット
JupyterLabに近いショートカットに対応している。頻繁に使うものを以下に示す。
編集モード(セル入力中)
| ショートカット | 操作 |
|---|---|
Ctrl+Enter |
現在のセルを実行 |
Shift+Enter |
実行して次のセルへ移動 |
Alt+Enter |
実行して新しいセルを下に追加 |
コマンドモード(セル選択中)
| ショートカット | 操作 |
|---|---|
A / B |
上/下にコードセルを追加 |
D, D |
セルを削除(Dを2回) |
Y / M |
セルタイプをコード/マークダウンに変更 |
Ctrl+Shift+Up/Down |
セルを上/下に移動 |
QGISとの統合
プラグインはQGISのPython環境と統合されているため、ノートブック内でqgisモジュールを使ってレイヤー操作が可能。設定の「実行前にインポートするモジュール」には、qgis・os・sys・numpy・pandasがデフォルトで指定されており、インポート文を書かずにこれらを使い始められる。
地物の一括処理、属性テーブルの集計、外部APIとの連携など、QGISのGUIからは手が届かない処理をノートブックで記述し、そのままQGISの地図に反映させるワークフローが実現する。
まとめ
QGIS Notebook Plugin v0.7.1は、QGIS 4.0への対応を果たした重要なアップデートとなった。GIS分析にPythonを組み合わせたい場合、別環境のJupyterを立ち上げる必要がなくなる。QGIS 4.0へ移行済みのユーザーは、このバージョンへのアップデートで引き続きノートブックをそのまま使い続けられる。
プラグインページ: https://plugins.qgis.org/plugins/qgis_notebook/